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第26回全国高等学校女子硬式野球選手権大会大会2日目ダイジェスト②

中川路里香フリーランスライター

大会2日目は、初のタイブレークがありました。

大会初の延長タイブレーク戦は、花巻東が制す

花巻東高等学校 9-6作新学院高等学校

(延長8回タイブレーク)

花巻東  003 000 33 9

作新学院 021 021 00 6

【バッテリー】

花巻東   関口 瑞生ー和久本 結華 

作新学院 西尾 碧空、澤田 百華ー大栗 波音

3対3で迎えた5回に作新学院が2点、6回にも1点を加え3点リードで最終回に。5回からマウンドへ上がっていた2番手ピッチャーの澤田百華さんが先頭打者をヒットで出塁させた後、四球、死球で満塁にしてしまうと、犠飛、2点タイムリーで同点に追いつかれ、今大会初の延長タイブレークへ。花巻東は同点に追いついた勢いのまま8回に3点を入れ勝越し、そのまま逃げ切りました。

8回まで勝負がもつれ込む熱戦だった
8回まで勝負がもつれ込む熱戦だった

花巻東・三鬼賢常監督の談話

「レベルは向こうの方が断然上なので何とか食い下がって良いゲームをしたいと思っていた。常に先に点をとられたものの、落ち着いて同点に追いついてくれました。タイブレークに入ったときは、とにかく開き直るしかないと。3点とれたのが大きかった。うちは大所帯で、これまでは、ベンチに入れない選手たちの思いを背負って戦おうと言ってきたが、次戦は作新学院さんの選手の思いも背負って戦いたいと思います」

花巻東・萩原日和主将の談話

「シーソーゲームとなりましたが、先頭打者を出しながら打たせてとれ、守備からの流れを引き寄せられたように思います。最終回は全員が『絶対に負けない』という気持ちで攻撃に入りました。実際に負ける気がしませんでした。タイブレークに入ったときは監督から「勝ち負けよりも割り切ってやれることだけやろう』と言われ攻撃に入りました」

花巻東・三鬼賢常監督(左)と萩原日和主将
花巻東・三鬼賢常監督(左)と萩原日和主将

作新学院・田代監督の談話

「最後の一つのアウトを取り切れませんでした。最終回、先頭打者のヒットは良いが、そのあとにフォアボール、デッドボールは痛かった。先発した西尾から澤田へつなげば何とかなると思っていたが、ランナーをためてから少し平常心で投げられていなかった。夏大で一勝するのは非常に難しい。半数以上が3年生なので、引退後はマネージャー入れても17人。新チームはピッチャー中心のチーム作りをして、チャレンジャーとしてまた全国大会に挑もうと思います」

作新学院・井上なつき主将の談話

「初戦を絶対にものにしようと試合に入りました。こちらが点を取り返されるという展開で苦しかったですが、ベンチの雰囲気は最後まで悪くはなかったのですが、大事なところでミスが目立ってしまいました。タイブレークで3点リードされても、『3点なら取り返せる』としか思っていませんでした。負けはしましたが、高校最後の試合はとても楽しかったです」

作新学院・田代恭規監督(左)と井上なつき主将
作新学院・田代恭規監督(左)と井上なつき主将

レギュラー陣欠く中、強さを見せつけたクラーク記念国際

啓明学館高等学校 0-24クラーク記念国際高等学校仙台キャンパス

(5回コールド)

啓明学館  000 00 0

クラーク記念747 6× 24

【バッテリー】

啓明学館 佐藤 夢美 - 牧野 和花

クラーク記念国際 佐藤 衣吹 - 國井 奏碧

クラーク記念国際は、体調不良によりレギュラー選手が欠場する中、初回の7得点を皮切りに毎回得点の24点で5回コールド勝ち。創部2年目2回目の出場となった啓明学館は、3年生部員は牧野和花主将一人、残りは全員1、2年生部員というチーム構成で奮闘したが、経験の浅さが出てしまいました。

クラーク記念国際・森山周監督の談話

「残った選手たちがよくカバーしてやってくれました。特に3年生少ない中、下級生たちを引っ張ってくれました。今日は、参加できない部員の気持ちも汲んで全員が良くやってくれたと思います。次戦は、神戸弘陵さんですが、相手がどこでも全力で戦うだけです」

クラーク記念国際・網代日美樹さんの談話

「前日に仲間たちから動画のメッセージが届いて、随分と力になりました。ここにこられない仲間の分も最後まで諦めずに戦いたいです。次の試合も、上手くいかないこともあっても自分たちの野球を貫きたいと思います」

啓明学園・小坂知勢監督の話

「同好会からスタートした野球部一期生の牧野にとって最後の夏で、少しでも長く一緒に野球をしたいという思いでやってきた。結果は初出場の昨年以上の失点ですが、一年ごとに野球レベルは上がっています。ただ、これまでは野球の楽しさを伝えてきたが、楽しいだけでは勝てないことが見えたと思う。それを踏まえ、今後は、日本一を争えるチームをつくっていきます」

啓明学園・牧野和花主将の談話

「試合中はみんなで決めた笑顔ができていなくて…。野球は一人ではできません。1,2年生がいてくれたから試合ができました。3年間、楽しかったです。後輩たちは、どんな時も笑顔を忘れずに頑張って欲しいです」

啓明学園・加藤比真莉副主将の談話

「牧野さんと一勝しようという思いでやってきました。試合が終わって今思うことは、集中力が切れてしまったこと、練習でできていないことがそのまま出てしまったということです。牧野さんには、野球の面白さを教えていただきました。もっと強くなれるようがんばります」

(写真は全て筆者撮影)

フリーランスライター

関西を拠点に活動しています。主に、関西に縁のあるアスリートや関西で起きたスポーツシーンをお伝えしていきます。

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