21世紀の「宇野ヘディング事件?」 韓国の背番号7の遊撃手があの場面を再現。その結末は?
新型コロナウイルス感染拡大の影響でプロ野球の開幕が延期になり、過去の試合やプレーが各メディアで紹介される機会が増えている。その中で韓国KBOリーグでのある珍プレーにも関心が寄せられた。それは日本の野球ファンには伝説となっているあのシーンそのものだった。
昨年6月5日、ロッテジャイアンツが準本拠地のウルサン(蔚山)にハンファイーグルスを迎えたこの試合、「事件」は3-3で迎えた8回表に訪れた。
1死ランナーなしで打席に入った5番のジャレド・ホイングはロッテの3番手、ソン・スンラクがカウント1-1から投じた3球目を打ち上げた。
打球はショートの後方、センターの前へ。その打球を追ったショートのシン・ボンギは背走し、左手のグラブを頭上に差し出したところ、ボールはグラブに触れることなくシン・ボンギの左頭部に直撃したのだった。
それはまるで今から40年近く前、1981年8月26日の巨人-中日戦(後楽園)で中日の宇野勝が見せたプレーを思い出させた。当事者がどちらも背番号7を背負う遊撃手という点まで同じだった。
しかしこのプレーの結末は大きく異なる。宇野が「ヘディング」したボールはグラウンドを転々とし、ピッチャーの星野仙一がグラブを叩きつけるところまでがセットとなって、珍プレーとして紹介された。
一方のシン・ボンギの場面は、ヘディングしたボールをレフトのチョン・ジュンウがダイレクトで「セーブ」。ショート直撃のレフトフライでアウトとなったのだ。以下がそのシーンだ。
映像:KBS NEWS
凡プレーが一転、好プレーになった珍プレー。ロッテナインはシン・ボンギを笑顔で迎えた。
韓国プロ野球は当初の予定より38日遅れの5月5日に無観客で開幕する。日本のプロ野球が始まるまでしばらくの間、韓国の珍プレーが野球を欲する人の心を、ちょっぴり満たす、なんてこともあるかもしれない。