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新球団は「SSGランダーズ」 SKワイバーンズは21年の歴史に幕を下ろす

室井昌也韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表
SKワイバーンズに別れを告げるSKの面々(写真:SKワイバーンズ)

韓国の流通大手・シンセゲ(新世界)グループは5日、1月に買収を発表したプロ野球チーム・SKワイバーンズに代わる新名称を発表した。

(関連記事:SK球団を大手スーパーのイーマートが買収へ 2000年代の韓国球界をリードした主役の撤退に衝撃走る 2021年1月26日)

球団名は「SSGランダーズ」。

シンセゲグループのイニシャルである「SSG」と「上陸」を意味する「ランダーズ(LANDERS)」を合わせた名称だ。本拠地のインチョン(仁川)広域市はインチョン国際空港があり港町でもある。韓国の玄関口であり、インチョンは韓国に野球が最初に伝来(上陸)した地でもあることを命名の理由とした。

シンセゲグループは球団名発表に先立ち、5日午前の書面形式によるオーナー会議で、SKからのリーグ会員資格譲渡が満場一致で承認された。リーグ加入金は60億ウォン(約5億7000万円)で新規参入ではない球団譲渡で加入金を収めるケースは、2001年途中にヘテ球団を買収したKIA以来2度目のケースとなる。当時のKIAの加入金は30億ウォンだった。

SSGが本拠地として使用するインチョンムナク(文鶴)球場は、これまでSK球団が同球場と総合競技場などの複合施設一帯を指定管理者として運営。野球場の名称は「インチョンSK幸福ドリーム球場」としていた。

球団の歴史に幕を下ろしたSKワイバーンズは、韓国の大手通信事業者・SKテレコムを親会社とし、1999年限りで消滅したサンバンウルレイダースに代わって、2000年に新規参入。21年間で韓国シリーズを4度制し、先進的な取り組みでファン拡大や地域貢献し、2000年代の韓国球界に新風を吹き込んだ。

リーグを脱退するSKは5日のオーナー総会で、球界発展のために25億ウォン(約2億3750万円)の寄付を予定していることを明らかにしている。

KBOリーグは4月3日のシーズン開幕を前に、3月20日からオープン戦(示範競技)を実施するが、SSGはそれまでに新ユニフォームを間に合わせるのは難しいとしている。そのためSKが昨年まで日曜日のホームゲームで採用していた、胸に地域名の「INCHEON」の文字が入った、オールドスタイルのシンプルなユニフォームに、新世界グループのパッチを施したものとなる予定だ。

SK ワイバーンズ紹介(ストライク・ゾーン)

「INCHEONユニフォーム」を着た元DeNAのジェイミー・ロマック(写真:SKワイバーンズ)
「INCHEONユニフォーム」を着た元DeNAのジェイミー・ロマック(写真:SKワイバーンズ)

韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表

2002年から韓国プロ野球の取材を行う「韓国プロ野球の伝え手」。編著書『韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑』(韓国野球委員会、韓国プロ野球選手協会承認)を04年から毎年発行し、取材成果や韓国球界とのつながりは日本の各球団や放送局でも反映されている。その活動範囲は番組出演、コーディネートと多岐に渡る。スポニチアネックスで連載、韓国では06年からスポーツ朝鮮で韓国語コラムを連載。ラジオ「室井昌也 ボクとあなたの好奇心」(FMコザ)出演中。新刊「沖縄のスーパー お買い物ガイドブック」。72年東京生まれ、日本大学芸術学部演劇学科中退。ストライク・ゾーン代表。KBOリーグ取材記者(スポーツ朝鮮所属)。

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