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韓国が初戦のイスラエル戦を延長タイブレークで制す(監督・選手のコメントも)【東京五輪・野球】

室井昌也韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表
サヨナラ勝ちを喜ぶ、3安打3打点1本塁打のオ・ジファン(中央)(写真:ロイター/アフロ)

東京オリンピック(五輪)野球の2日目が29日に横浜スタジアムで行われた。予選B組の韓国がイスラエルと迎えた初戦は延長10回裏タイブレークの末、6-5でサヨナラ勝ちした。

イ 0 0 2 0 0 2 0 0 1 0  5

韓 0 0 0 2 0 0 3 0 0 1x  6

左から右に風が吹き続ける中で行われたこの試合は、両チーム3本ずつホームランが飛び出し5-5の同点で延長戦に突入。規定により10回表より無死一、二塁から始まるタイブレークでの戦いとなった。

韓国は9回からマウンドに上がり、同点弾を喫したオ・スンファンが10回も続投。8番から始まるイスラエル打線から三者連続三振を奪い、無失点で切り抜けた。

その裏の韓国は送りバントで1死二、三塁とし、2死後に8番ホ・ギョンミンの死球で満塁に。続く途中から入った9番ヤン・ウィジも投球が体をかすめて押し出し死球となって韓国が勝利を収めた。

韓国は先発のウォン・テイン、4回から登板の2番手のチェ・ウォンジュンの両投手がいずれも1イニング目に三者連続の空振り三振を奪うも、3イニング目にはとらえられて2ランを喫した。

一方の打線は11安打中7、8、9番で6安打。中でも7番のオ・ジファンが4回に同点2ラン、7回には一時勝ち越しとなるタイムリー二塁打を含む4打数3安打3打点の活躍を見せた。

ホームランを放ったオ・ジファン
ホームランを放ったオ・ジファン写真:ロイター/アフロ

また中盤まで抑えられていた上位打線は2点を追う7回に2番イ・ジョンフ、3番キム・ヒョンスに連続ソロが飛び出し、同点に持ち込むことができた。

2017年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で敗れた難敵イスラエルを倒した韓国は、あす30日は試合がなく31日にアメリカ合衆国戦を迎える。

以下、試合後の会見でのコメント

◇キム・ギョンムン監督

初戦は楽じゃないと思っていたが想像以上に厳しい戦いだった。監督としてこんな試合は何試合あるだろうかと思うほどだった。特に相手の先発投手が初回に突如降板し、2番手の左投手が想定より早く出てきたことが計算外だった。いい投球をしたので苦戦した。しかしウチの選手が最後まで集中力を発揮してくれた。

◇オ・ジファン内野手

代表チームでの戦いは常に大事だと思っている。勝つことだけを準備してきた。(横浜スタジアムについて)フライだと思ったのがスタンドに入った打球もあった。

◇イ・ジョンフ外野手

ここには優勝を目標にやってきた。1試合1試合決勝戦だと思って戦っていきたい。オリンピックは選手村に入ることを除けば他の国際大会と同じだ。(横浜スタジアムについて)サジク球場(韓国・プサン)と100%同じではないかと思うくらい似ていた。準備してきた通りの守備ができた。サジク球場よりも風は強かったが支障はなかった。

◇韓国先発オーダー

中 パク・ヘミン(サムスン)

右 イ・ジョンフ(キウム)

左 キム・ヒョンス(LG)

指 カン・ベクホ(KT)

一 オ・ジェイル(サムスン)

捕 カン・ミンホ(サムスン)

遊 オ・ジファン(LG)

三 ホ・ギョンミン(トゥサン)

二 キム・ヘソン(キウム)

◇韓国バッテリー

投 ウォン・テイン(サムスン)、チェ・ウォンジュン(トゥサン)、チョ・サンウ(キウム)、○オ・スンファン(サムスン)

捕 カン・ミンホ(サムスン)、ヤン・ウィジ(NC)

◇イスラエル先発オーダー

二 イアン・キンスラー

三 タイラー・ケリー

一 ダニエル・バレンシア

中 ブレイク・ガイレン

捕 リアン・ラバルンウェイ

指 ニコラス・リックルズ

左 ロベルト・パレル

右 ミッチェル・グラセル

遊 スコット・ブルチャム

投 ジョナサン・モスコ、ジェイク・フィシュマン、アレクサンドル・カツ、ザカリー・ワイス、ジョシュア・ゼイド、●ジェレミー・ブライク

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【この記事は、Yahoo!ニュース個人編集部とオーサーが内容に関して共同で企画し、オーサーが執筆したものです】

韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表

2002年から韓国プロ野球の取材を行う「韓国プロ野球の伝え手」。編著書『韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑』(韓国野球委員会、韓国プロ野球選手協会承認)を04年から毎年発行し、取材成果や韓国球界とのつながりは日本の各球団や放送局でも反映されている。その活動範囲は番組出演、コーディネートと多岐に渡る。スポニチアネックスで連載、韓国では06年からスポーツ朝鮮で韓国語コラムを連載。ラジオ「室井昌也 ボクとあなたの好奇心」(FMコザ)出演中。新刊「沖縄のスーパー お買い物ガイドブック」。72年東京生まれ、日本大学芸術学部演劇学科中退。ストライク・ゾーン代表。KBOリーグ取材記者(スポーツ朝鮮所属)。

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