20周年をこの目で~FUJI ROCK FESTIVAL '16

Yahoo!ニュース個人のエンタメオーサーになってまもなく3年半。毎年必ず書いているのが、フジロックフェスティバルについて。またもや月末ギリギリの投稿で、しかも開催から1ヶ月以上が経ち、そして今回も日曜日のみの参加だったわけだが、1日だけでもフジロックを味わいたい、バタバタだった今年の模様を、書いておきたいと思う。フジロッカーの共感を少しでも得られるように。

日本最大の野外ロックフェスティバル、フジロックフェスティバルが今年も開催された。記念すべき20周年。もちろん、素晴らしいアーティストのラインナップと、抜群のホスピタリティで、僕らを楽しませてくれた。

7月23日土曜日午後6時、担当番組のDJを終えた自分は、普段ならその日のOA内容をWEBにアップしたりと、小一時間引き続き仕事をするのだが、とにかく即出られるようにと事前にWEBの予約投稿を済ませていて、ADに片付けをお願いして、局を飛び出した。今年は、新調した大きなボストンバッグ(リュックのように背負うことも出来る)ひとつだけ。日曜日のみの参加で荷物も少ない、というのもあったが、キャリーバッグ(いわゆる“コロコロ”)はやはり動きが鈍くなる。現地に着くと~ライブ会場に持っていくわけではないが~舗装されてない道もあり、取回しにくい。それでもなかなかの荷物で、大きなバッグに、後ろにひっくり返りそうになりながらも、地下鉄で新大阪駅へ向かう。同じスケジュールで行く仲間と合流、駅で弁当とビールを買い、新幹線車内へ。缶ビールで乾杯、仕事終わりの空腹で、黙々と弁当をたいらげ、とりあえず寝る。フジロックは、夜中でも何かやっているし、たくさんの客が夜通し盛り上がっている。それも魅力的なのだが、1日だけの参加となると、やはり朝から動きたい。なので、現地に着いても、会場に先に行ってる仲間に顔を出す程度で、すぐに休むつもりだった。東京駅で乗り換えて、越後湯沢へ。東京までしっかり眠れたのと、さすがに上越新幹線に乗り換える頃にはワクワク感も増し、起きて、明日の1日を想像しながら、ニヤニヤしていた。越後湯沢からはシャトルバスもあるが、たとえば4人とかなら、タクシーで割り勘でも2千円程度で済む。ゆっくりの参加で、お金も節約したい、とかならもちろんシャトルバスがいいと思うが、深夜に入り、とにかく休みたい~年齢も、ある~となると、ここはお金の使いどころだ、と思う。どのフェスでもそうだ、と思うが、年齢やその人のスタイルによって、お金の使いどころがある、と。自分はグッズを買ったり、というのはほとんどない。いわゆる“フェス飯”は、出来る限り美味しいものを食べたい。帰ってすぐ仕事なので、なるだけ疲れを残したくない。逆に、チケット代金分、夜通し~三日三晩ほぼ眠らずに遊びたい、お気に入りのアーティストグッズ、フェスのオフィシャルグッズは必ず買いたい、という人もいるだろう。どんな楽しみ方でも、広く受け入れ、それぞれがそれぞれの楽しみを見出だせる、それがフェスだ。特にフジロックはそういう意味で懐が深い、と思う。宿泊先に到着し、とりあえず荷物を放り込んで、会場へ向かった。数人の、会場にいる仲間に連絡を取ると、かなりの人数、仲間達はまだ飲んでいた。深夜12時半頃だ。とりあえず乾杯し、先にいろんなライヴを観た人、楽しんだ人の話を聞く。フジロックは、テレビのバラエティなどでもつい先日取り上げられていたが、いわゆる有名人にもファンが多いし、出演する(した)ミュージシャンの中にも、客と同じエリアを歩いて、フェスを楽しんでいる、という人がたくさんいる。仕事柄、親しいミュージシャンもいるわけで、飲食エリアで飲みながら仲間と話していると、声をかけられた。それは、局で、番組インタビューをしたり、そのミュージシャンのライヴで楽屋挨拶をしたり、というのとは全く違う空気の~もちろんお酒を飲んでいる、というのもあるだろうが~とても柔らかな空間だ。同じ参加者として、ライヴの感想を言い合ったり、明日の楽しみを話したり。どんどん楽しくなっていく。気付けば、深夜3時。最初から予定が狂う。しかし、もうこの時間になり、お酒も入ると、予定なんて立ててたっけ、という気持ちになる。それでも、明日に備え、まだ盛り上がる(主に自分より若い)仲間達を残して、宿泊先に戻った。

