Yahoo!ニュース

「基本のところで上回る」。松島幸太朗が語る、日本代表の準備期間。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
ランニングスキルと体幹の強さ、ばねに定評あり。(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

 ラグビー日本代表としてワールドカップ2大会連続出場を目指すフルバックの松島幸太朗は、今秋開幕の同日本大会に向け「癖づけ」に注力している。

 2月4日から、ラグビー日本代表候補合宿にあたるラグビーワールドカップトレーニングスコッド=RWCTSキャンプに参加中。タックルされながらのパス、素早い手渡しのようなパス、状況に応じた接点へのサポートの姿勢など、チーム戦術に則した基本スキルを反復練習で落とし込む。

 日本代表は今秋開幕の自国開催大会で、欧州の強豪であるアイルランド代表、スコットランド代表などと対戦。史上初の決勝トーナメント進出などを目指す。

 以下、共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――ここまでいかがでしょうか(4日目の2月7日)。

「割とハードな感じにやっている印象です。フィットネスとスキル(の強化)がメイン。いままでやってきた部分をさらに磨くというか、最初からやるというイメージです。自分たちはまず、基本のところで(相手を)上回らないといけない。だからジャパンとしてその部分の強化をする。プレッシャーのかかる試合でそれを出すことが大切。

 スキルも含め、すべてにおいて癖づけをするのがこの合宿の意図だと思う。これを長くやって、この先の試合などで(鍛錬の成果が)自然に出るような感じにしていきたいのかな、と」

――現在(取材日)、ジェイミー・ジョセフヘッドコーチは来日していません。

「スキルは日に日によくなっています。監督が帰ってきたらまた違ったプレッシャーがあるとは思う。そのプレッシャーのなかでもそれ(技術)を出せれば、自分たちもスタッフも成長を感じられる。プレッシャーを受けていてもしっかり(技術を)出せる環境を作っていけたら」

――接点へのサポートの練習中、反則の取られそうな角度から入る選手がいたらベテラン選手が指摘していました。緊張感を保つのが肝となりそうです。

「今回、スタッフ陣はリーダー陣からどんどん(指摘する点を)言ってくれという状況を作ってくれている。リーダー陣だけではなく、全員が喋る環境を作ってくれている」

――ストレングス&コンディショニング部門に、イングランド大会以前の日本代表にも携わった村上貴弘さんが加わりました。

「身体の使い方、動作(でエッセンス)を入れているなと。例えば、お尻の力を入れている時には腰の部分に力を入れないようにしたり。腰に力を入れすぎて背中を反ったりすると、(負担がかかって)ハムストリングの怪我に繋がったりもする。力の抜き方もやっている」

 ヘッドコーチのジョセフはニュージーランドの複数のクラブやイングランド代表、スコットランド代表などを視察し、2月15日に合流。徐々に練習の強度を高めそうだ。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

すぐ人に話したくなるラグビー余話

税込550円/月初月無料投稿頻度:週1回程度(不定期)

有力選手やコーチのエピソードから、知る人ぞ知るあの人のインタビューまで。「ラグビーが好きでよかった」と思える話を伝えます。仕事や学業に置き換えられる話もある、かもしれません。もちろん、いわゆる「書くべきこと」からも逃げません。

※すでに購入済みの方はログインしてください。

※ご購入や初月無料の適用には条件がございます。購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。

向風見也の最近の記事