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イ・ジョンフが元中日の父親とスンちゃん超え 史上最速&最年少で通算1000安打達成

室井昌也韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表
通算1000安打を放ったイ・ジョンフ(写真:キウムヒーローズ/初報から差し替え)

韓国KBOリーグ・キウムヒーローズのイ・ジョンフ(李政厚)が、28日のKTウィズ戦に3番センターで先発出場。2打席目にライト前ヒットを放ち、通算1000安打を達成した。

747試合目での達成は歴代最速で、これまでの記録はイ・ジョンフの実父でかつて中日でもプレーしたイ・ジョンボム(李鍾範、現LG2軍監督)の779試合だった。また23歳11か月での達成は、イ・スンヨプ(李承ヨプ、元サムスン)の25歳8か月を2年近く縮めての到達だ。

◇イ・ジョンフ(キウム)年度別成績 太字はシーズン終了時のリーグトップ

年度 チーム  打率 試合  打席 打数  安打

2017 ネクセン .324 144  622  552 179

2018 ネクセン .355 109  520  459 163

2019 キウム  .336 140  630  574 193

2020 キウム  .333 140  617  544 181

2021 キウム  .360 123  544  464 167

2022 キウム  .342  91  394  342 117

通算       .341 747 3327 2935 1000

※記録は通算1000安打達成時点

高卒6年目のイ・ジョンフはプロ入り以来、年間100安打以上をマークし、今季もここまで91試合に出場し117安打(リーグ1位)を記録。打率も3割4分1厘で首位打者争いをしている(27日時点で1位)。

記録達成後、ホン・ウォンギ監督から花束を受け取るイ・ジョンフ(写真:キウムヒーローズ)
記録達成後、ホン・ウォンギ監督から花束を受け取るイ・ジョンフ(写真:キウムヒーローズ)

ブレのない打撃フォームが特徴のイ・ジョンフは、静止したような構えからどんなコース、球種にも鋭いスイングで対応していく。先日、イ・ジョンフに打撃で重視している点について尋ねると、「バランスで意識しているのは左の骨盤の回転、スイング時は両足の裏の重心への意識」を挙げた。

イ・ジョンフに他球団の打者も一目置いている。日本の社会人野球からKBOリーグ入りし、今季3年目となるアン・グォンス(安田権守、トゥサン)は、「(リーグの他の打者と比べて)イ・ジョンフはずば抜けている。特に選球眼がいい。右投手も左投手も同じように打てるのがすごい」と高く評価した。

今季のイ・ジョンフは長打力もアップし、本塁打の数は自己最多だった2020年の15本を上回る16本。出塁率と長打力を合わせたOPSは1位だ。

イ・ジョンフは実績はもちろん、抜群のスター性で人気を集めている。今年6月にはある一打が大きな話題となった。

外野席のバックスクリーン右横に陣取った20代の女性ファン2人が、「イ・ジョンフ、ここにボールを飛ばして」と書いたスケッチブックを手に応援していたところ、イ・ジョンフの打球がそのファンの足元にダイレクトに飛び込む10号アーチとなったからだ。

映像:MBC NEWS

キウム球団は翌日も外野席で観戦のこの2人を、バックネット裏の座席に招待。さらにイ・ジョンフのサイン入りバットをプレゼントしたことも注目された。

イ・ジョンフが所属するキウムは現在、全10球団中の2位。首位SSGランダーズを5ゲーム差(27日現在)で追っている。

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韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表

2002年から韓国プロ野球の取材を行う「韓国プロ野球の伝え手」。編著書『韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑』(韓国野球委員会、韓国プロ野球選手協会承認)を04年から毎年発行し、取材成果や韓国球界とのつながりは日本の各球団や放送局でも反映されている。その活動範囲は番組出演、コーディネートと多岐に渡る。スポニチアネックスで連載、韓国では06年からスポーツ朝鮮で韓国語コラムを連載。ラジオ「室井昌也 ボクとあなたの好奇心」(FMコザ)出演中。新刊「沖縄のスーパー お買い物ガイドブック」。72年東京生まれ、日本大学芸術学部演劇学科中退。ストライク・ゾーン代表。KBOリーグ取材記者(スポーツ朝鮮所属)。

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