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日本代表のラピース・ラブスカフニは「小さなこと」をやり切る。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
敬虔なクリスチャンでもある(写真提供=JRFU)

 本格始動前の5月26日、フィットネステストに挑んだ。ここで選手に訓示したのは、ピーター・ラブスカフニ。リーダー格の1人だ。

「選手として準備をしていくこと、高いスタンダードを保ってパフォーマンスを発揮すること、ターゲットをクリアすること、さらにその後は、掃除など小さなことをお互いにやっていきましょう。…そう言ってきました。さらにフィットネステストでは、(既定の)ラインを超えるなどの細かいことはしっかりやっていきましょうと話していきました」

 ラグビー日本代表は5月27日、大分合宿を本格化させた。先んじて現地入りのラブスカフニは、リーダー陣の1人としてチームにおける体力測定のいろはを再提示。新加入した選手を引き上げ、リーチ マイケル主将を助けるつもりだ。

「選手たちもエキサイティングな気持ちで、いい土台作りができた。チームとしても繋がれて、ハードワークができた。これから自分たちのプレースタイルをたくさんの練習で築かないといけない。これまでと変わらない。いい練習をして、築き上げる」

 身長189センチ、体重106キロの32歳。オープンサイドフランカーとして強烈なタックルと運動量をアピールする傍ら、周囲を引っ張るリーダーシップも評価される。

 代表資格を得た2019年に日本代表入りを果たすと、同年のワールドカップ日本大会以来ではアイルランド代表戦など計2試合でゲーム主将を務めた。初の8強入りに際し、グラウンド内外で存在感を示した。

 日本代表は当時を最後に長らく活動できなかったが、今回、約18か月ぶりに動き出した。

 最大のターゲットは同月26日のブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ(B&Iライオンズ)戦。イングランド、スコットランド、ウェールズ、アイルランドを代表する選手を集めて4年に1度編成される同チームとは、スコットランドのエディンバラで激突する。さらに7月3日には、ダブリンでアイルランド代表戦に挑む。

 信頼感抜群の好漢は何を思うか。オンライン取材に応じた。

 以下、共同会見時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

——代表活動は約19か月ぶりです。2年後にはワールドカップフランス大会があります。

「ワールドカップフランス大会まで時間はあるが、そこまでの道のりは重要だと考えます。日本代表を背負って出るには、常にベストを尽くさないといけない。しっかりとしたパフォーマンスを出さなきゃいけないとも。

 これからの2試合で、自分たちの新しい基準を作らないといけない。新しい選手たちとともに戦いながら、チームとして成長していくことでいいパフォーマンスができるようになる」

——リーチマイケルキャプテンは「ティア1(強豪国)」のスタンダードを保ちたいと話していた。

「ティア1のスタンダードを持ちましょう、と。自分たちは常に成長しなければいけない。同じ場所にいては後退するだけ。小さいことをやることが、大きなことに繋がる。自分はそう考えています」

——新しい選手へのアプローチは。

「自分の時もそうですが、新しい選手が来るときはその理由があるものだと考えています。しっかりいいパフォーマンスをして、彼らが代表に入ってくる。まず、彼らは彼らがやってきたことをやるのが大事。チームはそれを手助けする。チームのストラクチャーの理解を助け、自分たちが達成しなければいけないことを彼らに伝える。もともと彼らの持っている土台があるので、一緒に練習し、(チームの礎を)築き上げる」

——代表活動ができなかった2020年、他の代表候補選手や首脳陣とコミュニケーションを取る機会はあったか。

「去年の感染拡大時、話し合いの機会はありました。以後、活動は停止し、それぞれトップリーグのチームに戻りました。今年に入ってからも少しずつコミュニケーションを取り、いまに至ります」

——南アフリカ出身のラブスカフニ選手にとって、B&Iライオンズはどんなチームか。

「B&Iライオンズのツアーは4年に1回、ニュージーランド、オーストラリアなどを回る本当に特別な行事。前回(2009年)に南アに来た時は、知り合いと一緒に試合を観に行きました。スタジアムの環境が素晴らしいなかで選手たちがプレーしていたのを覚えています。日本は南アフリカ、ニュージーランド、オーストラリアではありません。今回の次は、いつB&Iライオンズとプレーできるかわかりません。その意味では、特別。それに対してしっかり準備して、いいパフォーマンスを出せるようにしたい」

——2023年への思いは。

「これからワールドカップまでは長い道のりがある。明日は約束されたものではありません。きょうに、いまにしっかりフォーカスし、日々のトレーニングに集中する。B&Iライオンズ戦、アイルランド代表戦に向け、それをやってゆく」

 6月12日には静岡・エコパスタジアムで、特別編成されるサンウルブズと強化試合をおこなう。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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