くまもとが熱い?!~ぞくぞく登場する注目アーティスト

BLUE ENCOUNT

今、日本の音楽シーンで注目されるいくつかのアーティストには、ある共通点がある。それは、熊本出身ということだ。自分も熊本出身で20代半ばまで熊本にいた。熊本、というと、一昔前までは、演歌歌手を多く輩出している、というイメージがあった。水前寺清子、八代亜紀、石川さゆり、などなど。皆、大成功をおさめた大物アーティストである。しかし、ポップスのフィールドでは、あまり存在感のある地域ではなかったように思う。それが今、全国のリスナーの心を揺さぶる、熊本出身のロックバンドが頭角を現してきた。

ここ最近で、最初に、熊本出身、に出会ったのは、KEYTALKのボーカル・ギター、寺中君だった。

KEYTALK
KEYTALK

先日、10月28日に初の日本武道館単独公演を大成功させた、今もっとも勢いのあるバンドのひとつ。関西でももちろん、大人気である。レコード会社の宣伝担当から、アーティストの紹介を受ける際、ひとつのネタとして「彼も九州出身なんですよ」というのがたまにある。九州の人間なら分かると思うが、九州は広い。関西のように、京都、大阪、神戸を毎日行き来するような感じではない。なので、自分の出身地である熊本でない限り「はぁ」という歯切れの悪い返事になる。それが「熊本出身なんですよ」だと、話が変わる。やはり、急に同郷、という気持ちが湧く。寺中君を紹介してもらった時も「熊本のどこ?」とか「高校は?」など、ローカルな話が自然に飛び出す。ただ、年齢も離れているし、KEYTALKの場合、寺中君以外は熊本ではないので、他のメンバーを置いていくような話(インタビュー)は出来ないし、まだゆっくり話せてもないので、次の機会には、この記事の内容も含めて、いろいろ話したい、と思う。

次に出会ったのは、BLUE ENCOUNTのボーカル・ギターの田邊君。BLUE ENCOUNT(通称ブルエン)は、4人中3人が熊本出身。熊本の高校時代から4ピースバンドでライヴ活動をおこない、上京と共に一人脱退、現在のベーシストの辻村君と出会い、今に至っている。ブルエンの場合、最初にインタビューで会ったのが田邊君ひとりで、彼は非常に人懐っこく、また、スタッフから自分が熊本出身だ、ということを聞いていたようで、いきなり話が盛り上がった。

その熱いライヴはすでにロックキッズたちを虜にし、さらに田邊君はこの10月から、FM802のアーティストDJプログラム“MUSIC FREAKS”のDJを、ceroの高城君と隔週で担当している。同じ局のDJ仲間となり、より距離も近くなった田邊君に、今回の記事を書くにあたり、当時の熊本のアマチュアシーンについて話を聞いた。

曰く、高校時代に、DJANGO(ジャンゴ)というライヴハウスで“ロックンロール・ハイスクール”という企画ライヴがおこなわれていて、ブルエンのメンバーは、そのライヴによく出演していたそうだ。当時は、ELLEGARDENやHI-STANDARD、MONGOL800などのコピーをやりつつ、オリジナル楽曲もその頃から演奏していた、と。その企画ライヴでよく一緒になっていたのが、WANIMAのメンバーだったそうだ。

WANIMA
WANIMA

熊本出身の松本君、西田君、に、もうひとりで前身のバンド、HANIMAとして、“ロックンロール・ハイスクール”のステージに立っていた。現在は、同じく熊本出身の藤原君と出会い、高校時代と変わらず熊本出身の3人でやっている。ブルエンのメンバーとは年もほぼ一緒で、当時から付き合いがあったそうだ。ちなみに前述のKEYTALK寺中君も年齢が近く、田邊君は、寺中君ともその頃から面識があったらしい。

今からおよそ10年前の、地元のライヴハウスで、高校生としてステージに立っていた彼ら。田邊君は今も、お世話になっていたそのライヴハウスを運営~“ロックンロール・ハイスクール”を企画している楽器店に、地元に帰ると顔を出すことがある、という。

