女子プロ野球 2020シーズン体制を発表

各球団首脳陣たちが揃ってガッツポーズ

日本女子プロ野球機構は、2月10日、2020年シーズについての発表記者会見を行いました。10年目となった昨年、シーズン前会見で“今年で最後にする覚悟で臨む”という角谷名誉理事の発言で独特の緊張感の中スタートし、最終日には約半数となる36名の選手らが退団と物々しい終わり方をしただけに、会見内容にとても注目していました。

会見は、以下の内容でした。

・今後のリーグ体制

・各球団拠点

・試合日程概要

・開幕戦日程発表

・2020シーズンチーム体制発表

出席者は、角谷建耀知名誉理事、彦惣高広代表理事、太田幸司スーパーバイザー、片桐諭理事。

発表に先立ち、彦惣代表理事は、女子プロ設立10年間に女子の野球人口が約600人から2万人を超え(軟式野球含む)、また女子硬式野球部を持つ高校が5校から40校(準備校含む)にまで増えたというデータを示し、「女子プロ野球が、女子野球の普及と発展に少しでも役立てたのではないか」と語り、それら功績を考えると女子プロの存在意義はあるとしてリーグ継続を決断したと話しました。

 また、リーグ創設11年目の今年は『大きな改革、大きな変革を掲げる年』だとも話しました。発言のニュアンスは、昨季の退団選手が多く出たことで見直しを余儀なくされての改革ではなく、10年目という節目で見直す時期にきていたという意味に聞こえました。

開幕は3月28日、4球団体制は変わらず

それでは、発表された内容です。

京都フローラ、埼玉アストライア、愛知ディオーネに育成球団となるレイアの4球団体制と、昨年までと変わりません。

開幕は、3月28日(土)。わかさスタジアムにて京都対埼玉、京都対愛知の2カードです。29日(日)も愛知対埼玉、愛知対京都の2カードが用意されています。

 レギュラーシーズンは、前期45試合(3月下旬~6月)、後期33試合(8月下旬~10月中旬)の78試合の予定。会場は、わかさスタジアム京都、伏見桃山球場ほか、関西各地の球場です。現在は調整中の球場もあり、開幕以降の日程と会場の発表は見送られました。

  また、オールスターゲーム(一試合)、女王決定戦、ジャパンカップを含めると80試合以上の予定です。

各球団の首脳陣を発表

球団のそれぞれの体制についてです。

今季のリーグ所属選手数は43名、うち、新入団選手が8名。

各球団の監督、コーチ、体制は、次の通りです。※選手数は、コーチ兼任含みます。

京都フローラ 川口知哉監督、三浦伊織選手兼コーチ 全14選手

埼玉アストライア 新原千絵監督、岩谷美里選手兼コーチ 全15選手

愛知ディオーネ 厚ケ瀬美姫監督、 植村美奈子選手兼コーチ 全14選手

レイアは、上記3球団のうち、高卒ルーキーと高卒2年目選手17名で構成。彼女たちは、トップチームと兼任です。公式戦のない日やレギュラーシーズン休止期間に、アマチュアの大会に参加していくそうです。

改革、変革の中身は……。全球団の本拠地を京都に一本化

改革、変革は、いくつかあります。

日程が京都を中心に関西の各球場ということでお気づきかもしれませんが、全球団の本拠地が京都になります。現行のままでは、運営の見通しが困難とのことから、遠征費や事務所の維持費を削減するために一拠点にまとめることが決定されました。ただし、球団名に、埼玉、愛知は残します。運営状態が上向きになった暁には、本拠地を元に戻すつもりだからだそうです。今季の全日程のうち1~数試合を埼玉、愛知開催にしたいとの発表もありました。

彦惣代表理事は、すでに地元自治体や応援してくれていた地元の各団体の方々には球団名はそのままに本拠地を移すことを説明済みで、了解を得ての発表であると話しました。

試合は9イニング制の日もあり。新ルール導入も

 試合開催について、土日開催の場合は7イニング制のダブルヘッダー、平日開催は9イニング1試合となります。また、全ての選手に出場機会が増えるようにリエントリー制度を導入します。リエントリー、つまり、交代して一度ベンチに下がっても再び出場できる、というものです。例えば、足の速い投手が、登板を終えてベンチに下がっても今度は代走で出場するということが可能になります。このようにポジションにとらわれず選手の持ち味を生かした起用ができるため、成長への後押しになり、観客へより魅せる試合ができるのではと期待しているといいます。野球の本質を見失わない程度に制限を設けず導入するようです。

選手契約は二通り。選手が選択して決定

 昨年までは、全選手とわかさ生活社員として活動していましたが、今季からは、同社の『社員兼プロ契約』と、完全なる『プロ契約』の二種に分かれています。会見の資料には、全選手がどちらの契約かが明らかにされていました。

 社員兼プロ契約は、日中は社業をこなし就業後に練習するスタイル、プロ契約は、シーズン期間 (3月26日~11月25日) のみ、わかさ生活と契約するスタイルです。オフ期間は自分で仕事を見つけます(もちろん、仕事する、しないも自由)。プロ契約の場合は、契約期間中は毎月20万円を保障し、プラス、例えば試合の出場イニングや、ヒットの数といった成績によって定められた金額がオンされていく出来高制です。角谷名誉理事は、「一見、かなり低年俸ように見られるが、結果を少しずつ積み上げていけば、それ相応の金額になる。プロ選手として、自分のプレーで報酬を稼いでいって欲しい」と話しました。

開幕準備が本格化するのはこれから

2月10日現在、埼玉、愛知の事務所はまだ昨年までの住所に存在し、京都へ拠点を移すのはこれから。各球団ともに選手の顔合わせは済んでおらず、合同練習スタートは2月下旬頃になる見通し。開幕まで約1か月半。開幕の準備は、これから急ピッチで進められていくことでしょう。

所属選手人数のスリム化、京都一拠点になるなど、様変わりする今季。吉と出るか凶と出るかは、やってみなければわかりません。しかし、そこに選手たちがいる限り、応援していきたいものです。