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クボタのニュージーランド代表経験者ライアン・クロッティは出番減も「貢献」。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
身長181センチ、体重94キロの32歳(写真はチーム提供)

 ニュージーランド代表のライアン・クロッティはいま、加入2年目となるクボタで国内トップリーグの開幕5連勝に喜んでいる。4月3日には東京・秩父宮ラグビー場で、サントリーとのレッドカンファレンス全勝対決に挑む。

 万能性の求められるセンターへ入り、かゆいところに手が届くような動きで味方の攻撃ラインを引き締める。

 相手の防御網と絶妙な間合いを取って球をもらい、複数名のタックラーをひきつけながらスペースへパスやキックを配する。

 あらかじめスペースがあるとわかれば、攻防の境界線へ迫ってそのままスクラムハーフからボールをもらう。抜け出す。

 守っては鋭い出足のタックル、危険地帯を埋める運動量でも際立つ。

 もっとも今季、同部へは南アフリカ代表のパワフルなフッカー、マルコム・マークス

加わっている。昨季加入したオーストラリア代表スタンドオフのバーナード・フォーリーも健在とあり、クロッティはやや出場機会が限られている。

 昨季は6戦中5戦に先発も、今季の先発は5試合中2試合。残り3試合はリザーブに回る。トップリーグでは、他国代表歴を持つ選手の同時出場は2人までと決まっている。

 ラグビー王国のエリートにとって望んだ状況には映らないが、当の本人は「自分の仕事はチームをよくすること」と置かれた立場を前向きに捉える。

 3月30日、サントリー戦に向けたオンライン取材に登壇。思いを語った。

 以下、共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――バレットとの対戦へ。バレットを止めるには。

「彼とは代表でも長いことやってきました。スーパーラグビーでは敵同士でしたが、日本で対戦するのは楽しみ。彼のプレースタイルを考えると、ディフェンスで時間とスペースを奪うのが大切です。彼のラン、パス、キックを取り除けば効果的に止めていける」

――現在のクボタのよさと今後の改善点は。

「どれだけハングリーにできるのか(が鍵)。成長をするマインドを作れてきたところで毎日、練習し、試合をし、勝てている。これを続ければ様々な対応もでき、学べるようになり、磨き続ければ勝てるチームになる」

――外国人枠の都合で十分なプレータイムを得られない試合もあったと思います。その現実をどう受け止めていますか。

「自分の仕事はチームをよくすること。試合に出てなくても他選手の成長(を助けること)など貢献できることはたくさんある。現在はメンバー外の選手がしっかりと元気に、ポジティブに取り組んでくれています。これらがうまく行っているということは、クボタのチーム文化がうまく行っているということだと思います。

 自分がグラウンドに出たら、自分の仕事をする。いまのクボタのベンチメンバーはリーグでも上位のインパクトを誇るはずです。フレッシュさをもたらし、それを高いスタンダードに上げられれば、自分たちのやりたいことができる」

――あなたが知るバレット選手の弱点はフォーリー選手に伝えたか。

「もちろん! バーナード・フォーリーはアタックで多くの役割を担っているので、バレットについてもすべてを話しました」

――ニュージーランド代表を率いるイアン・フォスター氏から「話をするな」とは言われなかったか。

「ないです。いま私はクボタの一員ですので」

 クラブ関係者によると、外国人選手のリクルーティングへはフラン・ルディケヘッドコーチが強くコミット。クロッティ加入前にはルディケと同じ南アフリカ出身の代表センターも獲得希望リストに名を連ねたものの、ルディケの強い要望でクロッティとの契約が優先された模様だ。

 白羽の矢が立ったのは安定感あるプレー、さらには実直かつ朗らかな人柄からだろう。

 クロッティは今季初先発となった第3節終了後、オンライン記者会見に登壇。聞かれた質問へ誠実に答えた後、退室と同時に広報の岩爪航氏にこう聞いたそうだ。

「そうだ、オレンジアーミーのことは話さなくてもよかったか?」

 来場者へオレンジ色のベースボールシャツを配るチームの取り組みについて、自分から話をするべきだったのではと気遣ったのである。その視野と想像力が、グラウンド上のパフォーマンスにもにじむ。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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