現在も“ロックンロール・ハイスクール”はおこなわれている。どんな様子か知りたくて、楽器店“Beatnic80”で現在この企画ライヴを担当している吉津さんに電話で話を聞いた。やはり、前述のバンド達が出ていた頃の記憶は鮮明で、彼らは皆、本当に真剣で、ライヴも盛り上がっていたし、バンドの数も多かったそうだ。その数年はいわゆる「当たり年」だったのかもしれない。もちろん、今、ステージに立つ高校生たちも一生懸命で、将来的には上京~プロを目指したい、という子もいる、という。吉津さんから見ても、このバンドはいいな、とか、この子の演奏は光っている、という高校生がいる、と。楽しみだ。ただ、10年前に比べるとバンドの数は半分ぐらいじゃないか、ということだった。今、アマチュアの人が世の中に作品を出す方法は昔と違ってたくさんある。すべてのことをひとりでやって、インターネットで発表、目にとまりデビュー、ということも少なくない。いろんな才能が見出だされ、素晴らしいことだと思う。ただ、バンドやろうぜ、という仲間と、学生時代に知り合い、練習し、ステージに立ち、メンバーチェンジもあり、また練習し、またステージへ、そして、そんな彼らを見守り、応援する、地元の大人たち、という構図は、やっぱりいいな、と感じる。吉津さんの言葉にも、もっともっと地元のシーンを盛り上げたい、という熱い気持ちがこもっていた。

田邊君から、もうひとつ面白い話を聞いた。「この前、皆で、熊本市民会館でライヴやったんですよ。」と。そう、前述のバンドたちは、すでに、皆で凱旋ライヴをやっていたのだ。

FMK 30th Anniversary  HI-GO MANIA
FMK 30th Anniversary HI-GO MANIA

今年30周年を迎える“FM熊本”の記念ライヴとして開催された“HI-GO MANIA(ハイゴーマニア)”。詳しいお話を、FM熊本の池上さんに電話で伺った。もともと、FM熊本の夕方の帯番組に、毎週木曜日、週替わりで熊本出身のアーティストが出演するコーナーがあり、開局30周年に合わせて、その着地点として、このライヴがおこなわれた。1500人を超える集客、もちろん、大変な盛り上がりだったそうだ。熊本市民会館は、自分も学生の時、はじめてHOUND DOGのコンサートを観た、思い出の場所だ。今も変わらず、地元において、大物アーティストを目の当たりに出来る最初の場所だと思う。出演した彼らも、きっと感慨深かったに違いない。出演は、上記3組の他に、忘れらんねえよがいた。「あっ、ヒロトさん、柴田さんは、ヒロトさんの高校の後輩ですよ。」と田邊君が教えてくれた。

忘れらんねえよ
忘れらんねえよ

2011年にはすでにメジャーデビューを果たし、その異彩を放つ存在感は、もちろん知ってはいたが、ボーカル・ギターの柴田君が熊本出身、ましてや高校の後輩、ということは全く知らなかった。ちなみに柴田君は今年5月に、廃校でひとり缶詰になり6万個のドミノ倒しに成功し、日本記録を打ち立てた。自分が通っていた頃から、個性的な人がたくさんいた高校だった。今度会うのが楽しみである。

もうひとり、熊本出身のアーティストを紹介する。リリィ、さよなら。だ。

作詞作曲家でもあるVo.ヒロキのソロプロジェクトとして2013年より活動を開始し、すでにメジャーアーティストへの楽曲提供などもおこなっている。10月21日には2ndミニアルバム「ハッピーエンドで会いましょう」をリリースする。彼は、すべてをひとりでやるアーティストだ。FM802の編成スタッフに「ヒロキ君は、ヒロトさんと同じ高校だそうですよ。」と聞き、音を聴くと、その心地よさに、後輩、ということよりも、アーティストとして俄然興味を抱いた。まだ24才、後輩といっても年の差がすごい。ただ、バンドではなくソロプロジェクトとして活動するに至った経緯や、もちろん同郷の話題も含め、ゆっくり話してみたい。

地元を離れて20年以上経つ。仕事柄、なかなかゆっくり帰省も出来ない。でも、やっぱり自分を育ててくれた場所。今の自分が形成されたところ。高校野球のように、地元の人が頑張っている、活躍している、というのは純粋に嬉しいし、応援したい。贔屓、ではなく、自慢、として、これからも彼らを応援していきたい、と思う。

KEYTALK オフィシャルHP

http://keytalkweb.com

BLUE ENCOUNT オフィシャルHP

http://blueencount.jp

WANIMA オフィシャルHP

http://wanima.net

忘れらんねえよ オフィシャルHP

http://www.office-augusta.com/wasureranneyo/

リリィ、さよなら。 オフィシャルHP

http://lilysayonara.com

FM熊本 HP

http://fmk.fm

Beatnic80 HP

http://www.beatnic80.com

(敬称略)

(協力:ビクターエンタテインメント、キューンミュージック、ピザオブデスレコーズ、スペースシャワーネットワーク、VAP)

(取材協力:FM熊本、Beatnic80)

(順不同)