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立川理道&堀江翔太が復帰。ジェイミー・ジョセフヘッドコーチが抱く期待。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
今度の先発でキャップ(テストマッチ出場数)2桁台の選手は堀江、立川を含め計4人。(写真:アフロ)

ラグビー日本代表は5月6日、東京・秩父宮ラグビー場で香港代表とのアジア・ラグビーチャンピオンシップ(ARC)第3戦目に挑む。メンバーを発表した3日、ジェイミー・ジョセフヘッドコーチが都内の練習場で取材に応じた。

ジャパンと同種の戦術を採用するサンウルブズが、国際リーグのスーパーラグビーへ参戦中。ARCへは若手中心の編成で臨んでいる。4月22、29日には韓国代表に47―29、80-10と2連勝(場所はそれぞれ仁川・南洞アジアードスタジアム、秩父宮)。サンウルブズの主力組がこの試合で復帰を果たすことなどが、注目点とされる。

以下、共同取材時の一問一答(編集箇所あり)。

――香港代表戦でチームに期待することは。

「このまま継続する。対戦相手が変わるだけで、自分たちのブランドは変わらない。先週の戦いが良かっただけに、チェンジを図るのは難しかった。ただ、もっと大きな全体像を見て選手たちを育成している。だから先週のパフォーマンスが良くても、チェンジすべき点はチェンジしました」

先週のゲームから先発メンバーは7名、控えは4名、それぞれ入れ替わった。

なかでも注目されるのは、昨秋のツアーで共同キャプテンを務めた立川理道と堀江翔太。いずれもサンウルブズの主力候補だったが、今回が離脱後初の実戦復帰となる。

怪我から復帰した立川は先発のインサイドセンターに入り、ゲームキャプテンも務める。指揮官の意向で休息を与えられた堀江は控えのフッカーに回り、出番を伺う。

取材時は、代表デビューを飾るアウトサイドセンターの鹿尾貫太、これまでインサイドセンターだった松田力也についての質問も飛んだ。

――29日の試合ではインサイドセンターでした。複数のポジションをプレーして欲しいとお考えですか。

「彼に限らず、複数のポジションをプレーできる選手がいたら、それはチームにとって貴重な存在です。ただ、自分の見解だと、彼のベストポジションは10番(スタンドオフ)です」

――ゲームキャプテンは立川理道選手。復帰初戦です。

「流大にキャプテンとして引っ張ってもらっていましたが、ここで一息ついてもらいます。ハルがジャパンのキャプテン。リーダーとしての役割を果たすというところになじんでもらうために、今回はこの形になりました」

――フッカーの堀江翔太選手もリザーブで復帰。

「フッカーでは日野剛志もアルゼンチンに行きました。堀江にとっては久々の試合。まだ若干、鈍いプレーになると思いますが、もともと優秀な選手です。両サイドのプロップにつくのは、将来有望な若手選手。双方にとっていい影響があると思います」

――東海大学4年の鹿尾貫太選手が初先発です。期待するのは。

「エナジー。特にディフェンスでのエナジーです。東海大学やジュニア・ジャパンでの彼のプレーを観ましたが、私が日本に来てから見たバックスで最もいいディフェンダー。ただ、このレベルでそれができるのかが、彼にとってのチャレンジです」

――アドバイスは与えましたか。

「週の頭は彼に与える役割をしっかりと理解してもらうのですが、彼にとっては初試合です。アドバイスは与えすぎると情報が多すぎて、頭がパンパンになってしまいます」

――昨季まで大学選手権8連覇中の帝京大学にいた松田力也選手は、本職のスタンドオフに入ります。

「(これまで先発していた)小倉順平がサンウルブズ参加のためにアルゼンチンへ行きました。松田はそのポジションを与えられるに値する選手でした。彼はポテンシャルの高い選手です。与えられたポジションの役割を担って欲しいです」

取材後は、先発するフロントロー陣によるスクラムの確認作業に立ち合い。全体的な練習の指導をアシスタントコーチに任せながら、気づいた点は事細かに指摘する。「大きな全体像」をイメージしながら、繊細な指導を続ける。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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