2021年囲碁界の見どころ 井山三冠の連覇記録、「令和三羽ガラス」活躍どうなる?

井山裕太三冠(左)と芝野虎丸二冠=2020年10月14日静岡県熱海市、筆者撮影

コロナ禍の中、2021年の囲碁界は始動しました。

昨年、大三冠(棋聖、名人、本因坊)に返り咲いた井山裕太棋聖、2冠となった芝野虎丸王座・十段、一力遼天元・碁聖らタイトルホルダーを中心に、今年の囲碁界の見どころを見て行きましょう。

囲碁界の新春は棋聖戦で始まります

今期は井山棋聖が史上初の棋聖戦9連覇の大記録達成なるかが注目されています。

1月13日にすでに開幕。2年連続挑戦者となった河野臨九段に対し、井山棋聖が幸先良く先勝しました。

井山棋聖は持ち時間が長い碁は特にミスが少なく、圧倒的な強さを発揮しています。

昨年の挑戦手合から河野九段も手応えを感じていると話しており、激戦が展開されそうです。

3月からは十段戦挑戦手合がスタート

芝野十段の十段初防衛戦です。

挑戦者争いのなか、井山三冠、一力二冠はすでに敗退

注目は挑戦者決定戦に進んでいる余正麒八段

2020年の成績を勝ち星43、勝率8割6分、連勝22、対局数50とし、関西棋院の各ランキングでトップの成績を残しました。

この勢いで2021年は碁界の台風の目になりそうです。

5月から始まる本因坊戦

井山文裕本因坊は現在9連覇中で、今期、趙治勲二十五世本因坊の持つ記録・10連覇に並ぶかが焦点となります。

現在は挑戦者決定リーグの半分を消化した状況。

芝野二冠、許八段、一力二冠の「令和三羽ガラス」が3勝を挙げてトップ争いをしています。

それにベテラン羽根直樹九段が2勝で追っていて、混戦模様です。

一力碁聖への挑戦を決めるトーナメント

碁聖戦は2回戦の勝者が出そろいつつあります。

すでに芝野二冠、許家元八段は姿を消しています。

注目は新人王・関航太郞三段(19)。一般棋戦でどれだけ暴れられるか、期待されています。

また、唯一50代で勝ち上がっている元名人の依田紀基九段(54)の頑張りも見逃せません。

8月末に開幕する名人戦

井山名人への挑戦者を決めるリーグ戦は始まったばかり。

芝野二冠、一力二冠、許家元八段の「令和三羽ガラス」、「平成四天王」で数々のタイトル経験のある羽根直樹九段、山下敬吾九段、棋聖挑戦中の河野九段、本因坊挑戦経験もある本木克弥八段、絶好調余正麒八段、リーグ初参戦の安斎伸彰七段と、最強のメンバーがしのぎを削ります。

一力二冠が2連勝と好スタートを切っていますが、こちらも混戦が予想されます。

本戦トーナメントを目指して予選進行中の王座戦

予選決勝で鈴木歩七段対奥田あや四段の組み合わせが決定しており、女性の本戦入りが確定しています。

鈴木七段は女性タイトルを3つ獲得しただけでなく、天元戦で本戦出場をしたり、棋聖リーグ入りにあと1勝まで迫るなど実力者。活躍が期待されます。

天元戦は本戦出場者が出そろいました

なんといっても、紅一点、初めて本戦入りした上野愛咲美四段の活躍に注目です。

初戦は元タイトルホルダーの柳時熏九段、勝てば井山裕太棋聖との対戦も見られそうです。

藤沢里菜女流四冠への期待

女性棋士では藤沢里菜四段が女流棋戦四冠獲得しただけでなく、男女混合棋戦「若鯉杯」で女性で史上初の優勝を果たすなど、ひとつ抜けた成績を残しています。

今年こそ、女性初の名人や本因坊リーグ入りや世界戦優勝などの活躍も期待されています。

気軽に観戦できます!

最近は、YouTubeなどで注目の対戦はインターネット中継で解説されるなど、普段から自宅で観戦を楽しむ環境が整いつつあります。

日本棋院囲碁チャンネル 

https://www.youtube.com/c/nihonkiin_ch/featured

囲碁将棋TV-朝日新聞社- 

https://www.youtube.com/channel/UC-vtEQo3uKRegc2be9mqexw

観戦もぜひ楽しんでいただきたいと思います。

囲碁観戦記者・囲碁ライター。神奈川県平塚市出身。1966年生。お茶の水女子大学大学院修士課程修了。お茶の水女子大学囲碁部OG。会社員を経て現職。朝日新聞紙上で「囲碁名人戦」観戦記を担当。「週刊碁」「囲碁研究」等に随時、観戦記、取材記事、エッセイ等執筆。囲碁将棋チャンネル「本因坊家特集」「竜星戦ダイジェスト」等にレギュラー出演。著書に『井山裕太の碁 AI時代の新しい定石』(池田書店)『囲碁ライバル物語』(マイナビ出版)、『井山裕太の碁 強くなる考え方』(池田書店)、『それも一局 弟子たちが語る「木谷道場」のおしえ』(水曜社)等。囲碁ライター協会役員、東日本大学OBOG囲碁会役員。

有料ニュースの定期購読

内藤由起子の「花見コウ」〜囲碁観戦記者 ここだけの話〜サンプル記事
月額330円(初月無料)
月3回程度
囲碁界取材歴20年を超える囲碁観戦記者・囲碁ライターが、囲碁界のオモテウラをお話しします。小耳にはさんだ最近の話から今だから話せる昔あったあの事件の裏側、記事にできなかった取材こぼれ話など、現場で見聞きしたここだけのとっておきの話をランダムに発信します。

あわせて読みたい

Facebookコメント

表示

※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対してヤフー株式会社は一切の責任を負いません。

  1. 1
    「杖をつきながらでもビンタする」。蝶野正洋が語るプライドと覚悟中西正男3/2(火) 8:41
  2. 2
    永瀬拓矢挑戦者(28)将棋界3回目の3連敗4連勝を達成できるか? 王将戦七番勝負第5局でリードを奪う松本博文3/2(火) 10:24
  3. 3
    『愛の不時着』や『梨泰院クラス』も超えるか。韓国コンテンツに5億ドル投じるNetflix慎武宏3/1(月) 7:05
  4. 4
    渡辺VS永瀬、封じ手直前に両者指すバチバチの駆け引きで、図面作成間に合わじ 王将戦第1局1日目終了松本博文3/1(月) 19:13
  5. 5
    『梨泰院クラス』の俳優も…次々と暴露の韓国芸能人の“過去の悪行”をまる呑みしてはマズい理由慎武宏2/26(金) 7:10
  6. 6
    川島海荷 デビュー15年の“現在地”「正解に拘らず、自分で決めつけすぎず、柔軟にやっていけたら」田中久勝3/2(火) 17:17
  7. 7
    韓国はオンラインライブ先進国!? コロナ収束後も8割以上が「観たい」と回答K-POPゆりこ3/2(火) 8:00
  8. 8
    局に残って副業…辞めてYouTuber転身…「テレビに縛られない」テレビ局員の変わるキャリア谷田彰吾3/1(月) 11:55
  9. 9
    【戦国こぼれ話】戦国時代に世界トップクラスの銀の産出量を誇った石見銀山。その争奪戦の歴史を探る渡邊大門3/1(月) 6:00
  10. 10
    エマ・ワトソンに引退の噂。「内面の幸せ」求めたキャメロン・ディアスに続く?猿渡由紀2/26(金) 7:20