どうなる? トップリーグ・ファイナル。攻撃力の優劣が勝敗を分ける理由

1月27日のファイナルの勝敗を分けるのは、どちらが長く攻撃できるかにかかっている。セミファイナルの2試合を見て再確認したが、現在の攻撃側有利のルールのなかでは、守りきるのは難しい。

ラグビーのルールは、防御力が進歩するたび、ルールによって攻撃のスペースを確保してきた歴史がある。なぜ防御理論が先行して発達するのかといえば、攻撃側はボールを持った選手しか相手にぶつかってはいけないのに対し、防御側は15人全員がその1人にタックルをしてもいいというラグビー独特の決まりごとがあるからだ。

スクラムのオフサイドラインは、ボールの位置だったものが、スクラム最後尾になり、現在ではさらに5m下げられている。タックルをした選手がそのままボールを奪うプレーも、以前はファインプレーだったのに、タックルで倒した後、いったん手を離してからボールに絡むことが義務付けられることになった。攻撃側を有利にすることで、ボールゲームの魅力を引き出すためである。

いったん手を離すことによって、ブレイクダウン(ボール争奪局面)のターンオーバーは難しくなった。サントリーと神戸製鋼のセミファイナルでも、サントリーのボールを奪おうとして神戸製鋼が何度も反則を取られた。サントリーの2人目の選手が素早く寄ってくるので、いったん手を離すとボールが確保できず、手がかかっただけの状態になって押し込まれたり、はがされたり、そのまま倒されてしまうからだ。ラグビーは倒れた選手は手を使えないし、いったん相手と組み合ってボールを奪い合う「ラック」になれば、手を使うことはできないので、手でボールを獲りに行くプレーはどうしても反則になりやすい。

逆に攻撃側は、タックルされたときにいい体勢でボールを置き、2人目以降が素早く寄ってくる規律を守りさえすれば、高い確率でボールをリサイクルすることができる。日本代表のエディー・ジョーンズヘッドコーチが、世界に勝つために「アタッキングラグビー」を掲げる理由の一つでもある。守りきって勝てるのは、接点で無類の強さを誇る南アフリカ代表くらいのものだ。

この視点で決勝戦を見てみると、「アタッキングラグビー」を掲げるサントリー有利に思えるのだが、実は東芝もアタック型だ。セミファイナルのパナソニック戦のハーフタイムには、和田賢一監督が「うちはアタックのチーム。ボールを持つ時間を多くしたい」と口にした。東芝の「スタンディングラグビー」とは、タックルされても倒れずにパスをつなぎ、前進を続けるラグビーだ。攻撃ラインに複数の選手を配置し、タックルの的を絞らせずに攻撃をしかけるサントリーと特徴は違うが、ともにアグレッシブに攻めるチームなのである。

決勝戦は、ボール保持時間を長くして我慢強く攻め続けたチームが勝つだろう。スクラム、ラインアウトのセットプレーなど勝敗の分岐点になるところは多々あるが、実力差は紙一重。昨年12月8日の対戦では、サントリーが15-14で勝っているが、東芝はSOヒルがペナルティーゴール、トライ後のコンバージョンゴールをミスしており、サントリーも、SH日和佐の負傷で、途中からSO小野が不慣れなSHを務めた。今回も何が起こるか分からないが、この両チームに関しては、長く攻めているということが思惑通りの試合運びができているということであり、セットプレーでも優位に立っているという証になる。僅差勝負間違いなし。歴史に残る好試合を期待したい。