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今季限りで引退の福岡堅樹、開幕延期も「やれることに感謝」。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
写真は昨季開幕節(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

 ラグビー元日本代表の福岡堅樹は2月20日、自身にとって最後となる国内トップリーグの開幕を迎える(東京・秩父宮ラグビー場、対リコー)。

 2019年のワールドカップ日本大会で4トライをマークした快速ウイングは、かねて今季限りでの引退を表明。医学部受験を目指しながら、グラウンドに立っている。

 11日には埼玉県内でクボタとの練習試合に先発出場。主力同士で臨んだ40分間を14―7で終え、福岡自身はハーフタイム直前に勝ち越しトライを決めている。

 堅守速攻型のクラブの一員として、手応えを明かした(40分、40分、20分の変則マッチの結果は33―41でクボタの勝利)。

 以下、共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――試合を終えて。

「前回の試合(1月2日)から時間が空きましたが、自分らしいパフォーマンスを出せた部分がある。開幕前にいい準備ができた。(自身の)トライはチームで崩したトライ。僕自身がどうこうというのはないです。きょうは相手がボールキープをするなか、ウイングのボールタッチが減るのは仕方がないところもあります。その分、ディフェンスで仕事ができれば十分です。

 

 ディフェンスの時間が多かったですが、崩されるシーンは少なく、チームとしてのディフェンスの仕上がりは上々なのかなと。もちろん、細かい修正は必要ですが、風がある状況のなか、自分たちらしいディフェンスはできた」

――1月14日に予定されていたトップリーグ開幕が、他チームでの新型コロナウイルス感染者発生を受け2月20日に延びた。どう受け止めたか。

「そこは自分たちのコントロールできることではないので、とにかく自分たちのいい準備ができるように(と意識)。僕としては他のことに費やす時間もできたので、ポジティブに捉えています。もちろん、勉強に、です」

――開幕へ万全なコンディションを整えているのか。

「試合勘自体は一番いい状態の時に比べるとまだまだ足りない部分もある。そこは試合を通して、上げていけたらと思います」

――ラストシーズンの試合数が減った。

「いつも通りチームのトレーニングをやりつつ、限られた時間で(勉強との)両立ができるよう、チームと話し合いながらコントロールしてできました。いまのところ(公式戦を)やると言ってもらえているだけでもポジティブに捉えています。やれるだけでも、感謝しないと」

――受験生にとって、コロナ禍のメリット、デメリットは。

「あまり、置かれた状況に対してメリット、デメリットというのは意識しないです。そのなかで何ができるかを、考えるようにしています」

――ラストイヤーへの意気込み。

「変則的になり、どうなるかわからないですが、できるなかで最高のパフォーマンスができ、チームの優勝に貢献できるように、納得できる形で終われるようなシーズンを過ごせたら。

 自分らしいプレーをやるだけ。なにかそこに感じるものがあれば嬉しいですし、また観たいなと思ってもらえるプレーがしたいです」

 今季のトップリーグは5月に閉幕と年度をまたぐが、今度の受験を終えた福岡が4月以降の戦いへ参加するかどうかは未知数。チーム関係者は、別途、発表予定があると述べた。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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