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久保建英にアーセナル移籍の可能性?ウーデゴールの「後釜」と信憑性の検証。

森田泰史スポーツライター
ヘタフェの久保建英(写真:ムツ・カワモリ/アフロ)

久保建英に、アーセナルが関心を寄せているという。

久保は今季、レアル・マドリーからビジャレアルにレンタル移籍した。だがビジャレアルで思うように出場機会を得られず、1年のレンタル期間を短縮して、今冬の移籍市場でヘタフェに加入。ホセ・ボルダラス監督の下、1部残留を目指すヘタフェで鎬を削っている。

久保はヘタフェ移籍後、リーガエスパニョーラで15試合に出場している。出場可能18試合のうち、15試合だ。ただ、先発したのは6試合。ヘタフェにとって1部残留へ向けた「決戦」となったリーガ第32節ウエスカ戦(○2-0)では出場時間ゼロだった。

アーセナルのサカとウーデゴール
アーセナルのサカとウーデゴール写真:代表撮影/ロイター/アフロ

現在、アーセナルではマルティン・ウーデゴールがプレーしている。ウーデゴールは今冬の移籍市場でレアル・マドリーからアーセナルにレンタルで移籍。ミケル・アルテタ監督の信頼を勝ち取り、アーセナルで主力になっている。

久保のアーセナル移籍報道においては、ウーデゴールの代役に久保を据えるプランがアーセナル側にあるということだった。ただ、実は久保とウーデゴールが絡められるのは、これが初めてではない。今夏、ウーデゴールのレンタルバックによるマドリー復帰が決まった際、レアル・ソシエダが久保の移籍先として浮上した。ソシエダにウーデゴールの後釜として久保を確保する考えがあるという同じ流れだった。

なので、ここではソシエダ、アーセナルのプレーを紐解きながら、もう一度久保のプレースタイルを深堀りしていこうと思う。

パスを送るダビド・シルバ
パスを送るダビド・シルバ写真:ムツ・カワモリ/アフロ

■レアル・ソシエダのチームスタイル

まずは、ソシエダだ。

イマノル・アルグアシル監督は【4-3-3】を基本布陣としている。今夏、フリートランスファーで獲得したダビド・シルバが攻撃の中心だ。右のインサイドハーフに左利きのプレーメーカーを入れる、という選手の起用法は確かに久保への関心があったことをうかがわせる。

現在のソシエダの主軸はD・シルバ、ミケル・オジャルサバル、そして意外にナチョ・モンレアルだろう。この3選手のうち、2選手がいない時、ソシエダの勝利の可能性は格段に下がる。

右のインサイドハーフでD・シルバがボールを握り、逆サイドの左をオジャルサバルとモンレアルのランニングで攻略するというのが、ソシエダの勝ちパターンだ。

(ソシエダとD・シルバーモンレアルーオジャルサバルの動き)

久保という選手を考察するにあたり、右ウィングと右インサイドハーフに焦点を当てるのは有益だ。私は、以前このコラムで久保を左サイドに置くプランを提示した。そして、トップやトップ下の可能性を模索してきた。だが、現状、久保はヘタフェで非常に使い勝手の悪い選手になってしまっている。彼は、世間一般で思われているほどには、戦術的な適応能力が高くないように思う。

そこで、いま一度、久保の最適ポジションを考えてみる。

ソシエダにフォーカスしているところで、久保の右インサイドハーフに再び思考を巡らせる。例えば、ウーデゴールは、ソシエダで右インサイドハーフから右のウィングのポジションに流れて自由を得ていた。一方、D・シルバは、もっとトップ下のポジションに接近してパスを受け攻撃を操っている。

(ソシエダ時代のウーデゴールのポジション)

この観点でいえば、やはり久保はD・シルバに近い。サイドに流れるより、中央に入ってきて味方とコンビネーションしながら危険なシーンを演出するタイプだ。ただ、D・シルバには守備の強度と高いプレーインテンシティがあり、いまの久保にはそれが足りない。そこは補足しておきたい。

(全3001文字)

■ボールを握るアーセナル

次に、アーセナルである。

アルテタ監督は【4-2-3-1】でウーデゴールをトップ下に置いている。端的に、久保を配置するなら、このポジションだろう。

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スポーツライター

執筆業、通訳、解説。東京生まれ。スペイン在住歴10年。2007年に21歳で単身で渡西して、バルセロナを拠点に現地のフットボールを堪能。2011年から執筆業を開始すると同時に活動場所をスペイン北部に移す。2018年に完全帰国。日本有数のラ・リーガ分析と解説に定評。過去・現在の投稿媒体/出演メディアは『DAZN』『U-NEXT』『WOWOW』『J SPORTS』『エルゴラッソ』『Goal.com』『ワールドサッカーキング』『サッカー批評』『フットボリスタ』『J-WAVE』『Foot! MARTES』等。2020年ラ・リーガのセミナー司会。

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