FURTHER ALONG / SPIRAL LIFE~20th anniversary mix

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ここ何回か、関西のライヴレポートなどで、同い年の仲間、というキーワードが出てきた。40代も半ばになり、それぞれがそれぞれのポジションで責任のある立場となり、また、やりたかったことを自分なりにハンドリングできる。若かったころにはない仕事の楽しさがあったりする。

年が近いミュージシャンもたくさんいて、若い頃からインタビューなど一緒に仕事させてもらってて、気付けば…みたいな。昔話も出来るし、それも楽しい。

石田ショーキチ、という男

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SPIRAL LIFE(スパイラルライフ)は、1993年にデビュー、車谷浩司と石田小吉(現ショーキチ)によるユニット。BAKUというバンドで、10代にデビューして、一世を風靡した車谷と、ミュージシャンでありつつ、サウンドプロデューサー的な面も強く持ち、デビューを目指していた石田が、後にSPIRAL LIFEのディレクターとなる人物を介して知り合い、結成される。こういう文章は、いろんなところで目にするし、まさにその通りだと思うが、自分の場合、93年といえば、ちょうどDJとして仕事を始めたばかりの頃で、石田君(以下、ショーキチ)は同い年、車谷君(以下、クルちゃん)も少し年下で、福岡のFM局でDJをしていた時、彼らが所属するレーベルの九州担当のプロモーターとも仲がよく、そんな縁で仲良くさせてもらっていた。当時、彼らの音は衝撃的で、クルちゃんの繊細なボーカルと、ショーキチによる作りこまれたサウンドは、その頃の音楽シーンにおいてあきらかに一線を画していた。そんな、シーンとの違いや、もともと二人ともあまりしゃべる方でもない(プロモーションにおいて)という印象から、自分も最初はとっつきにくいのかな、と思ったが、前述のプロモーターを介しての食事会で、二人の、とても柔らかで、真摯に音楽と向き合う姿勢と、なにより同世代で、(おこがましいが)これから一緒に頑張ろう、的な会話で一気に打ち解けた。特にショーキチとは個人的に連絡先も交換し合う仲になった。

二人はそれぞれ別の道を歩み始め、クルちゃんはAIRというソロプロジェクトで、番組にもゲストに来てくれたりして、親交は続いた。ショーキチは、SCUDELIA ELECTRO(スクーデリア・エレクトロ)というユニットを組み、こちらもゲストに迎えたりしていた。自分がFM802でDJをするようになって間もない頃、ショーキチから、局のアーティストDJ枠の番組を1ヶ月やることになったので、その番組のディレクターをやってほしい、という依頼が来た。九州にいた頃は制作経験もあったが、大阪に移ってからは番組制作をする機会もなかったし、他にもたくさんの人がいる中、自分を指名してくれたことが嬉しかった。出会った頃と変わらず、バカ話をしながら、番組内容をまとめ、5週に渡ってOAした。その期間、彼の考え方や、趣味嗜好に触れ、より石田ショーキチ、という人間に興味を持った。

20年の時を経て

今回、そんな石田ショーキチのデビュー20周年アニバーサリー企画のひとつとして、SPIRAL LIFEの1stアルバム「FURTHER ALONG」を再びミックスダウン、“20th anniversary mix”として先月リリースされた。今回、再びミックスダウンした理由、素材のレベルまで遡って作業したことなど、同封のブックレットに本人のコメントとして詳しく記してあるので、ここでは書かないが、この文章がホントにショーキチらしい、頑固で(失礼!)、かつ分かりやすく、音楽への愛、仲間へのリスペクト、なにより本人の優しさが感じられる素晴らしいものなので、ぜひ読んでほしい。今回のミックスに際して、クルちゃんと連絡を取り合ったくだりは、二人を知ってるものとして、ちょっと熱いものがこみ上げた。

再びミックスダウンされた音源は、93年当時から唯一無二の旋律だった曲たちが、今のサウンドシステムに呼応する21世紀の音に生まれ変わっている。1stアルバムをお持ちの方はぜひ聴き比べてほしい。その後に、またショーキチの書いた文章を読んで頂ければ、より深い味わいを体験出来ると思う。

彼のこだわりはすごい。久々にゆっくり話したくなった。音楽に関わる仕事をしつつも、そこまでサウンド/エンジニア的なことには詳しくはないが、まだ多少は分かるだろう。釣りや車の話はチンプンカンプンだが、嬉々として話すのを横で聞いてるだけで元気になる。

さらなる、こだわりを持った活躍を期待したい。

(敬称略)

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