インド・キッズ市場に日本が参入し易い本当の理由

インドでは日本のアニメ番組が大人気

日本アニメへの圧倒的な支持

先日インドに行って参りました。インドでは日本のアニメ番組が人気です。2大キッズTV局であるディズニーチャンネルとCARTOON NETWORKでは世界中のアニメコンテンツを放送していますが、トップ10の7割が日本のアニメです。「ドラえもん」、「忍者ハットリくん」、「キテレツ大百科」、「クレヨンしんちゃん」の人気は絶大です。最近リメイクされたインド版「巨人の星」である「ライジング・スター」も注目されています。人口12億4千万人のインドでは、14歳以下のキッズ人口が3.51億人(国連人口基金調べ)と世界最大級の規模。可処分所得の高い富裕層・中間層が増えた事により、キッズ市場が急速に拡大する中、テレビを中心としたマスメディアの普及により海外コンテンツや異文化を受容する世代が増え、日本アニメ人気も定着しています。地上波テレビの世帯普及率は8割を超え、CATV&衛星放送は9割以上に普及をしています。チャンネル数も多く、キッズ系番組は人気のカテゴリーのひとつです。その3大ジャンルは「宗教アニメ」、「クリケットアニメ」、「文化アニメ」。日本は文化アニメとしてキッズ市場に受け入れられており、ディズニー系のハンガマチャンネル上位番組は全て日本のアニメです。視聴者から高い評価を受ける理由は、「道徳観」と「創造力」の高さ、そして「子供たち日常生活が舞台」である事です。特に番組の選択に影響を与える親世代や教師からは、日本のアニメは教育に良く、教材としても期待されています。

小学校で教師が勧めるのは道徳観が合う日本アニメ
小学校で教師が勧めるのは道徳観が合う日本アニメ
インドの子供たちの心の中には日本が育まれている
インドの子供たちの心の中には日本が育まれている

子供たちが大人になった時、何を日本は提案できているのか?

そもそもインドでは、日々の購買活動の意思決定要因としてテレビからの情報源を最も重視する傾向があります。テレビから伝わった情報が口コミとして評判化し、流行を生み出します。こうした現象は子供たちにも波及し、実際にキッズ市場を席巻する玩具、文具、ファッション等の消費材の売上は番組の人気度と相関関係があります。こうした現象に家庭の親や学校の教師はセンサーシップを強めており、子供たちが視聴する番組についての選択に深く関わっています。インドでは宗教観や道徳観が非常に重要であるため、キッズ番組においてもその点が非常に重視されます。日本のアニメはその点、非常にコンテンツ力が優れており、子供たちのみならず親世代からも圧倒的な支持を受けています。こうした現象は実はまだ日本にはしっかりと伝わっておらず、こうした日本への好印象やブランディングが日本とインドの経済交流や産業連携にはまだ至っていません。よくクールジャパンとはオタクやアニメファン向けのコンテンツビジネスと勘違いをされる傾向がありますが、実はこうしたキッズビジネスや知育産業への発展などの意味も含みます。

そんな中、今年、経済産業省ではBSフジと連携した社会実験をムンバイで実施し、「ハクション大魔王」、「ポケモン」、「パブー&モジーズ」、「琉神マブヤー」がゴールデンタイムで放送を開始しました。TV局とキッズ専門百貨店Hamleysを連携させ、日本ブランドのプロモーションを展開し確実に手応えを掴みました。既に高い評判がある日本アニメは、テレビ局からも直ぐに受け入れられ、当然キッズたちの心も掴みました。各コンテンツの反応は上々すぎるほど好評でした。

また、特に注目されたのが、沖縄発のご当地ヒーロー「琉神マブヤー」がディズニーチャンネルで業界初の海外放送をした事です。日本のライブアクション番組がインドで放送されるのはこれが最初で、しかも評判も良く、関係者の間では今後インドで沖縄ブームが起きる事は時間の問題であると意気込んでいます。

世界最大のキッズマーケットで子供向け番組をフックに地域観光振興をしてゆくというチャレンジはじわじわと効果を生み、きっと子供たちが大人になる世代に観光ニーズが顕在化してくると思われます。スーパー親日国インドはいま大きく経済発展をしています。未来の需要開拓を目指して、キッズを対象に日本商材のプロモーションや訪日観光PRを積極的に開拓してゆく事への期待が高まります。せっかくインドで日本への評価が高まっている中、私たちは彼らが大人になる時、一体どんな新しい価値を提案出来ているのでしょうか。今まさに私たちはインドと日本の双方の未来を発展させてゆくための新提案を考えなくてはいけないのではないでしょうか。私はもっと日本はインドのキッズ市場に参入出来るのではないかと思えてなりません。

日本の強みは高い道徳観に裏打ちされたコンテンツ力
日本の強みは高い道徳観に裏打ちされたコンテンツ力

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