【第3章: Vリーグ編】バレーボール選手の誕生月にも異常あり!?

リオを逃した男子代表。柳田選手は7月生まれ、石川選手は12月生まれ。(写真:アフロスポーツ)

TV放送でも人気の高いバレーボールに注目してみた

先日まで東京体育館にて熱戦を繰り広げていた2016リオ五輪バレーボール世界最終予選。見事にリオ五輪への切符を勝ち取った全日本女子(火の鳥NIPPON)。残念ながら敗退したが2020東京五輪への期待が高まる全日本男子(龍神NIPPON)。実はプレーの選択や戦術に携わるアナリストの活躍にも注目したいのだが、ぐっと我慢して、これまで扱っていたサッカー選手の誕生月から少し離れてVリーグに所属するの日本人バレーボール選手の誕生月について目を向けてみた。

今回参照したデータは、Vリーグ公式サイトからプレミアリーグ、チャレンジリーグI&IIに所属する国内選手、日本バレーボール協会HPより、全日本男子(龍神NIPPON)及び全日本女子(火の鳥NIPPON)の2012年、2016年の選手について収集した。

男女ともに同様に変わった傾向が!?

まずは男子のデータを見てもらいたい。Vリーグと全日本男子(龍神NIPPON)では選手数に大きな差があるが、プレミア男子及び全日本男子では7月生まれの割合が最も高いのが見て分かるだろう。

図1: Vリーグ男子&龍神NIPPONの誕生月割合
図1: Vリーグ男子&龍神NIPPONの誕生月割合

続けて女子のデータも見てもらいたい。男子同様にプレミア女子及び全日本女子では7月生まれの割合が高い傾向が読み取れるだろう。

図2: Vリーグ女子&火の鳥NIPPONの誕生月割合
図2: Vリーグ女子&火の鳥NIPPONの誕生月割合

そして、男女ともに4月から6月生まれの割合が飛び抜けて高くないこと意外に思える。何かしらバレーボール特有の傾向を掴むことができたのではないだろうか。

Jリーガーと比較してみると!?

次に、【序章: Jリーグ編】でも扱ったJ1(国内サッカー)に所属する選手とも比較してみた。

図3: Vリーグ男子&Jリーガーの誕生月割合を比較
図3: Vリーグ男子&Jリーガーの誕生月割合を比較

上のグラフを見ても分かる通り、Vリーグプレミア男子はJリーグと比較して4・5・6月生まれの割合が低く、平均ライン(8.3%)を下回っているという事実に驚くのではないだろうか。さらに、10月と11月の割合も高く、10月から3月の下半期(6か月)を合計した割合でみると、Jリーグの36.6%を大きく上回り45.5%を示しており、意外にも上半期とのバランスの良さが確認された。一方で、この点においては、Jリーグには大きな問題があると再確認できるだろう。

バレーボールだけでは語れない誕生月の傾向

図4: Vリーグ男女&Jリーグの誕生月割合の比較
図4: Vリーグ男女&Jリーグの誕生月割合の比較

上のグラフには、Vリーグ男女、Jリーグの誕生月の四半期合計を示した。Jリーグでは年度始めから綺麗な降り階段となっている一方で、Vリーグでは一つタイミングが遅れ7月からの降り階段となっている。ただ、Vリーグ男子について、早生まれ(1・2・3月生まれ)を除けば各期で大きな差はないのかもしれない。バレーボールは身長が大きな武器となる。その武器は先天的な、つまり両親より授かった遺伝的な影響が大きいと考えられる。万が一、一般成人の身長と誕生月に何かしら相関があるのであれば一気に謎は溶けるのだろうが、そのような傾向があるとは想像がつかない。そして、サッカー同様に早生まれの割合は低いという事実は、サッカーの育成と同じエリートスポーツにおける才能発掘の問題を改めて考える必要があるだろう。また、バレーボール選手に4・5・6月生まれが高くない原因として、可能性のある選手が、低年齢から人気の特定の競技に集中している背景があるのかもしれない。その競技がサッカーなのかもしれない。。。もしかすると、同じ高さを武器とするバスケットボールとの関係もあるのかもしれない。。。

スポーツ界全体で取り組むべき!?

以上、すっきりしない締め方にはなるが、誕生月のアンバランスはバレーボールにも見られ、それがバレーボール界だけで解決可能な問題ではないようである。限られたスポーツの人的資源を有効に、かつ、幸福に活用できる、スポーツの入口から出口までの仕組み、仕掛けが必要とされているのではないだろうか。それはスポーツが秘める可能性とも考えると、前向きに変化を起こせるのかもしれない。 (つづく)