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なぜシニアは気ままな独身生活を捨てて結婚する?~浅野ゆう子さんらのコメントから考える

村上れ以子成婚率東日本トップの仲人士(結婚相談所運営) 元新聞記者
浅野ゆう子さんが57歳で結婚したことで、シニアの結婚に注目が集まっています(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

女優の浅野ゆう子さんが昨年末、57歳で結婚。

これを機に、シニアの結婚が注目されています。

50歳以上で結婚した有名人では、昨年5月に元大学教授の男性と結婚したエッセイストの阿川佐和子さん(64)がいる。桃井かおり(66)は15年1月に事実婚状態だった年上の音楽プロデューサーと婚姻届を提出。ロックバンド「子供ばんど」のリーダー・うじきつよし(60)は14年2月に同世代の一般女性と結婚している。いずれも初婚だった。

出典:スポニチアネックス

なぜ、シニアは“気ままな独身生活”を捨てて、結婚するのでしょう?

シニア婚をした方の言葉から、考えてみましょう。

「お互いこの年齢で・・・とも思いましたが、この年齢だからこそ、互いの健康に気遣いつつ、寄り添いながら穏やかに、これからの人生を歩んでいこうと決めました。」

出典:浅野ゆう子さんブログ

浅野さんのブログには、「健康」「寄り添う」「穏やか」という3つのキーワードがありました。

これとほぼ同じニュアンスのキーワードをコメントにしたためたのが、作家でエッセイストの阿川佐和子さん。昨年、63歳で、69歳の元大学教授と結婚しました。

「今後はできることなら、互いの健康に気遣いつつ(これが何よりのテーマです)、足腰が丈夫なうちにできるだけたくさん好きなゴルフをし、おいしいものを「おいしいね」と言い合い、くだらないことに笑い合って、ときどき言い争いつつ、穏やかに老後を過ごしていければ幸いかと存じます。」

出典:産経ニュース

シニア婚をしたほかの有名人のコメントも見てみましょう。

2011年に57歳で結婚した小林幸子さん。

「(お相手の医療関連会社社長について、一言で言えば)やすらぎでしょうか」

出典:スポニチアネックス

2015年に63歳で結婚した桃井かおりさんは同年12月21日放送のクリスマス特番「中居正広が結婚を考える夜。」(フジテレビ)で、こう話されたそうです。

「すごい、こよなくいい人なわけ」

「あたしいい人ってあんまり好きじゃなかったのよ。いい人ぶってるって思ってたから。そしたら、生まれながらの良い人だったわけ」

「愛とかよりも、馴染むってことがあるのよ」

「とにかく一緒にいたほうがあったかい。朝から何かしら機嫌よくしてくれる。だからいないと困っちゃうわけ」

出典:キャリコネニュース

夏木マリさんは2011年に59歳でパーカッショニストの斎藤ノブさんと結婚。

「(斎藤さんの人柄を)優しいです。(人間が)大きいから優しく接してくれるので、私も優しくなった。人の意見を聞くようになった。人生後半に誰かと暮らしているって、いいこと。思うでしょ?」

出典:デイリースポーツ

シニアが結婚に向かう理由は「健康リスクへの対応」と「人と一緒にいるぬくもり」

シニアが結婚に向かう理由、浅野ゆう子さんの【健康】【寄り添う】【穏やか、安らぎ】というキーワードに加えて、【(相手が)いい人、優しい】ことも大きな要素だと、皆さんのコメントから明確になってきました。

有名人だけでなく、私の結婚相談所で婚活し、成婚したシニア層も、「人柄が大事なポイントになりました」「一緒にいて安らぐ。波長が合う」といった理由で、お相手との結婚を決める方が多いです。

【健康】

人生の折り返し地点を過ぎてひとりでいると、万が一自宅で倒れるなどした場合、見つけてもらいにくく、大事になるかもしれませんが、夫婦ふたりでいたら、どちらかが発見してくれる確率は上がります。

それ以前に、ふたりだからこそ、相手のためにも健康に気を使うようになるかもしれません。

【寄り添う】【穏やか、安らぎ】【(相手が)いい人、優しい】

誰かと一緒にいるということは、いいことばかりではないけれど、それを補ってあまりある“安らぎ”を求め、それができる“いい人”と皆さん結婚なさっているようです。

夏木さんの、「人生後半に誰かと暮らしているって、いいこと。思うでしょ?」という言葉は印象的です。

周囲がなんと言おうと思おうと、自分が結婚したいと思ったら行動すべき

国立生活保障・人口問題研究所(厚生労働省の機関)が5年に1度、「生涯未婚率」を計算していますが、「生涯未婚率」とは50歳になった時点で一度も結婚をしたことがない人間の割合を意味する言葉。

『50歳で未婚の人は、将来的に結婚する予定がない』と“決めて”こう名づけたのでしょう。

シニア婚を「その年で?」と驚く方もいらっしゃるでしょうし、シニアの婚活を「今さら」とネガティブに考える方もいらっしゃるでしょう。

それでも、独身シニアで結婚したいと思う方は少なくありません。

QOM総研の調査(2017年)によると、独身シニアの男性約40%、女性約30%が「パートナーがほしい」という願望を持ち、全体の23.4%が婚活をしたことがあるそうです。

QOM総研(パートナーエージェント)

このデータからは、結婚したいと思いながら、婚活をしない方も多いことがわかります。

「結婚したい」と思ったら、周囲の言葉は関係ありません。

浅野ゆう子さんの会見で幸せそうな笑顔を見て、結婚を希望する多くのシニアの皆さんに、後に続いてほしいなと思いました。

成婚率東日本トップの仲人士(結婚相談所運営) 元新聞記者

キャリア5年で成婚数、成婚率とも東日本1位仲人士に。17年間のスポーツ担当記者時代に取材した国内外トップスポーツ選手・コーチの必勝ノウハウを婚活にいかし、難しいといわれる30代・40代・50代の中高年と親の婚活で、通常の8倍の割合で会員を成婚に導く。慶應義塾大法学部政治学科卒業。既婚、二児の母で、趣味は子どものスポーツ応援。

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