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サンウルブズ今季最終戦。今季総括の要求に指揮官は「明日」!【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
プロチームとして、顧客満足度のアップを果たせるか。(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

国際リーグのスーパーラグビーに日本から参戦して2シーズン目となるサンウルブズは、7月15日、東京・秩父宮ラグビー場でニュージーランドのブルーズとの今季最終節に挑む。

14日には今季アシスタントコーチから昇格したフィロ・ティアティアヘッドコーチが試合会場で取材に応じ、「シーズンの振り返りよりも、明日何が起こるかという話がしたい」と強調した。

ナショナルチームとの連携強化をテーマに掲げるサンウルブズは、ジェイミー・ジョセフの唱える日本代表に倣ってキックをスペースに配す戦術を遂行。出場過多の懸念される主力選手には日本代表のジェイミー・ジョセフヘッドコーチによる判断などで休息を与えられ、出場メンバーは試合ごとに大きく入れ替わってきた。

7月2日の第15節では、ライオンズを相手に創部史上最多となる94失点を献上。今季の戦績はここまで1勝13敗としている。

以下、単独取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――当日のグラウンドは炎天下となりそうです。選手のコンディションは心配ではありませんか。

「そこは確認事項です。レフリーには、ウォーターブレイクをちゃんと取るように促したいです。できる限りのことはやり尽します。気温に対してチャレンジが必要なのは、お互いにとって平等です」

――ブルーズ戦は、どの点で上回って勝ちたいですか。

「(笑って)いい質問です。南アフリカでは(ライオンズ戦などの)タフな遠征がありました。中断期間の6月はクボタグラウンド(千葉)で、暑い中での準備となりました。選手によっては(日本代表としての)テストマッチを終えて間もなく合流した選手もいた。

…相手が何をするかより、我々が何をするかが大事だと思っています。時差が違うなか、その調整とも戦ってきて、毎週、トップクオリティのチームと対戦…。選手はその機会を楽しみにしています」

――国民の多くは、結果でしか状況がわからない。そのあたりはどうお考えですか。

「ファンの方には結果を見る方もいる。それはコントロールできない。サンウルブズのスタイルをどんどんできるようにはなっている。シーズン後にはレビューをおこないます。どう向上できるのかを話し合っています。そのプロセスには、心待ちにしている思いです」

――毎回メンバーを入れ替えて戦わなければならなかった状況は。

「そこは事前に決まっていたことなので」

――事前にわかっていたことを実際にやってみて、何か気づいたことはありますか。

「しょうがないことと思っています。コーチ陣が与えられたカードのなかで選んでいく…。

きょうはシーズンの振り返りよりも、明日何が起こるかという話がしたいと思います。ブルーズは秩父宮で初めて試合をします。ニュージーランド代表の選手がたくさん来てくれています。彼らがどうサンウルブズに挑むかを楽しみにしています」

――確かに、相手にはいいランナーがいっぱいいます。

「その通りです」

――今週のトレーニングに臨んだ選手、やや疲れているような。要因は。

「本当にそういう趣旨の質問ですか? …時差のあるなか移動している。それが要因かもしれません」

前年度の1勝1分13敗を上回るには勝利がマスト。戦前の段階での総括を好まないボスは、当日の80分でどんなタクトを振るうのか。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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