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日本代表ヘッドコーチと同じ名前。サンウルブズ追加招集の「JJ」ってどんな人?【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
こちらは日本代表ヘッドコーチの方の「JJ」。(写真:FAR EAST PRESS/アフロ)

ジェイミー・ジョセフヘッドコーチと不思議な縁で結ばれるニュージーランド人ランナーが、日本代表入りへの準備を本格化させる。

国際リーグのスーパーラグビーに日本から参戦するサンウルブズが2月28日、日本のサニックスでプレーするジェイミー・ジェリー・タウランギを追加招集すると発表。3月4日の第2節(対キングス)に向けた遠征メンバーにも選ばれた。

ジェイミーという名は、当時のニュージーランド代表だったジョセフにちなんで父がつけたもの。ジョセフ率いる日本代表に、ボスと同じ名の23歳が名乗りを挙げる。ちなみに愛称も「本家」と同じ「JJ」だ。

身長180センチ、体重93キロのサモア系ニュージーランダー。19歳からオーストラリアへ渡り、2014年にはレッズの一員としてスーパーラグビーの公式戦12試合に出場した。今季は日本のサニックスに加わり、フルバックとして11試合でプレーした。ロングキック、強靭かつ柔軟な走りで魅せる。

2月18日には、福岡・ミクニワールドスタジアム北九州でのサンウルブズの壮行試合に出場。トップリーグ選抜のフルバックとして持ち味を発揮していた(24―12でサンウルブズが勝利)。

25日の開幕戦でハリケーンズに17-83と大敗したサンウルブズに、エナジーを注入するか。壮行試合の後に応じた単独取材から、その意気込みが伝わる。

以下、一問一答の一部(編集箇所あり)。

――きょうの試合、いかがでしたか。いい走りも多かったですが。

「タフな試合でした。きょうは本当に楽しもうという心構えでした。残念ながら負けてしまいましたが、チーム全体で楽しんでいいプレーができた」

――日本代表のジョセフヘッドコーチと同じ名前ですね。

「お父さんがジェイミーの大ファンで、自分の名前もジェイミーさんが由来です。私自身、You Tubeで彼のプレーを観ました。ハードワークする選手だと思う。自分もそういうプレーヤーになれたらと思います」

――日本代表入りへの意志は。

「いつかのワールドカップでジャパンのジャージィを着られたら、家族も喜ぶと思います」

――ニュージーランドに住む男子は、誰もがオールブラックス(同国代表)に憧れるものですが…。

「もちろん、ニュージーランドにはオールブラックスを目指す文化がある。しかし、いまは日本でプレーするチャンスをもらっている。これを無駄にせず、成功したいと思います」

――今度のトップリーグ選抜の指揮官も、日本代表ヘッドコーチのジョセフさんでした。

「試合前にいろいろなアドバイスをもらいました。自分の課題、チームの中でどう活躍すべきかを伝えてくれていました」

――サンウルブズ入り、期待されています。

「もしチャンスがあれば、オファーをいただきたい。サンウルブズの選手としてプレーしたい気持ちもあります」

ちなみに日本代表入りの条件は、原則として「日本での連続居住3年以上」「他国での代表歴なし」である。2016年夏に来日したジェイミーがジャパン入りを果たすのは、早くとも2019年のワールドカップ日本大会の直前となる。

もっともサンウルブズは日本代表と同種の戦術を採用しており、タウランギが選ばれ続ければジャパン入りするより先にジャパンの戦いになじむことができる。早速、今度の遠征から、グラウンド内での規律に触れたい。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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