画像

翌朝、眠い目をこすりながら、起きる。8時だ。なんやかんやで結局4時間ほどの睡眠。それでも、前日移動の新幹線で寝たのと、やはりアドレナリンの放出で、ベッドから出ると元気だ。朝食を済ませ、支度をし、会場へ。フジロックとは、という話。前日の夜も仲間達と、そして、帰ってきてからも行った人間とよく話すが、もちろん、国内外を問わず、素晴らしいアーティストラインナップで、タイムテーブルとにらめっこ、というのもあるけれど、フジロックならではの土地柄を活かした様々な楽しみ、そして年に一度のビッグフェスに全国から集まると、昔の友達と再会、などという喜びもある。このライヴをこのステージで観よう、と移動して、友達に会い、酒を飲みながら話し込んで、結局遠くから聴こえる音だけでそのライヴは終わってしまった、なんてこともある。でも、それも楽しい。天気も良かったので、まずは名物のドラゴンドラの乗り場へ向かう。スキー場のゴンドラ。フジロックで一番高いところにある会場、デイ・ドリーミング&サイレント・ブリーズへ運んでくれる。乗車時間は20分ほど。1日だけの参加で、ゴンドラに20分も乗るのか(だから往復40分)と思われるかもしれないが、このゴンドラからの景色は素晴らしい。そして、到着すると、その澄んだ空気に癒される。前は、フジロックの会場(エリア)に入るなり、仲間と朝からビールで乾杯して、いざゴンドラに乗ろうと思うと、乗り場までの急な坂に息も絶え絶え、なんてこともあったが、回を重ねると時間と体力の使い方にも慣れてきて、今年も1杯目のビールは、デイ・ドリーミングに登ってから、だった。抜群の景色で、朝からビール。チルなDJサウンド。シャボン玉で遊ぶ子供。着ぐるみ。日常では味わえない空間だ。こちらも新調した、軽くて持ち運びしやすいイスを組み立て、しばし浸る。長居はせずに帰りのゴンドラへ。朝一番の約1時間。これもフジロックである。

画像

新調したバッグやイスも含め、だんだん持ち物なども洗練されていっている気がする。もともとアウトドア的な遊びやアイテムは好きで、初めて参加した時は、それこそ登山家のような出で立ちで闊歩した。それはそれで、備えあれば、なのだが、やはりフェス慣れしている人を見るとかっこいいな、と思う。事前に天気のチェック(をしても、やはり変わりやすい、というのはあるのだが)もせずに、とにかく雨が降ろうが、槍が降ろうが大丈夫、的な準備が、と思っていたが、いろんなことを予想しつつも、“何を持って…いかない”ということを考えるようになった。今年にとにかく天気に恵まれた。天気がいいヴァージョンの軽装と小さなバッグで、ゴンドラを降りてからは各会場を回る。必ず観たいアーティストは一番大きいグリーンステージで夕方から、だったので、それまではいろんなステージのライヴを少しずつ観て、フェス飯に舌鼓を打つ。フィールド・オブ・ヘブンの飲食ブースにある“東京エール”という地ビールを、持参したぬるくならないステンレスのマグに移して飲み、“ラムチョップ”を食べる。前に仲間に教えてもらってから、必須になった。今年ももちろん美味しかった。ステージを移動する時に歩くボードウォークも、楽しみのひとつだ。やはりコンクリートに囲まれた毎日とは違う、歩くだけで感じる心地よさ。とにかく昼間はよく歩いた。

