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李大浩(韓国ロッテ)の帽子にオリックスとソフトバンクの文字が施された理由

室井昌也韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表
特製キャップをかぶったイ・デホ(写真:ロッテジャイアンツ)

上の写真は韓国KBOリーグ・ロッテジャイアンツの4番打者、イ・デホ内野手(李大浩、38)の試合前練習の姿だ。帽子の右側面には「Orix」、「Softbank」、「SEA」のワッペンが施されている。イ・デホはなぜ、このような帽子をかぶっていたのか。

イ・デホが着用したキャップ(写真:ロッテジャイアンツ)
イ・デホが着用したキャップ(写真:ロッテジャイアンツ)

新型コロナウイルスの感染拡大で世界のプロ野球リーグは開幕の延期、無観客試合の実施、シーズンの縮小など数々の影響を受けている。そんな中で台湾CPBLに次いで5月5日に開幕し、当初の予定通り144試合を行うとしているKBOリーグは、これまでに各球団が世界に向けたメッセージを独自に発信してきた。

とりわけロッテジャイアンツは外野席に「MLB x NPB We’re with you(僕らは一緒だ)」という横断幕、選手のヘルメットに「MLB x NPB Stay Strong(強くあれ)」というステッカーを貼り続け、開幕が遅れていた日米のリーグを励ましてきた。

MLB、NPBに向けたロッテからのメッセージ(写真:ロッテジャイアンツ)
MLB、NPBに向けたロッテからのメッセージ(写真:ロッテジャイアンツ)

そのメッセージにNPB(日本)ではオリックスが反応し、開幕前の練習試合でバックネットにメッセージを表示。それにCPBLも呼応したという話を6月の本欄で紹介した。

練習試合で表示されたメッセージ。現在はドーム場外のビジョンで表示されている(写真:オリックス・バファローズ)
練習試合で表示されたメッセージ。現在はドーム場外のビジョンで表示されている(写真:オリックス・バファローズ)

(関連記事:オリックスが台湾、韓国から受け取り繋いだ 海を越えるプロ野球開幕へのバトン

韓国ロッテはその第2弾として、7月10日からのトゥサンベアーズとのホーム3連戦で新たなメッセージを発信した。それが冒頭のキャップだ。

ロッテの選手の帽子の前面にチームロゴはなく、ダイヤモンドの中に拳と拳を合わせた「グータッチ」のイラスト。そしてCPBL、KBO、NPB、MLBの文字があしらわれている。

グータッチのイラストと4つのリーグ名が記されたキャップ(写真:ロッテジャイアンツ)
グータッチのイラストと4つのリーグ名が記されたキャップ(写真:ロッテジャイアンツ)
11日の先発投手のパク・セウンの他、全選手が試合で特製キャップを着用(写真:ロッテジャイアンツ)
11日の先発投手のパク・セウンの他、全選手が試合で特製キャップを着用(写真:ロッテジャイアンツ)

そして海外でのプレー経験がある選手には元所属球団名が施されたものが用意された。だからイ・デホにはオリックス(2012~13)、ソフトバンク(14~15)、マリナーズ(16)の3つのチームが記されていたのだった(カッコ内は在籍年度)。

帽子の後ろ側にはこう記されている。「Unity in Baseball(野球でひとつに)」

今週、メジャーリーグが開幕。ようやく世界のプロ野球リーグがともに動き出す。

「野球でひとつに」と記された帽子の背面(写真:ロッテジャイアンツ)
「野球でひとつに」と記された帽子の背面(写真:ロッテジャイアンツ)

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韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表

2002年から韓国プロ野球の取材を行う「韓国プロ野球の伝え手」。編著書『韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑』(韓国野球委員会、韓国プロ野球選手協会承認)を04年から毎年発行し、取材成果や韓国球界とのつながりは日本の各球団や放送局でも反映されている。その活動範囲は番組出演、コーディネートと多岐に渡る。スポニチアネックスで連載、韓国では06年からスポーツ朝鮮で韓国語コラムを連載。ラジオ「室井昌也 ボクとあなたの好奇心」(FMコザ)出演中。新刊「沖縄のスーパー お買い物ガイドブック」。72年東京生まれ、日本大学芸術学部演劇学科中退。ストライク・ゾーン代表。KBOリーグ取材記者(スポーツ朝鮮所属)。

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