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ワールドカップ出場&大学V7へ「チャンスある」と帝京大・坂手淳史新キャプテン【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
クラブハウスの前で笑顔を作る。好タックルの秘訣は「ポジショニング」と即答する。

大学選手権6連覇中である帝京大学の坂手淳史新キャプテンが、溌剌とした口ぶりで決意を語った。

昨季、チームは大学日本一となるだけでなく、日本選手権で国内最高峰のトップリーグ勢であるNECを31-25で下している(2月8日/東京・秩父宮ラグビー場)。学生スポーツ界で有数の注目株となるなか、岩出雅之監督は「学生で優勝、社会人をクリア。その両方に必要な努力をしていく」と語っている。

新たに船頭役となる坂手は、タックルと精神の強靭さが評価される、身長180センチ、体重104キロのフッカーである。

大学2年目のシーズンを控える2013年3月12日~4月7日には、代表の登竜門とされた「ジュニア・ジャパン」の一員となりパシフィックラグビーカップに参戦。スーパーラグビー(南半球最高峰リーグ)の予備軍とぶつかった。トップリーグの選手を差し置き、6戦中3戦目から4試合連続でスターティングメンバーとなり、「自分で言うのはおかしいですが、最後まで諦めないところを見てもらえたんだと思います」と振り返った。

エディー・ジョーンズヘッドコーチ率いる日本代表にもしばし練習生として参加。現在、宮崎で合宿中のワールドカップイングランド大会(9月)への候補メンバーからは外れているが、本大会出場への意欲は保っている。

4月24日、東京・帝京大学グラウンド。法政大学との関東大学春季大会初戦を121-0で制した。

以下、後半4分まで出場した坂手の一問一答。

――まず、きょうの試合の感想から。

「チームが始動して約1ヶ月半。これまでやってきたことを試合で出そうと臨んだのですが、最初に受けてしまうところがあった。そこでのフォワードのコミュニケーション、ディフェンスのコミュニケーションなど、改善点はある。ただ、全体的には集中力をもってやれたと思います」

――「これまでやってきたこと」とは。

「ベーシックなところです。基本プレー、ディフェンスで素早くセットする(所定の位置につく)こと、タックルすること…」

――密集へも頭をねじ込む。

「そこも、基本プレーをやろうとして、それが出たということだと思います。とにかくAチーム(主力チーム)のレベルを上げたいと思いますし、監督もそう仰られている」

――どんどん相手との点差が離れていく。これはこの日に限ったことではありません。そんななか、何と戦っているかを改めて教えてください。

「相手を自分たちに置く。まず、自分たちがどういうプレーをしたいのか、それはできているのか…。そう(思うように)すれば、相手は関係なくできます」

――キャプテンとしては。

「まだまだわからないことだらけ、甘いキャプテンですが、皆に助けられています」

――2月下旬から約3週間、スーパーラグビーのクルセイダーズの本拠地で留学しました。

「ゲームには出られなかったのですが、クルセイダーズやクルセイダーズのナイツ(予備軍)と練習をしました。そのなかで、コンタクトでそれほど強いと感じることはなかったのですが、上手かった。タックルでは(ランナーを自分の懐へ)引いて倒す、ですとか…」

――日本代表入りへは。

「ワールドカップへのメンバーへは選ばれていない。そこには何か問題があるということで、それが何かは自分でもわかっている。まだまだチャンスはあると思うので、しっかりやっていきたいです」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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