「劣等戦隊・先行研究羅列マン」にご用心!? :先行研究をまとめるときに最も注意すること

今年も年末、そろそろ大学は論文の季節です。

最近、卒論の時期なのか、「先行研究」というワードで検索して、僕のブログを訪れる方が増えているようです。ありがとうございます。

先行研究のまとめかたに関しては、これまでにも、このブログで、様々な方法・留意点をご紹介させて頂きました。メールで、ある学部学生さんから、ひとつ質問もいただいたこともあり、今日は短く、そのコツについてお話いたします。

先行研究をまとめるうえで最も注意しなければならないことを、ワンワードで述べると

「劣等戦隊・先行研究羅列マン!」にならないようにする

ということにつきます(笑)。

劣等戦隊・先行研究羅列マン
劣等戦隊・先行研究羅列マン

(戦隊といいつつ、一人しかいないじゃん! 時間がないので、あとは省略! 嗚呼、朝は、忙しい!)

「先行研究羅列マン!」とは、先行研究をただ単に並べているものをいいます。たとえば、こんな感じ。

ジバニャン(2008)は・・・・といっている。

そういえば、

ウィスパー(2007)は・・・・といっている

ところで

コマさん(2006)は・・・・といっている

さて

ワルニャン(2009)は・・・・といっている

やっぱり

ジバニャン(2008)は・・・・といっている(笑)

といっている感じです。以前にも、この話はしたことがありますね(笑)

要するに、上の状況をワンセンテンスで述べると

ジバニャンとウィスパーとコマさんとワルにゃんの言っていることに、何ら「整理」や「まとめ」や「比較」もなされておらず、ただ知見が「並べられているような状況」

です。

そして、これが「先行研究羅列マン」です。

先行研究をまとめるとは「先行研究を並べること」ではありません。「先行研究をまとめる」とは「先行研究を比較・整理して、論旨を導くこと」をさしています。

具体的には、先行研究のまとめるときには、

1.先行研究同士の比較検討をする

2.似た先行研究をまとめてグループにする

3.先行研究同士の違いを言葉にしてクリアにする

などの、高次な知的作業を行う必要があります。そうした作業を通じて、自分の論旨につながるような整理をしていきます。

詳細は、下記のブログに論じてありますので、ぜひ、またお暇なときにでも!

先行研究をまとめる5つのプロセス、陥りやすい3つの罠

http://www.nakahara-lab.net/2011/10/post_1803.html

先行研究の探し方:レビュー論文には「過去への入口」と「軸」と「これからの課題」がある!?

http://www.nakahara-lab.net/blog/2013/10/post_2101.html

先行研究をたくさん読んでも、いいアイデアが浮かばないのはなぜか!?

http://www.nakahara-lab.net/2014/01/post_2163.html

11月、12月は論文の季節です。

特に、学部時代に各「卒論」というのは、我が国の高等教育が誇るべき「知的文化」であり(学部時代に卒論を書くことは、グローバルでは、必ずしも多くはありません! 近年、これが日本の大学でも失われつつあることが、少し気になっています)、この知的探究を通じて、成長する学生さんは少なくないと、僕は実感しています。

ハードではあるとは思いますが、ぜひ愉しんでください。

「先行研究羅列マン」にならず

素晴らしい「知的探究の旅」を!

そして人生は続く

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この記事はNAKAHARA-LAB.NET(2014年11月7日)再掲記事です。NAKAHARA-LAB.NETは、人材開発・人材育成に関する記事が毎日投稿される中原淳のブログで、下記からご覧いただけます。