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雷でキックオフ1時間順延も「対応できる」。パナソニック開幕白星。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
対戦したクボタの立川理道キャプテン(左)と(写真は8月7日)。(写真:中西祐介/アフロスポーツ)

 日本最高峰のラグビートップリーグで一昨季まで3連覇中だったパナソニックは、8月19日、クボタとの第1節で45-21と勝利(東京・秩父宮ラグビー場)。

 同会場で2試合あったこの日は、1試合目の途中に雷が鳴ったため前半終了時点で一時中断。東芝とNECとの試合は正味1時間15分、順延し、パナソニックの試合のキックオフ時間も予定より1時間も遅れていた。

 試合後、ロビー・ディーンズ監督と布巻峻介キャプテンが会見。中断などに伴う対応などを語った。

 以下、共同会見での一問一答の一部(編集箇所あり)。

ディーンズ

「まずはワイルドナイツとしてよいスタートが切れたのを嬉しく思っています。チームの雰囲気としては、去年のいま頃よりもよいスタートが切れた。今週はチーム全体で互いにサポートし合いながらできた。それがリザーブの努力にも現れたと思います。

 今日はもしかしたら試合がなくなるかもしれないという状況下、試合ができたのは良かったと思います。もしそうでない場合は(予備日に再試合が組まれるため)お互い9連戦となっていた。今日試合ができたのは良かった」

布巻

「今日の試合をするにあたって、たくさんの人たちがサポートしてくれて、ファンの人たちも残ってくれて。気持ちの面で準備するのが難しかったけど、皆が対応してくれて、いつも通りプレーできたと思います。今年、勝ってスタートできたのは嬉しく思います。次もあるので、このままレベルアップしていきたいです」

――1時間順延を受けて。

布巻

「僕らは試合をしたいというマインドで入ってきたので、早く試合をさせてくれという感じ。その中で時間が早くなるかも、遅くなるかも…というところで、皆に声をかけたのは『いつも通り』ということ。『こんな環境でも対応できるのがパナソニックだから』。ウォーミングアップの前に、そう話しました。キックオフが延びると分かった時点で、ロッカールームではそれぞれがテーピングを外したり、寝っ転がったり、いつものリズムに戻っていた。経験のあるチームなんだな、と思いました」

―― 一番よかったと感じたこと。その理由も。

ディーンズ

「一番、嬉しかったのは、チームの成長を確認できたこと。若手選手では、森谷圭介は後半13分に交代する直前、素晴らしいピック&ゴーからのトライを取った。森谷はフルバックとしても相手のキックをすべてノーバウンドで捕っていた。そうした成長が全体にあったと思います。

 そして今日ワイルドナイツ(パナソニック)でデビューした4人のパフォーマンスにも満足している。サム・ワイクスは、試合中にお腹の調子が悪くなったので交代させましたが、それ以外ではいいプレーをした。多分来週からは、試合前日の食事の場所を変えるのではと思います。

 ルーキーの松田力也のパフォーマンスも目立っていた。真っすぐ縦に切れ込むプレーをしたし、ディフェンスはスクエアに立って相手を倒し切ってくれた。あとは、ディグビー・イオアネも素晴らしい。出場してすぐにインパクトを与えてくれた(自陣で相手を引き付け鋭いパスを放った。その後、福岡堅樹がトライをマーク)。今週月曜に合流したばかりで、毎日雨模様の中で練習をしていて、きょうはこんなプレーをしてくれた。

 もう1人名前を挙げたいのがベリック・バーンズ。彼は今日、ワイルドナイツでの50試合目。素晴らしいパフォーマンスでチームを引っ張ってくれた。

 そしてトップリーグ最初のブロックを勝ってスタートできたのは素晴らしいし、クボタさんもチャレンジしてくれた。ここで厳しい局面を経験できたのは(前半は打ち合いで一時14-14と同点だった)、どんどん相手の強さが上がるなか、いい準備にもなった」

 確固たるシステムをベースに即興性も交えた攻撃で大量得点をマーク。昨季王者のサントリーとともに、開幕を白星で飾った。8月26日は埼玉・熊谷陸上競技場でキヤノンと戦う。熊谷の試合は興行試合とし、グラウンド内外での娯楽性を高めてファンを迎え入れる。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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