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「笑コラ」出演サントリー江見翔太、2年連続トライ王で世界へ。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
写真中央が江見。インドネシアはジャカルタ出身。(写真:伊藤真吾/アフロスポーツ)

日本最高峰のトップリーグは8月26日、開幕する。前年度にトライ王となったサントリーの江見翔太は、プレシーズンマッチで好調を維持。日本代表入りへの決意を明かす。

8月12日、本拠地の東京・東芝グラウンド。同じ府中市で活動する東芝との練習試合に先発し、3トライを奪取。40―14で勝利後、単独取材に応じた。

身長180センチ、体重95キロのウイングで、入部3季目の24歳。守備網を突き破るランを持ち味とする。関東大学対抗戦Bに所属する学習院大学時代から、7人制日本代表となるなどその才気が買われていた。2年目の昨季に出番を獲得し、18チーム中9位と低迷するチームにあって6トライを決めてタイトルを奪った。

今春は、日本テレビの人気番組『1億人の大質問!? 笑ってコラえて!』の街頭インタビューがOAされたことでも話題を集めた。

以下、東芝戦後の一問一答(編集箇所あり)。

――調子、よさそうですね。

「おかげさまで合宿からずっと試合に出させてもらっていて、チームに求められているものは多いんですけど、チームのなかのウイングの役割が何かが沢木さん体制のなかで明確になって来た。スペースを見つけて、その情報を内側に伝えてアタックする。ディフェンスでも、チームがどういうディフェンスをしたらいいかを早めに発信しないといけない。それが、ウイングの役割かなと思います。コミュニケーションが大事になります」

――連携を支えるコミュニケーション。いつから意識するようになりましたか。

「去年から試合に出させてもらったのですが、当時は出ることに一生懸命で、チームとしてどう勝つかをあまり考えられなかった。ただ今年からは、そう考えなきゃいけないようになった。ウイングも当たり前に出られるポジションではない。外国人選手も、足の速い選手もいる。そこでどう差別化を図るかと言ったら、いま言ったようなコミュニケーションが求められてくる」

――東芝戦では、持ち場とは逆の右側の攻撃ラインに入ってのトライも決めました。

「フェーズ中、常に(スタンドオフの小野)晃征さんの周りに回り込んで…あとは強みを生かしてゴールラインを破ってやろう、と」

――パスをもらうや、一気に守備網を突き破りました。力強い走りです。

「そこは、サントリーに入った当初から自信を持って行きたいところでした。そんななか、自分の課題点はディフェンスだった。そこは徐々にですけど、改善してきた。ここはシーズンを通してもステップアップしていきたいです」

――『笑ってコラえて』の反響は。

「ハハハ! 皆、観ているものですね。僕は『出るかもしれない』とも言っていなかったのに。できることなら穏便に済ませたかったのですが、シェアをされ、広まって…」

――改めて、個人目標を。

「試合に出続けたい。そうでないと、面白くないですし。去年は試合数が少なく(リーグ戦は7試合のみ)、トライ王になりました。今年も競争して結果を出し続けられれば…。やっぱり、スーパーラグビーは興味があるので。代表を含め、その先の目標に繋がっていけばいいかなと思います」

――スーパーラグビー。日本からサンウルブズが初参戦しています。

「(2月におこなわれた壮行試合で)トップリーグ選抜の一員として戦ったり、試合も観させてもらった。サントリーの同期の垣永(真之介)も入っていますし、刺激をもらって…。スーパーラグビーは高校時代から観ていて、真似をしたいプレーヤーもいた。昔はクルセイダーズにいたケーシー・ラウララのアタックをイメージしたり、いまはハリケーンズのジュリアン・サヴェアなどオールブラックス(現ニュージーランド代表ウイング)も観ている。そういう外国人選手のプレーは参考になります。自分もそこで試合ができれば」

――フィジカリティと突破力を長所にする日本人ウイング、いまは少ないかもしれません。

「そうですね。うちにいるナイジェル(アーウォン、ブランビーズからサントリーに加入した大型ウイング)もそういうタイプですが、僕らにとってはいい影響を与えてくれる存在。吸収できるものは吸収したい。その強みのボールキャリー(球を持って前進するさま)を活かすためにどんな動きをしているのか、どうハイボールをキャッチにしているのか…。大きいウイングということで僕とはキャラかぶりなところもありますが、お互いに成長していけたらと思います」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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