Yahoo!ニュース

先発復帰もゲームキャプテンじゃない。リーチ マイケル、心境は?【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
2大会連続で主将を務める。(写真:森田直樹/アフロスポーツ)

 ラグビー日本代表は10月5日、ワールドカップ日本大会の予選プールA・第3戦でサモア代表と激突(愛知・豊田スタジアム)。3日には豊田市内でメンバー発表会見があった。

 リーチ マイケルキャプテンは初戦以来先発に復帰も、ゲームキャプテンはアイルランド代表に19-12で勝った第2戦と同様にピーター・ラブスカフニが務める。

 心境およびこの日に至るまでの準備状況は。本人が語った。

 以下、共同会見時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――ゲームキャプテンは、同じフランカーのピーター・ラブスカフニ選手が担います。

「あの…その質問が一発目だろうなと思っていました! (自分は)ゲームキャプテンから外れて、ラピース(ラブスカフニの愛称)がゲームキャプテンとなって。彼がボールに近いし、レフリーとのコミュニケーションもすぐに取れる。(攻撃の役割分担上)僕のポジションは外に張らなきゃいけないし、レフリーとコミュニケーションを取る回数は少なくなる。彼がゲームキャプテンになったら、レフリーとのコミュニケーションが取れるし、ラック周辺の指示ができる。2人で力を合わせて、今週の準備はすごくよくできていると思います」

――ゲームキャプテンを人に任せることで、精神的負担は軽くなるのか。

「(間をおいて)そうすね…。彼がゲームキャプテンで、特に、変りがないです。やることも同じだし、このチームの強さはリーダーシップグループ。このチームはだれがキャプテンをやってもうまくいくと思います。彼はゲームキャプテンをやる理由は、プレーの質、ボールに近い、英語がしゃべれる、です。僕の負担は少し軽くなった、と思います。少し」

――今週のラブスカフニ選手とのコミュニケーションについて教えてください。精神面の準備はどうしてきたか。

「ミーティングで話す回数は2人で合わせて。明日の最終的なミーティングは彼が喋るけど、最初のミーティングは僕。僕は、とにかく自分のコンディションを整えることに集中しました。メンタルの準備は重要です。ゼロからのスタートだと意識して、サモア代表は負けてきて(9月30日にスコットランド代表に完封負け)、日本代表に対してプライドを持って戦ってくると予想しています。それに対して僕がより良いメンタリティで行かないと、サモア代表にプレッシャーをかけられないと思います」

――4年前のイングランド大会でも強豪の南アフリカ代表に勝っています。当時と今回のアイルランド代表戦勝利後とで、雰囲気の違いはありますか。

「すごく変わった。前回、誰も予想していない結果を出して、その反応に誰も準備していない。毎日テレビ出て、SNSに触れる回数が増えて。どう対応するか厳しかった。今回は、週の頭からアイルランド代表の話がどうのこうのというのはなかったし、集中していて、このチームがそういうところでしっかりしたと思います」

――先発した開幕戦と前半30分から出たアイルランド代表戦とで、自身のパフォーマンスの違いは。

「もちろん1戦目に比べて2戦目の方がパフォーマンスはいい。色々ジェイミー(・ジョセフヘッドコーチ)と喋って、ベンチからのスタートを週の初めに言われて、チームに何ができるか、入ってインパクトを残せるかだけを考えて試合をしました。特にボールを持った時に前に出て、相手のタックルを下げさせる。ブレイクダウンで相手にダメージ与える。試合前からそう意識して試合しました」

――この大会では、各チームとも湿気に苦しんでいる。

「間違いなく日本のチームは湿度の強いところで試合をするのに慣れている。リーダー陣から提案したのが、『ボールに石鹸をつけて練習しましょう』。これはジェイミーに即行、却下されて! 『そんな必要はない』『2月から練習した自分のスキルを信じてやるべきだ』と。ただどのチームもボールを落としている。オールブラックスもハンドリングエラーが多い。今後、暑くてボールが滑る時、チームがどんな対応をするか考えなきゃいけない」

――サモア代表戦。どう戦うか。

「言ってしまうと全部ばれてしまうから。…まぁ、ディフェンスがキーになると思います。相手はパワーランナーも多い。何もないところからきっかけを作ってトライを取る。ディフェンスと攻守の切り替えが大事」

――相手は反則が多いが。

「相手が何をしてくるかは、考えてないです。自分たちにどれだけフォーカスするかが今週のポイントです。相手がイエローカードをもらうとか、何をするかとかは、特に考えない。自分たちがやることにフォーカスします」

 攻めてはエッジと呼ばれるグラウンドの端で防御を切り裂き、守っては何度でもタックルする。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

すぐ人に話したくなるラグビー余話

税込550円/月初月無料投稿頻度:週1回程度(不定期)

有力選手やコーチのエピソードから、知る人ぞ知るあの人のインタビューまで。「ラグビーが好きでよかった」と思える話を伝えます。仕事や学業に置き換えられる話もある、かもしれません。もちろん、いわゆる「書くべきこと」からも逃げません。

※すでに購入済みの方はログインしてください。

※ご購入や初月無料の適用には条件がございます。購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。

向風見也の最近の記事