Yahoo!ニュース

日本代表リーチ マイケル、ワールドカップ4戦をどう見る?【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
昨秋のロシア代表戦はセカンドジャージィでプレー。(写真:アフロ)

 ラグビー日本代表のリーチ マイケルキャプテンが12月中旬、都内で取材に応じている。

 

 15歳で来日して札幌山の手高校、東海大学を経て現在は東芝でプレー。2008年から日本代表入りし、ワールドカップには2大会連続で出場中だ。南アフリカ代表などから3勝した前回のイングランド大会では、キャプテンを務めている。

 この日は、2019年のワールドカップ日本大会に向けた共同取材を実施。本稿では、2018年の日本代表の活動などについての談話を紹介する。

 以下、共同会見時の一問一答の一部(編集箇所あり)。2019年の上半期はラグビーワールドカップトレーニングスコッドやナショナルデベロップメントスコッドと呼ばれる代表候補メンバーが合宿や遠征を実施。一部はの兄弟チームであるサンウルブズに加わり、国際リーグのスーパーラグビーで戦います。

 本稿ではオフの過ごし方、ワールドカップイヤーの活動、本番への展望などに関する談話を紹介する。

 以下、共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――トップリーグを終えて、12月下旬からはフィジーへ移ります。

「フィジーに戻る時はラグビーから離れて、原点に立ち返ります。2019年のワールドカップのことは常に考えていますが、フィジーにいる時は何も考えません。フィジーに行くのは、2017年にチーフス(当時在籍していたスーパーラグビーのチーム)で遠征して以来。(今度訪れる)村へいくのは5年ぶりくらい。(現地は)電気も水道もないです」

――1月1日は何をしていますか。

「ニュージーランドで奥さん、子どもと一緒にいます。(12月下旬に)1週間、フィジーにいて、その後はニュージーランドに戻る。静かに過ごすと思います。(ニュージーランドで新年を迎えるのは)日本に来てから初めてです」

――ゆっくりしたいと言っても、現地でも注目されているのでは。

「でも、僕は森の中に入っちゃうので、なかなか来られないと思います」

――いま(12月)は何を。

「シーズン中にできなかったことをしています。友達に会ったり、フィジーに行く準備をしたり。毎日忙しいです」

――2月のナショナルデベロップメントスコッドの東京合宿から復帰。

「戻ってきます。2月2日に帰ってきます」

――これだけの長期の休みは。

「初めてです」

――サンウルブズへはいつ合流か。

「2月に(ワールドカップトレーニングスコッド合宿に)合流。サンウルブズ(への合流時期)はまだわからない。多分、最初の7~8試合は出ない。それぞれ、違います」

――本番までのピーキングのイメージはありますか。

「あります。11月のツアー後に年間スケジュールを配られて。ずっと(ナショナルデベロップメントスコッド)に帯同する選手、サンウルブズに行く選手…。どこでレストを取るか、どこでピーキングを持っていくか…。そういう話はしています」

――今年7月27日、岩手・釜石鵜住居復興スタジアムで試合をします。フィジー代表とのパシフィックネーションズ・カップの1戦です。

「代表としては初めて。地震があって、大変な思いをしている方はたくさんいます。スポーツには、人に勇気を与える力があります。日本代表がいいパフォーマンスをして、勝って、そこにいる人たちに喜んでもらえるようにしたいと思います。フィジー代表。アイランダーのなかで、フィジー代表は特別。一番、日本代表が苦手とする相手です」

――8月にどんな練習をするかの話し合いもしている、と。

「…まぁ、あります。少しずつ変わると思うけど、何となくは、あります」

――ピーキングの計画はどなたが決めたか。

「スタッフです」

――開幕前に南アフリカ代表と試合をします。

「いい機会です。トップレベルの相手とやれる。そこで、勝たないといけない。いま南アフリカは強くて、オールブラックスとやるより難しい。自分たちにとってはいい準備ができます」

――怪我のリスクもありそうと言われていますが。

「そう考えたら怪我をします。そこで何となくこなしたら、チームにとってもよくないし、自信にもならない。南アフリカ代表には、勝たないといけない。大会前に自信をつけたい」

