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五郎丸の元同僚マット・ギタウ、オーストラリア代表103キャップの準備力とは。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
インサイドセンターとして相手を引き付けてのパスや左足のキックで魅す。(写真:築田 純/アフロスポーツ)

 ラグビーのオーストラリア代表として103キャップ(国際真剣勝負への出場数)を保持するマット・ギタウが、8月18日、加入1年目のサントリーの一員として国内最高峰トップリーグの開幕節に出場(東京・秩父宮ラグビー場)。キヤノンを32-5で下し、共同取材時に信頼される秘訣を暗示した。

 今年6月まではフランス1部リーグのトゥーロンに在籍し、元日本代表の五郎丸歩とチームメイトだった。8月からは前年度のトップリーグで全勝優勝を果たしたサントリーに加わり、献身ぶりをアピールしている。

 五郎丸とのエピソードを交えて明かした、名手の仕事哲学とは。

 以下、共同取材時の一問一答。

――改めて、ラグビーで何が大切か。

「エンジョイすることです。そうすることで仕事以上のものに変わっていく。試合をしている時は楽しみ、たくさんのことを学ぶことが大事」

――プレー中、動きながらのコミュニケーションを取っています。

「意思疎通は大事だと思います。相手が何を考えているかを自分も知らないといけないし、これからは日本語の部分でもレベルを上げていきたい。ラグビーでは事前のコミュニケーションも大事ですが、それは言葉でしかありません。試合のなかで話していることは、直接のアクションに繋がります」

――ヤマハに復帰した五郎丸歩選手について。

「子どもが同じ学校に通っていたので、すごく仲良く過ごしていました。私のもとにも『おめでとう』というメッセージが来ました。私も彼には成功してもらいたい」

――五郎丸選手のゴールキックのフォーム。日本で有名になりました。

「本当に、色んなゴールキックのスタイルがある。彼はワールドカップで素晴らしい功績を残しました。ジョニー・ウィルキンソン(元イングランド代表)など、色んなキッカーのスタイルをまねて、自分のスタイルに落とし込んだのだと思います」

――ご自身の話に戻ります。聞けば合流直後、網走合宿へ向かう機内でチームのサインプレー表をチェックしていたとか。

「できるだけ学ぼうと思ってそうしていました。伝統のある、成功しているチームです。しっかりと準備して練習に向かう。そしてチームに溶け込んでゆけます」

――日本代表入閣経験もある沢木敬介監督は「100キャップを獲っている奴は、サボらない」と話しています。ご自身としてはどう思いますか。

「自分は身体が大きくないので、ハードワークしないといけない。特にサントリーはハードワークと皆で言い合っている。自分も周り以上にハードワークしないといけない。チームのためです。自分は個人で何かすごいプレーができるわけではない。チームにプラスになるプレーをする」

――目標は。

「ゴールは自分が入ったことによってチームが勝てるようになること。去年は全勝優勝していて、今年はより難しいシーズンになる。手助けできるようなことがあれば。これはメンバーでもノンメンバーでも変わりません。チームのためにやる。

 自分は19歳からプロとしてやっていて、たくさんの経験がある。自分の役割は、若いメンバーを手助けすること。パフォーマンスでチームを引っ張るのも大事ですが、若い選手を成長させるのも大きい」

 100キャップホルダーとしてではなく、一個人として「ハードワーク」を誓う。万全の準備と若手へのアプローチにプライドをにじませる。身長178センチと決して大柄ではない34歳が一線級で請われる理由を、シーズン通して証明しそうだ。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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