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千葉ロッテ・井口監督 「日本一の仲間」現役引退の金泰均にメッセージ

室井昌也韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表
2010年石垣島キャンプの井口現監督とキム・テギュン(写真:ストライク・ゾーン)

2010年から2シーズン千葉ロッテでプレーした、韓国KBOリーグ・ハンファイーグルスのキム・テギュン内野手(金泰均、38)が10月21日に現役引退を発表した。

(関連記事:「史上最大の下剋上」に貢献した元千葉ロッテ・金泰均 38歳での現役引退を決断

日本での1年目、主に4番ファーストで出場したキム・テギュンは、ネクストバッターズサークルで8つ年上の強打者の姿を見つめていた。3番セカンドの井口資仁現監督(45)だ。

「僕が若手だった頃、韓国の野球雑誌で井口選手の打撃技術が紹介されていたのを見て感動しました」と来日当時に話していたキム・テギュン。2010年、この3、4番コンビは井口がチームトップの103打点、キム・テギュンがそれに次ぐ92打点を記録し勝利に貢献した。

あれから10年。8日にクライマックスシリーズ進出を決めた井口監督は、キム・テギュンに球団を通して以下のコメントを寄せた。

「キム・テギュンは2010年の日本一メンバー。一緒に戦った仲間が引退するのは寂しいです。1年目からしっかりと日本の野球に対応している姿を見て、すごいなあと思ったのを覚えています」

「広角に打ててアベレージも残せるけど、長打力もある。そして守備もうまかったです。穴が少ない選手という印象をもっています」

2010年石垣島キャンプでの井口とキム・テギュン、西岡剛(写真:ストライク・ゾーン)
2010年石垣島キャンプでの井口とキム・テギュン、西岡剛(写真:ストライク・ゾーン)

「韓国に戻ってからも大活躍をしているという事はニュースで知っていました。これからもまた指導者として、いい選手を育てて欲しいと思っています。第二の人生も頑張ってください」

またキム・テギュン在籍時、そして現在もチームに帯同する梶原紀章広報室長も、キム・テギュンの思い出を教えてくれた。

「一番の思い出はやっぱり『金泰均バーガー(キムチ・テギュンバーガー)』ですかね。自分が企画したのですが、本人に話をした時のなんとも照れくさそうな表情は忘れられないです。そしてPRのための記者会見では『しっかりとたくさんホームランを打って、多くの人にバーガーを食べてもらいたい』と言っていただいたことも忘れられないです」

「その後、ホームランを打ってヒーローインタビューに上がった時のフォトセッションで、実際にお立ち台の上で食べてもらったこともつい昨日のように覚えています」

2010年5月3日、地元マリンで6、7号を放ち、ヒーローインタビューでハンバーガーで手にするキム・テギュン(写真:千葉ロッテマリーンズ)
2010年5月3日、地元マリンで6、7号を放ち、ヒーローインタビューでハンバーガーで手にするキム・テギュン(写真:千葉ロッテマリーンズ)

「当初は400円のバーガーで球場内のロッテリアで販売。その後、ホームランを打ったら背番号にちなんで52人限定で50円にするという企画を打ち立てると、すごい話題になりました」

「ただ、球場運営担当者からは『ホームランを打った時に球場内のロッテリアに、お客様が走って駆け付けるので危ない』と怒られました。その後、全国展開されホームランを打った翌日は52人限定で半額になるなど、この企画はちょっとしたムーブメントになったのを覚えています」

ロッテリア店頭のキム・テギュンのパネルとM☆Splash!!のメンバー(写真:ストライク・ゾーン)
ロッテリア店頭のキム・テギュンのパネルとM☆Splash!!のメンバー(写真:ストライク・ゾーン)

「彼が入団して1年目の春季キャンプで自分がジョギングで右足首を捻挫した時(全治1ヶ月)、本当に心配をしてくれたことも覚えています。優しい選手でした」

井口監督率いる千葉ロッテは、今月14日から行われる福岡ソフトバンクとのクライマックスシリーズに挑み、キム・テギュンが在籍した10年前の「下克上」の再現を目指す。

韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表

2002年から韓国プロ野球の取材を行う「韓国プロ野球の伝え手」。編著書『韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑』(韓国野球委員会、韓国プロ野球選手協会承認)を04年から毎年発行し、取材成果や韓国球界とのつながりは日本の各球団や放送局でも反映されている。その活動範囲は番組出演、コーディネートと多岐に渡る。スポニチアネックスで連載、韓国では06年からスポーツ朝鮮で韓国語コラムを連載。ラジオ「室井昌也 ボクとあなたの好奇心」(FMコザ)出演中。新刊「沖縄のスーパー お買い物ガイドブック」。72年東京生まれ、日本大学芸術学部演劇学科中退。ストライク・ゾーン代表。KBOリーグ取材記者(スポーツ朝鮮所属)。

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