――大会前にはより勝ちの見込めそうな相手と試合をして自信をつけるという考え方もありますが。

「勝ち方と負け方によります。結果がどうであれ、自信をつけたい。南アフリカ代表戦で何を大事にするか。もちろん内容にこだわって試合をしないといけないのと、リーダー陣としてはどうやって試合に勝つかを考えなきゃいけない。色々ないいものが得られる試合になると思います。万が一、変な負け方をしたら、自信にもならない。ただ、負けたけど内容的によかった…となれば、まだいい。でも、負けたらだめ」

――開幕のロシア代表戦。イメージしていますか。

「とても怖いです。雰囲気をちゃんと作らないと、だめですね(11月に対戦し苦しんだ)。勝てるだろうと思ったら負ける。相手も必死にやってきますし。無意識。それが一番、重要。無意識で『勝てるだろうな』と思っていると、怖い。マインドセットは大事。本当の奥の、奥で思っていることが大事。そこから勝たないといけない」

――チーム全員が「勝てるだろう」と思わない状態を作るには。

「会話。勝てるだろうという会話をしない。相手を下に見ない。相手をリスペクトする。そう言っていかないといけない」

――11月におこなったロシア代表戦は、32-27と辛勝しています。

「緩みはありました。会話を聞くなかで。僕にも反省があって。1週間の準備の仕方をもっとしっかりやらないといけない。なぁなぁにしない」

――予選プールで戦う4チームへの印象と攻略法は。

「戦い方は全部、同じ。どんな相手でも。キックのポイント、戦術だけは少しずつ変わると思います。ただ、そこまで細かくはわからないです。いまは自分たちのゲームプラン(の統一に注力)。ゲームプランに変わりはない。代表、サンウルブズでも、相手によって違うサインを組んでいるから、それ(その分)だけ変わると思います。

 アイルランド代表は世界一に近いチーム。ミスしない。大きいフォワード。素晴らしいスタンドオフ。本当に優勝を狙える。

 スコッドランド代表も同じ。ミスをしない。大きなフォワード。大きなバックス。

 サモア代表も毎年同じ。でかくて、パワーあって、一発でトライを取る能力がある」

――スコットランド代表戦時は、過去3試合の疲労などもありそう。どんな準備をしていきますか。

「疲労は大丈夫だと思います。疲労で負けたという言い訳はできないです。4試合あるなかで、そこまでは、考えていない。1試合、1試合…」

――ほぼ1週間置きに試合がある日程…。有利に働く側面はありますか。

「日程はとてもありがたいです。前回は南アフリカ代表戦の4日後に、その日が1試合目というスコットランド代表と試合があった。(日本代表の)疲労が抜けていなくて、あの中で勝てと言うのは負けろというのと同じくらいなものです。今回の日程はとてもよくて」

――上位国が似た特徴を持っていることについては。

「僕らにとっては有利な相手。でかいフォワード。重いフォワード。有利です」

――ワールドカップの盛り上がりについて。なかなか認知度は上がっていませんが。

「これから盛り上がるんじゃないですか。いいタイミングでピークは来ると思います」

――大会の目標は。

「いまはベスト8(が目標)と言われていますけど、正直、その言葉は好きじゃなくて。毎試合、勝って行くのが仕事です。ベスト8は行きたくない。それ以上、行きます」

――どんな大会にしたいですか。

「僕の一番の仕事は強いチームを作って勝つことがメイン。ただ、俺らの戦い見て何を感じるか(も考えている)。勇気ある、覚悟を決めたプレーをする15人、23人を見てもらって、強い日本代表を見せたい。そのなかには外国人選手もいる。これから日本がグローバルになって色々なカルチャーが混ざってゆくなか、(日本代表の)チームワークを見て色々感じて欲しいと思います」

――子どもたちに向けて、日本代表の見どころを語ってください。

「小さい。小さいものがでかいものに勝つ。それが一番、見て欲しいところ。小さくても、でかい相手に勝てる。その勇気のあるプレー、覚悟を見て、学んでほしいです」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

すぐ人に話したくなるラグビー余話

税込550円/月初月無料投稿頻度:週1回程度(不定期)

有力選手やコーチのエピソードから、知る人ぞ知るあの人のインタビューまで。「ラグビーが好きでよかった」と思える話を伝えます。仕事や学業に置き換えられる話もある、かもしれません。もちろん、いわゆる「書くべきこと」からも逃げません。

※すでに購入済みの方はログインしてください。

※ご購入や初月無料の適用には条件がございます。購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。

向風見也の最近の記事