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日本代表・田村優がワールドカップまでにフォーカスしたいこととは。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
雨のなかゴールキックを練習後、報道陣に対応(著者撮影)。

 ラグビー日本代表は8月18日、北海道・網走入り。ワールドカップ(W杯)日本大会の登録メンバー決定前最後のキャンプを、19日に本格始動させた(~28日)。司令塔のスタンドオフとしてW杯2大会連続の出場を目指す田村優が、共同取材に応じた。

 チームは7月下旬から8月中旬までパシフィック・ネーションズカップ(PNC)に参加し、3勝0敗で8年ぶりの優勝を果たしている。

 W杯登録メンバー31名が発表されるのは8月29日で、網走合宿はメンバーの絞り込みがなされる最後の機会。本大会行きが決まった選手たちは9月7日に埼玉・熊谷ラグビー場で南アフリカ代表戦に挑み、9月20日の本番開幕に備える。

 以下、共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――網走合宿への意気込みは。

「またチームとして色々なことを積み上げる。細かい部分にこだわってやっていきたいです」

――開幕まであと1か月。

「特に何も。まずはこの合宿で積み上げたいものを積み上げて、と。南アフリカ代表戦もありますし、あと5試合やるチャンスがある。そこに向けていい準備がしたい」

――目の前のことに集中している。

「もっと自分のことにフォーカスして――もちろん(ワールドカップは)意識しますが、まだ始まったわけではないので―――何が来るのか、どんなことが迫ってくるかというのを想定しながら準備できる期間でもある。ちょっとでもよくなるように練習を頑張る、というところです。(直前期のため)大きなステップアップはそんなにないと思っていますので、ちょっとずつ。試合もないのでリラックスもできますし。まだそんなにW杯が…というのは考えていないです」

――この合宿が終わった時にどんなものを得ていたいか。

「チームではPNCで出た課題を改善したいですし、どれだけ細かいことが大事かに気づいて、またそれにこだわることによってできることに自信を得たい」

――PNCの手応えと課題。

「まだよくできる。色んな細かいことを修正していけば、素晴らしいランナーが揃っていますし。(修正点は)全部、じゃないですか。全部のエリアで何パーセント積み上げられるか。具体的な詳細はありますけども、僕的には、全部」

――南アフリカ代表戦の位置づけは。

「勝つでしょ。あと5試合全部勝てばベスト8に行けるという認識です」

――W杯で達成したいこと。

「結果はベスト8(が目標)ですが、チームとしても日本にインパクトを与える。日本の昔の歴史、地域の方とコネクトしているので、それをしたことによって得られる応援を力にして、ベスト8は絶対に成し遂げたいです」

 組織的な攻撃を繰り出す日本代表にあって、田村が周囲に伝えたいのは細部へのこだわりの重要性とその効果だった。一個人としては「ちょっとでもよくなるように」と日々の積み重ねに集中。目標とする初の8強入りを成し遂げたい。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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