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ヤクルト入りのスアレスとバッテリー組んだ韓国のベテラン捕手 「球威、変化球もいい。心配は…」

室井昌也韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表
ヤクルト入りのスアレス(中央)と左が捕手のイ・ソンウ(写真:LGツインズ)

ヤクルトは20日、新外国人選手としてアンドリュー・スアレス(ANDREW SUAREZ)投手と契約を結んだと発表した。

スアレスは今季、韓国・LGツインズでプレーした29歳の左腕。9月に左ひじ痛で戦列を離れたこともあり、規定投球回数(144)には届かなかったが、23試合115回1/3を投げて10勝2敗、防御率2.18を記録しチームの上位争いに貢献した。

そのスアレスと同じチームで1シーズンを過ごし、今季限りで22年間の現役生活を終えたイ・ソンウ元捕手(40)に同投手の特徴について訊いた。イ氏はスアレスが今季唯一リリーフ登板した試合でバッテリーを組んでいる(写真)。

「スアレスはリリースポイントが高くて、角度があるボールを投げます。球威は十分です。変化球はスライダーが一番の武器ですが、タイミングを外すチェンジアップもいいですし、ブレーキの利いたカーブも決め球に使えます」

スアレスが今季奪った三振は126個。うち85個が右打者から奪ったものだった。イ氏は「スアレスのスライダーとチェンジアップは、右打者にとって対応しづらい球種でした」と言い、配球にうまく取り入れていた。

アンドリュー・スアレス(写真:LGツインズ)
アンドリュー・スアレス(写真:LGツインズ)

一方でイ氏はスアレスのウイークポイントについてこう話した。

「球数が多いことですね。5回くらいで100球に到達してしまい球威も落ちました。球威が落ちたのは昨年(2020年)アメリカでわずかなイニングしか投げていなかったので、スタミナ不足だったのかもしれません。今年1シーズンプレーしたことで来季は体力的に問題ないとしたら、球数を減らすことが大事だと思います」

またイ氏はスアレスの性格について、「とても物静かで口数が少ない。怒っている姿は見たことがないですよ」と話した。

イ氏は日本でプレーするスアレスにエールを送った。

「元同僚として来年日本でも頑張ってほしいと思いますが、韓国で20勝したアルカンタラ(阪神)が日本では厳しいのを見ると、日本のバッターはしっかりと打つんだなと思いますね。それでもスアレスには活躍してくれることを願っています」

イ・ソンウ元捕手(写真:LGツインズ)
イ・ソンウ元捕手(写真:LGツインズ)

LGツインズ紹介(ストライク・ゾーン)

◇ヤクルトは今季まで3シーズン在籍したアルバート・スアレス(ALBERT SUAREZ)投手が退団。来季は韓国・サムスンライオンズでプレーする。今回、アンドリュー・スアレスがLGからヤクルト入りしたことで、「2人のA・スアレス投手」がKBOリーグとヤクルトの間で入れ替わることとなった。

韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表

2002年から韓国プロ野球の取材を行う「韓国プロ野球の伝え手」。編著書『韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑』(韓国野球委員会、韓国プロ野球選手協会承認)を04年から毎年発行し、取材成果や韓国球界とのつながりは日本の各球団や放送局でも反映されている。その活動範囲は番組出演、コーディネートと多岐に渡る。スポニチアネックスで連載、韓国では06年からスポーツ朝鮮で韓国語コラムを連載。ラジオ「室井昌也 ボクとあなたの好奇心」(FMコザ)出演中。新刊「沖縄のスーパー お買い物ガイドブック」。72年東京生まれ、日本大学芸術学部演劇学科中退。ストライク・ゾーン代表。KBOリーグ取材記者(スポーツ朝鮮所属)。

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