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「棋士として恥ずかしい」この言葉が発せられたとき 高尾紳路九段編

内藤由起子囲碁観戦記者・囲碁ライター
允許状を手にする高尾紳路九段。2015年2月、日比谷「松本楼」=筆者撮影。

「棋士として恥ずかしい」という言葉、私は2人の棋士からききました。

それぞれ囲碁史に残るような対局のとき発せられています。

まずは高尾紳路九段が初めて名人位についたシリーズの一局。なにが「棋士として恥ずかし」かったのでしょうか。

2005年、28歳で高尾紳路九段はやっと七大タイトル戦線に出てきました。

ほかの「平成四天王」、山下敬吾九段、張栩九段、羽根直樹九段はすでに20代前半でタイトルを獲得。高尾九段は新人王など若手タイトルを数々獲るなど実力を認められ、彼らと同列の評価を得ていましたが、七大タイトルには手が届いていませんでした。

培っていた力が爆発するように、高尾九段は初めて入った本因坊リーグを勝ち抜き挑戦者となり、張栩本因坊(当時)からタイトルを奪取します。さらに初参加の名人戦リーグで勝って挑戦者となり、張栩名人(当時)との七番勝負に臨みました。高尾九段、29歳のときでした。

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囲碁観戦記者・囲碁ライター

囲碁観戦記者・囲碁ライター。神奈川県平塚市出身。1966年生。お茶の水女子大学大学院修士課程修了。お茶の水女子大学囲碁部OG。会社員を経て現職。朝日新聞紙上で「囲碁名人戦」観戦記を担当。「週刊碁」「囲碁研究」等に随時、観戦記、取材記事、エッセイ等執筆。囲碁将棋チャンネル「本因坊家特集」「竜星戦ダイジェスト」等にレギュラー出演。著書に『井山裕太の碁 AI時代の新しい定石』(池田書店)『囲碁ライバル物語』(マイナビ出版)、『井山裕太の碁 強くなる考え方』(池田書店)、『それも一局 弟子たちが語る「木谷道場」のおしえ』(水曜社)等。囲碁ライター協会役員、東日本大学OBOG囲碁会役員。

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