サントリー、信じ切ったトップリーグ連覇。真壁キャプテンを先頭に、日本選手権三連覇に挑む

10年目のラグビートップリーグで、頂点に立ったのはサントリーサンゴリアスだった。レギュラーシーズン13節を全勝し、無傷で頂点に立ったのは史上初めて。前半はほとんどの時間を攻め続けたサントリーだが、後半は防戦一方に追い込まれた。2人のシンビン(10分間の一時退場)を出しながら最後まで全員で足を動かし、守り抜いた勝利は、観客席だけでなく、同じくトップリーグで戦った多くのコーチ、選手からも称賛を浴びるものだった。互いにミスもあったが、80分間、集中力を切らさずに動き続けた姿は、不断の努力の賜物だと誰もが感じただろう。

キャプテンのLO真壁伸弥(25歳)は、192センチ、110キロの巨体で飽くなき突進を続けた。仙台工業高校から中央大学と、ラグビー界では、けっして華やかな経歴ではないが、日本代表で9キャップを保持し、今が伸び盛りの選手だ。昨春、名将エディー・ジョーンズ監督からバトンを受けた大久保直弥監督は真壁をキャプテンに指名した。外から見ていると純粋無垢に見える真壁はキャプテン向きではないように感じたが、ファイナルのノーサイド直後の表情で、彼が選ばれた理由がわかった気がした。

フィールドのなかで組まれた円陣でのこと。真壁キャプテンは、「まだ日本選手権があるから」と言おうとして一瞬泣き顔になった。すぐに笑顔を作ったが、それを見たチームメイトの表情がほころぶ。くしゃくしゃの笑顔の多さが、彼が愛されている証だった。

タッチライン際で行われたテレビのインタビューで印象的なコメントがあった。「サントリーのラグビーってやつを信じ切れたことが、東芝を上回れた要因だったと思います」。サントリーは、どの選手、スタッフに聞いても、自分達の練習量と質に確かな自信を持っていた。昨秋は、日本代表活動期間のためトップリーグが約1カ月の休みとなったが、サントリーは休まなかった。多くのチームが一週間ほどのオフをとったにもかかわらず、である。シーズン中、最長の休みは2日。そして、名将エディー・ジョーンズ監督の後を引き継いだ大久保直弥監督は、「チームメイトに信頼されていない選手は試合に出さない」という姿勢を貫いた。現役時代、チームの先頭に立って体を張った大久保監督らしい。

ラグビーはある意味残酷なスポーツかもしれない。一度でも腰の引けたタックルをすれば、「体を張れない、信頼できない選手」というレッテルを貼られる。フェアに戦わない選手も信頼されない。体をぶつけ合うからこそ人間性がはっきり出てしまう面がある。ファイナルでもっとも体を張っていたのは、真壁キャプテンだった。それが今季のサントリーの強さだろう。

2月2日に開幕する日本選手権でも、純情派キャプテンは、チームメイトに笑顔を運ぶのだろうか。決勝戦は、2月24日(国立競技場)である。