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高校時代に大谷翔平に投げ勝った右腕 プロ7年目の初先発で初勝利<韓国KBOリーグ>

室井昌也韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表
イ・ゴンウク(写真:SKワイバーンズ)

28日の韓国KBOリーグは全5試合がナイトゲームで行われました。

チャムシル球場のトゥサンベアーズ-SKワイバーンズは、SKが6-1で勝利しています。

SKの先発イ・ゴンウク投手は、2014年にドラフト1次指名でプロ入りした25歳。ここまで故障や約2シーズンの軍服務もあり、この日の登板がプロ6試合目、初めての先発登板でした。

イ・ゴンウク投手は1回裏、打者3人をフライ3つで三者凡退に抑えると、力ある速球で攻めの投球を見せ、5回2死までトゥサン打線をパーフェクトに抑えました。

6回途中でマウンドを降りたイ・ゴンウク投手は5回1/3、73球を投げて被安打3、与えた得点は1点のみ。イ・ゴンウク投手の降板後、味方打線は追加点を挙げ、9回を4番手のハ・ジェフン投手(元ヤクルト)が締めて、イ・ゴンウク投手はプロ7年目で初白星を手にしました。

SKは昨季17勝を挙げたエースのキム・グァンヒョン投手がメジャーリーグへ、同じく17勝のエンジェル・サンチェス投手は巨人に移籍しました。先発の両輪を欠いたSKは、昨季の勝率同率1位から一転、ここまで4勝16敗で首位と13ゲーム差の最下位に低迷しています。

そんな状況でのこの日のイ・ゴンウク投手の先発での好投、初勝利は、チームにとって大きな収穫となりました。

◆「18Uで大谷翔平と投げ合って勝利」

イ・ゴンウク投手は東山高の2年生だった2012年、第25回18U(AAA)世界野球選手権大会(ソウル)に韓国代表として出場。9月8日に行われた日本との5、6位決定戦に先発しました。

対する日本の先発マウンド上がったのは、花巻東高3年の大谷翔平投手(現エンゼルス)でした。大谷投手は7回を投げて2安打12奪三振、韓国打線をヒットとボークによる2点に抑えましたが、イ・ゴンウク投手も8回3安打無失点と好投。試合は3-0で韓国が勝利し、韓国5位、日本6位で大会を終えています。

大谷選手とイ・ゴンウク投手、その後の両選手のプロでの歩みは大きく異なりますが、イ・ゴンウク投手が初勝利をきっかけに、花開くことを期待したいです。

<きょうのアン・グォンス(安田権守)>

開幕から全試合で途中出場していましたが、この日は出場機会がありませんでした。

⇒ エリートだった「早稲田の腕立て王子」が遠回りして韓国でつかんだプロ野球選手の座

以下が全5試合の結果です。

◇5月28日(木)の結果

・トゥサン 1- 6 SK(チャムシル)

 勝:イ ゴンウク

 敗:イ ヨンチャン

・KT 6- 5 KIA(スウォン)

 勝:ソ ヒョンジュン

 敗:ヤン ヒョンジョン

・ハンファ 0- 3 LG(テジョン)

 勝:ケリー

 敗:サーポルト

・ロッテ 1- 3 サムスン(プサン)

 勝:ホ ユンドン

 敗:サンプソン

・NC 9- 6 キウム(チャンウォン)

 勝:イム ジョンホ

 敗:イ ヨンジュン

⇒ 2020年 韓国プロ野球公式戦日程表(ストライク・ゾーン)

⇒ リーグ順位表(ストライク・ゾーン)

※本項目は韓国KBOリーグ各球団から写真使用の許可を得ています。

韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表

2002年から韓国プロ野球の取材を行う「韓国プロ野球の伝え手」。編著書『韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑』(韓国野球委員会、韓国プロ野球選手協会承認)を04年から毎年発行し、取材成果や韓国球界とのつながりは日本の各球団や放送局でも反映されている。その活動範囲は番組出演、コーディネートと多岐に渡る。スポニチアネックスで連載、韓国では06年からスポーツ朝鮮で韓国語コラムを連載。ラジオ「室井昌也 ボクとあなたの好奇心」(FMコザ)出演中。新刊「沖縄のスーパー お買い物ガイドブック」。72年東京生まれ、日本大学芸術学部演劇学科中退。ストライク・ゾーン代表。KBOリーグ取材記者(スポーツ朝鮮所属)。

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