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サンウルブズ エドワード・カーク。古巣相手にスーパーラグビー50キャップ【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
ひげはチームカラーのオレンジに染め上げている。(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

世界の強豪クラブが集うスーパーラグビーに日本から初参戦するサンウルブズにあって、5月21日、今回初来日のエドワード・カークが古巣のレッズを相手に同リーグ通算50試合目の出場(50キャップ)を記録。オーストラリアはブリスベンのサンコープスタジアムには、地元の友人や親族が柔道着姿で応援に駆け付けていた。

身長191センチ、体重101キロの25歳。密集戦での球への絡み、豊富な運動量でチームを救っている。過去にはレッズで39試合に出場してきたが、前年度は怪我の影響で契約に至らず。新たなチャレンジの一環で今シーズン初来日し、ここまで全試合に出場中だ。

スーパーラグビーのシーズン終了後も、日本でのプレーを希望している。20歳以下オーストラリア代表への選出経験はあるが、母国などでの代表キャップは保持しておらず、3年以上の国内居住でジャパン入りの資格を得られる可能性が高い(日本代表ナンバーエイトのアマナキ・レレイ・マフィはトンガの年代別代表に入ったことがある)。

試合は後半15分に25-25の同点に追いつくなど食らいついたが、25-35で屈した。スクラムやラインアウトの防御で苦しめられ、攻め込んでのミスも重なった。

以下、試合後の取材時のカークの一問一答(編集箇所あり。※は当方質問)

――熱量の伝わる試合でした。

「速く、激しいプレーが自分の持ち味なので、毎回それを出そうとしています。ただ今日は、いつも以上の激しさを出そうと思っていました。レッズのメンバーとは17歳の頃から一緒にトレーニングをしている。特徴も熟知している。その意識をもとに、思い切り戦っただけです」

――レッズへの復帰、サンウルブズでの契約延長。どちらに向けてアピールするつもりだったのか。

「特にどちらにというものはありません。今回はスーパーラグビー50キャップ目の試合でした。ここまで怪我が多かったり、色々な苦労を抱えてきた。特別なゲームだったのは間違いないです。家族、友人もたくさん、来てくれました。サンウルブズで、その時、その時を大切にしている。素晴らしいコーチング、マネジメントのもとでプレーできているということは、非常に嬉しいです。この先も日本でプレーし続けられたら、最高です」

――柔道着姿のファンは。

「衣装はきょうだい達が準備してくれていて。自分が日本でプレーしていることを彼らは喜んでいる。応援歌も作って練習していたみたいです。あのなかに日本人は1人もいなくて、全員がオージー。あのような熱いサポートをしてくれて、とても嬉しいです」

――この試合でよかった点と悔やまれる点は(※)。

「部分、部分で勢いがなくなったところがあります。我々はボールキープができれば危険なチームだということは、ご存知の通りだと思います。ただ、その危険な攻撃も時々では意味がなくて…。チャンスを逃したところもありました。ただ、毎回思うのは、サンウルブズのメンバー全員が100パーセント、出し切っている。そこの努力や意気込みを疑ったことは一度もありません。きょうの教訓を次に繋げられると信じています」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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