森保監督への「イジメ」は、もうやめよう。ズレている論点と危険なリテラシーの低さ。
イジメ、格好悪い。
これは私が小学生の時に習った言葉だ。そもそも、イジメなんて、あるべきではない。そんなこと、誰もが分かっている。
それでも、イジメは起こる。イジメが起こるのは、「閉鎖的な空間」と「ヒマ」が大きな要因だ。皆、退屈なのだろう。問題は、その矛先が、日本代表というトップに向かっている点だ。
■森保バッシング
森保ジャパンに関して、ネガティブな報道が続いている。森保ジャパン、というより、刃が向けられているのは森保一監督だ。
メディアだけではなくファンも巻き込み、「森保バッシング」は止まらない。むしろ、勢いを増している。
2022年のカタール・ワールドカップに向けたアジア最終予選で、日本は初戦でオマーン相手に不覚を取った。
確かに、あれは失態だったと言えるかも知れない。だが、その後、アウェーのサウジアラビア戦(×0―1)を除き、日本は5勝を挙げている。チームは間違いなく持ち直した。
森保監督が日本代表の監督に就任して以降、その勝率は70%を超えている。歴代指揮官の中でもダントツの数字だ。
「勝つだけでは物足りない。良いサッカーをするべきだ」という論は理解できる。それはさながら、バルセロナの哲学のように。が、現在の代表は、勝ってもダメ、負けてもダメ。とにかく森保監督は叩かれる。これでは、イジメと何も変わらない。
本当に、森保ジャパンは、それほどまでに悪いのだろうか?
日本人監督であるがゆえに、叩かれているきらいもある。しかしながら、いずれにせよ、確かなのは現時点できちんとした検証が必要だということだ。
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■5バックの相手に
まずはベトナム戦を振り返る。
ベトナムは5バックを敷いてきた。【5−3−2】で守備のブロックを築いてきたのだ。
日本は守田英正が左のサイドバックとセンターバックの間に下がり、そこで起点を作った。これはレアル・マドリーでトニ・クロースがやっているような役割だ。
左サイドは守田が下がって起点になった。そして逆サイドの右サイドに関しては、スピードのある伊東純也がワイドに張り、サイドバックの山根視来がインナーラップで内側を突く。左サイドの攻め方と右サイドの攻め方。複数のパターンが準備され、そこには一つの可能性を感じた。
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