あなたの家の「リモコンボタン」は「巻戻し」ですか?

(写真:アフロ)

 先だって某研究会で、デザインを専攻しているある先生から、「へー」という話を伺いました(感謝!)。

 そこで、皆さんにも、朝っぱらから問題!

 皆さんは、ご自宅で、テレビ番組を録画媒体に録画したり、DVDをみたりすることがあるかと思うのですが、その場合、場面やシーンを「前の状態=過去」に戻すことを何といいますか?

 別の言葉でいいかえるのだとすると、

 「再生してきたシーン」を「過去」にもどしてもう一度みたいときに、皆さんは、リモコンの「何」というボタンを押しますか?

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 僕の答えは「巻き戻し」

 いや、フツーに「巻き戻し」っていいませんか?

 で、リモコンは「巻戻しボタン」を押しませんか?

 先だっての研究会で、僕は、自信をもってそう答えたのですが、

 なんと、現代は「巻き戻し」と言わないんですね。

 ぜひご自宅の録画媒体のリモコンをご覧下さい。

 機種によっても違うのですけれども、「巻き戻し」ではなく「早戻し」とかいてあるリモコンの方が多いそうです。

 ほれ、このとおり。

 少なくともうちのリモコンはそうでした(ごめんなさい。すべてのリモコンを調べたわけではないので、この話、どれだけ一般性があるかは知りません)。

リモコンの早戻し
リモコンの早戻し

「へー」

 もしかしたら、ご存じの方がいらっしゃったかもしれませんが、このリモコンの変化に、僕はまったく気づきませんでした。

 巻き戻しは「永遠に不滅」だと思っていたし(笑)、リモコンにも「巻き戻し」と書いてあるのかと思っていました。

 でも、変化はいつも「ひたひた」と迫ってくるものです。

 そして、消費者の預かり知らないうちに変わっている(笑)。

 よくよく考えてみれば、なぜ「巻き戻し」と言わないのかは「自明」ですね。 

 かつて録画媒体として「ビデオテープ(VHSテープとかβとか)」が全盛だった時代は、「過去の映像をさかのぼる」のは「ビデオテープ」を「巻く」というタスクによって、実現されました。ですので、この作業を「巻き戻し」と呼んだと思われます。

 しかし、現在のメディア環境ーたとえば、DVDやらBDやらHDDのメディアの場合には「巻く」という作業が入ってこないからです。「巻き戻し」たくても、ないのよ。巻き戻すものが。

 なので「早戻し」というようになったそうです。

 ふだんあんなに見ているリモコンだというのに、こんな「変化」には気づかないですよね。

 ま、不注意な僕だけかもしれませんが(笑)。

 ちなみに、そういえば、うちの長男は、かつて、怪訝そうな顔をして、こんなことをつぶやいたことがございます。

 パパ、「巻戻し」って、何を「巻く」の?

 

 ビデオテープを見たことのない世代、生まれたときから、DVD、ハードディスクの世代には、巻き戻しの意味が、なかなかわからないのですね。

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 今日は「へー」という話題?でした。

 皆さん、リモコンをぜひご覧下さい。

 どれだけ一般性のある話かは知りませんが、少なくともうちの自宅のリモコンは「早戻し」になっておりました。

 変化は、いつだって、知らず知らずのうちに「ひたひた」と迫ってきます。

 そして、気づいたときには、すべてが一変している。

 あなたの周囲で、知らないうちに「変化」しているものは「リモコン」だけじゃないかもよ。

 そして人生は続く

(本記事は、中原の個人ブログ「NAKAHARA-LAB.NET」に2015年8月20日掲載されていた記事を、加筆・修正したものです)