コンサドーレ札幌の2015年をデータで振り返る 今季もまた低迷した要因とは?

最終節後のセレモニーで挨拶をする野々村芳和社長

今季のコンサドーレ札幌は14勝15分け13敗、勝ち点57という成績に終わり、J2リーグの22クラブ中、10位でシーズンを終えた。

最終節の試合終了後に札幌ドームで行われたセレモニーで野々村社長は「馬を水辺に連れて行くことはできるが、水を飲ませることは出来ない」という格言をオーロラビジョンに映し、スタッフやサポーターは選手たちを水辺に連れて来ているが、最終的に水を飲むかどうか、勝利を掴み取るかどうかは選手次第、という見解を示した。

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では、経営面で本当に「選手たちを水辺に連れてくる」ことができているのか、まずは今年の運営面のデータを指標にして評価してみたい。

動員数も広告収入も右肩上がり 経営面は言うことなし

野々村芳和氏が札幌の社長に就任して今季で3年目となるが、この3年間の観客動員数は前年比9.8%、8.1%と増やしている。

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厚別競技場よりもキャパシティの大きい札幌ドームの使用回数を増やしているのも要因だが、1試合平均で毎年約千人ずつ上乗せしているのは、評価すべきだろう。

また、8月15日に札幌ドームで開催したコンサドーレ札幌を考える会で、野々村社長は「今季の広告収入の予算は過去最高の6億4千万円。これは某家具メーカーが胸スポンサーをやっていた時代を超えた」と説明していた(この会に参加した模様をレポートしたブログはこちら)。

コンサドーレ札幌を考える会でビジョンに映し出された資料
コンサドーレ札幌を考える会でビジョンに映し出された資料

野々村芳和氏が社長に就任して以降、3年で観客動員数もスポンサー収入も右肩上がりで増やしているのだ。経営面では文句なしの評価と言えるだろう。つまり、セレモニーの発言通り、「選手たちを水辺に連れてくることはできた」のだ。

では、続いて選手のデータをチェックしてみよう。

チーム得点王は都倉 出場試合最多は福森 宮澤

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チーム得点王は昨季に続いてFW都倉賢となった。夏に負傷離脱したのは痛かったが(同時にチームも低迷した)、終盤は3試合連続ゴールを決めて、エースの信頼を取り戻した形だ。

出場時間最多は川崎からレンタル移籍してきたDF福森晃斗だ。正直守備は心もとないが、最終ラインからの縦パス、左サイドを駆け上がってのクロス、はたまたセットプレーから繰り出されるプレースキックは、J2では屈指の精度だった。

福森と出場試合数で肩を並べたのは背番号10のMF宮澤裕樹だ。守備的ボランチでの出場が多い中、ゴール数でもチーム内で3位に食い込み、昨季よりも更に存在感を示したシーズンとなった。

今季も低迷した要因は一体何なのか?

元日本代表の小野伸二、稲本潤一を擁し、万全を期してスタートした2015年シーズン。ここ数年だと、最もワクワクして開幕を迎えたサポーターも多かったのではないだろうか?

しかし、蓋を開けてみれば昨季と同様夏に失速し、監督途中解任も効果なく、3年連続でJ1昇格プレーオフ圏内に届かなかった。

相変わらずの怪我人の多さ、助っ人外国人の不発、夏の補強の空振りなど、失速要因を洗い出せば切りがないが、筆者が最も問題だったと感じたのは、「監督解任の時期」である。

自分を使ってくれないバルバリッチ監督に愛想をつかし、シーズン途中でDF小山内、MF砂川はレンタル移籍の道を選び、FW榊は完全移籍で海外に渡った。これら3つの移籍が成立した後に、バルバリッチ解任の報が流れたのである。

J1昇格に向けてフロントには徹底した原因分析を望む

要するに、監督解任のタイミングが3選手が移籍する前であれば、上記3人を手駒として残した上で円滑に監督交替ができていたのだ。

特に試合の流れを一変させることができるベテランMF砂川誠の放出は痛かった。彼を切り札として残しておくことができれば、プレーオフ圏内に届かなかった勝ち点3差を、どうにかできたのではないかと今でも僕は思っている。

ちなみにこのコラムの要因分析はあくまで仮説に基づくものだ。内情を知り尽くす札幌のフロントには、今季低迷した原因分析をしっかりと客観的に行って頂きたい。

経営面は素晴らしい成果を残しているので、後は現場が結果を残すのみ。特に三上GMには、もうそろそろ助っ人外国人枠で「当たり牌」をツモってきてほしいと願うばかりだ。