画像

KEN YOKOYAMAのライヴが始まるちょっと前、午後4時にはグリーンステージに仲間と辿り着く。一番大きい会場だが、やはりその日のヘッドライナーがライヴをやるステージなので、すでにたくさんの人が居場所を確保している。自分たちもなんとかステージが観やすい場所を見つけた。何度も観ている彼のステージだが、フジロックのグリーンステージでは、また格別の輝きを放っていた。HI-STANDARDでファンになり、彼がソロになってからは、何度も仕事でご一緒させて頂いた。会って、マイクの前ではない、いわゆるオフトークで彼と話すようになり、より彼のファンになった。音楽への真摯な姿勢、熱意、憂い、そして、照れ隠し。あの日の演奏と、すべてのMCを受け止めた。

画像

最終日のヘッドライナーはRed Hot Chili Peppersだった。ワンマン、とまではいかないが、ヘッドライナーともなると、かなりのボリュームで魅せてくれる。すでに50代半ばまできたメンバーだが、そのライヴは全く衰えを見せないどころか、よりパワーが増しているように思う。長年のキャリアの中で生み出してきた数々のヒット曲も交え、オーディエンスを圧倒した。もちろん、大満足、ではあったが、その後、同じステージでスペシャルゲストとしてライヴをおこなった電気グルーヴを観ることが出来なかったのが非常に残念だった。

画像

というのも、月曜日のお昼1時には大阪の局に戻り、仕事をしなければいけなかったので、夕方一度宿泊先に戻り、朝のタクシーを予約しにいったところ、「月曜日の午前中、苗場のタクシーはすべて予約でいっぱいです」と。もちろん、すべてフジロック絡みだっただろう。関係者もあるだろうし、自分と同じく月曜日にはすぐ戻って仕事、という客もいるだろう。何度かタクシー予約はしたことがあったので、余裕で考えていたが、甘かった。「じゃあ、シャトルバスですよね?」と尋ねると、「そうなりますが、朝からすごく並びますので、早く帰られるのであれば、かなり早くにご準備された方がいいか、と」という返事だった。これにビビった。翌日が休みであれば多少睡眠不足でも構わないが、生放送もある。電気グルーヴの音に後ろ髪引かれながらも、グリーンステージを後にした。もちろん、満足感はあったが、少しの物足りなさを抱え歩いていたら、帰り道にあるライヴハウス形式のステージ、パレス・オブ・ワンダーからG.Love & Special Sauceのライヴが聴こえてきた。そうだった!と思い、パンパンの会場の中に足を踏み入れ、興奮のるつぼと化したG.Loveのステージを堪能した。もちろん、時計を気にしつつ、時間的には20分ほどだったが。自分がちゃんとタイムテーブルを確認していなかった、というのもあるが、嬉しいハプニング的に、最後に、素晴らしいライヴを観られたことに感動し、宿泊先へと急いだ。

翌朝は5時に起きて、支度をし、シャトルバス乗り場へ。前日聞いていた通り、バスを待つ長蛇の列に不安が過ったが、予想以上にバスの回転が早く、越後湯沢の出発の時間には余裕で間に合った。それでも自分は少しでも寝て、バスの列に並んだが、朝まで満喫してそのままシャトルバスへ来た、という感じの人も大勢いて、自分からすると(年齢も含め、だが)すごくしんどいだろうな、と思うのだが、皆それぞれすごく満足そうな感じでバスを待っているのが印象的だった。

毎年書いてるフジロックに関してだが、今回は特に自分の記録、になってしまった。ただ最初に書いたように、多くのフジロッカーは、忙しい日常を調整しつつ、少しでも苗場に、という想いが同じくあると思う。読んで頂き、「あー、分かる分かる」という人が何人かでもいてもらえれば嬉しい。とにかく、記念すべき20周年のフジロックにもいることが出来た。来年も、うまく調整して、出来れば今年より少しでも長く、少しでも多く楽しみたい。

(敬称略)

(写真:Masanori Naruse/Tsuyoshi Ikegami/宇宙大使☆スター)

FUJI ROCK FESTIVAL'15 最終日~1日だけでも参加したいフジロック

http://bylines.news.yahoo.co.jp/nakajimahiroto/20150731-00048053/

今年も苗場がROCKする~FUJI ROCK FESTIVAL'14

http://bylines.news.yahoo.co.jp/nakajimahiroto/20140724-00037647/

なぜフジロックへ行くのか~FUJI ROCK FESTIVAL'13

http://bylines.news.yahoo.co.jp/nakajimahiroto/20130526-00025216/