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カープ出身の28歳内野手 失意の二軍落ち<韓国KBOリーグ>

室井昌也韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表
元広島の内野手、シン・ソンヒョン(写真:トゥサンベアーズ)

トゥサンベアーズは27日、シン・ソンヒョン内野手(申成鉉、28)の出場選手登録を抹消した。

シン・ソンヒョンは京都国際高校に野球留学していた2008年9月に広島の入団テストを受け合格。同年のドラフトで4位で指名され、韓国のプロを経ず、NPBでプロ入りを果たした。

しかし広島での5年間で1軍出場はなく2013年秋に広島を戦力外となった。その後韓国に帰国し、独立球団のコヤンワンダーズでプレー。2015年に育成選手としてハンファイーグルス入りした。

長打力のある内野手としてKBOリーグ2年目の2016年には89試合に出場。打率2割7分8厘、8本塁打、24打点を記録した。本職のショートの他、サード、ファーストもこなすことで出場機会を得ていった。2017年4月にトゥサンに移籍している。

今季のトゥサンはセカンドのオ・ジェウォンが成績不振、指名打者のチェ・ジュファンが右脇腹痛で離脱したことで今月10日、シン・ソンヒョンに1軍昇格のチャンスが訪れた。しかし1打席勝負となることが多く結果を出せずにいた。

24日の試合前、シン・ソンヒョンに今の状況について尋ねると、険しい表情を見せ、「キツい、難しいです」と首を振りながらうなだれた。

「速球に遅れないように、出てくるピッチャーの投球にタイミングが合うようにイメージしている」と試合中はベンチで準備していると話していたが、首脳陣の信頼を得るには至らなかった。

26日のロッテ戦では8番セカンドで先発出場し、1打席目はレフトへの犠牲フライで打点を挙げるも、2打席目の1死二、三塁のチャンスでは2ストライクから外のスライダーを大きく空振りし三振。

次の回の守りではさばいたゴロを一塁に送球する際、握り損ねて落球。エラーとなった直後にキム・テヒョン監督は審判に交代を告げ、シン・ソンヒョンはベンチへと下がった。

トゥサンは球界屈指の選手層を誇るチーム。限られたチャンスの中で結果を求められる状況下、シン・ソンヒョンは失意の二軍落ちとなった。

トゥサンはシン・ソンヒョンに代わる内野手として高卒ルーキーで長打力のある三塁手、ソン・スンファン(18)を一軍登録している。

※本項目は韓国KBOリーグ各球団から写真使用の許可を得ています。

韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表

2002年から韓国プロ野球の取材を行う「韓国プロ野球の伝え手」。編著書『韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑』(韓国野球委員会、韓国プロ野球選手協会承認)を04年から毎年発行し、取材成果や韓国球界とのつながりは日本の各球団や放送局でも反映されている。その活動範囲は番組出演、コーディネートと多岐に渡る。スポニチアネックスで連載、韓国では06年からスポーツ朝鮮で韓国語コラムを連載。ラジオ「室井昌也 ボクとあなたの好奇心」(FMコザ)出演中。新刊「沖縄のスーパー お買い物ガイドブック」。72年東京生まれ、日本大学芸術学部演劇学科中退。ストライク・ゾーン代表。KBOリーグ取材記者(スポーツ朝鮮所属)。

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