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AIとぴったり一致する世界チャンピオンの着手に鳥肌ぞわっ AIでの研究はどれだけ進んでいるのか

内藤由起子囲碁観戦記者・囲碁ライター
女流棋聖戦第2局で勝利した上野愛咲美扇興杯=2021年1月28日、筆者撮影

2016年にAIが人間に勝ってから、AIは戦う相手ではなく、研究して向上するためのツールになってきました。

現在、棋士がAIとどのように付き合っていっているのか、棋士の証言から探ってみましょう。

佐田篤史七段の場合

最近の手合いでは、序盤の進行が早いのが特徴的です。

ひとり5時間の持ち時間の碁で、10時に対局開始、11時45分に昼休みに入るまでの1時間45分で、以前(10年ほど前?)は20手くらいというのが平均的な進行だったでしょうか。30手も進めば早い、と感じたものです。

最近では50手以上進むのも珍しくありません。お互い研究済みだと、どんどん進行するのです。

検討室で見ていた湯川光久九段は「かなり長い手順、AIで研究していたのと同じ手順で進むことがあるみたいよ。驚いたことに」。

2020年末に打たれた世界戦・三星火災杯1回戦で、世界チャンピオン経験者の時越九段と対局した佐田篤史七段の碁が、そうだったようです。

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囲碁観戦記者・囲碁ライター

囲碁観戦記者・囲碁ライター。神奈川県平塚市出身。1966年生。お茶の水女子大学大学院修士課程修了。お茶の水女子大学囲碁部OG。会社員を経て現職。朝日新聞紙上で「囲碁名人戦」観戦記を担当。「週刊碁」「囲碁研究」等に随時、観戦記、取材記事、エッセイ等執筆。囲碁将棋チャンネル「本因坊家特集」「竜星戦ダイジェスト」等にレギュラー出演。著書に『井山裕太の碁 AI時代の新しい定石』(池田書店)『囲碁ライバル物語』(マイナビ出版)、『井山裕太の碁 強くなる考え方』(池田書店)、『それも一局 弟子たちが語る「木谷道場」のおしえ』(水曜社)等。囲碁ライター協会役員、東日本大学OBOG囲碁会役員。

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