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なぜレアルの「カンテラ出身選手」は強いのか?ジダンがL・バスケスに信頼を置く理由。

森田泰史スポーツライター
ベンゼマとL・バスケス(写真:ムツ・カワモリ/アフロ)

スペインは育成大国だといわれている。その中で、カンテラ(下部組織)は重要な役割を果たしてきた。

レアル・マドリーのカンテラ出身選手は強い。この夏、マドリーを去ったアクラフ・ハキミ(インテル)やセルヒオ・レギロン(トッテナム)は新天地で活躍している。

彼らだけではない。

アルバロ・モラタ(ユヴェントス)、マルコス・ジョレンテ(アトレティコ・マドリー)、マリオ・エルモソ(アトレティコ)、ダニ・パレホ(ビジャレアル)、デニス・チェリシェフ(バレンシア)、ロドリゴ・モレノ(リーズ)、ホセ・カジェホン(フィオレンティーナ)、マルコス・アロンソ(チェルシー)、フアン・マタ(マンチェスター・ユナイテッド)、パブロ・サラビア(パリ・サンジェルマン)といった選手たちが国内外で鎬を削っている。

筆者作成
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■スペインの選手の特徴

現在のマドリーで、カンテラ出身選手としてはダニ・カルバハル、ナチョ・フェルナンデス、カゼミーロ、マリアーノ・ディアス、フェデリコ・バルベルデ、ルーカス・バスケスが在籍している。

なかでも、ジネディーヌ・ジダン監督が信頼を置いているのはL・バスケスだろう。ジダン監督に限らず、サンティアゴ・ソラーリ前監督も彼を重宝していた。「ルーカスには、ある特徴がある。私がスペインの選手を見る時に最も評価しているポイントで、それはつまり競争的かつ勇敢であるということだ」とはソラーリ前監督の弁である。

競争的で勇敢。だがL・バスケスが歩んだ道のりは平坦ではなかった。同世代には、モラタ、チェリシェフ、サラビア、ファビーニョ、ヘセ・ロドリゲスがいた。

カスティージャ(Bチーム)でL・バスケスを指導したアルベルト・トリル監督は「最初は不安定だった。ファビーニョ、ヘセ、チェリシェフの方が彼より成熟した選手だった。だがカンテラでは時機を待つというのを知らなければいけない。彼はそれが分かっていた」と語っている。

ユヴェントスでプレーするモラタ
ユヴェントスでプレーするモラタ写真:ロイター/アフロ

■売却の方針

マドリーのフロレンティーノ・ペレス会長はビジネスマンである。

良い選手であろうと、マドリディスタに愛されていようとも、タイミングが合えば高値で売る。それがペレス会長のやり方だ。

先述したアクラフ(移籍金4000万ユーロ/約48億円)とレギロン(移籍金3000万ユーロ/約36億円)を含め、多くのカンテラーノに高額な移籍金が発生している。

筆頭はモラタだ。2014年夏に移籍金2200万ユーロ(約26億円)でユヴェントスに放出され、一度買い戻されたのち、2016年の夏に移籍金6600万ユーロ(約79億円)でチェルシーに売却された。そしてジョレンテ(移籍金3000万ユーロ/アトレティコ)、ヘセ(移籍金2500万ユーロ/パリ・サンジェルマン)がランキングのトップ5に入る。

2009年に第二次ペレス政権が発足してから、30名以上のカンテラーノが売却された。競争的で勇敢である選手を欲するクラブは後を絶たず、マドリーには逞しい選手が集まってきている。

スポーツライター

執筆業、通訳、解説。東京生まれ。スペイン在住歴10年。2007年に21歳で単身で渡西して、バルセロナを拠点に現地のフットボールを堪能。2011年から執筆業を開始すると同時に活動場所をスペイン北部に移す。2018年に完全帰国。日本有数のラ・リーガ分析と解説に定評。過去・現在の投稿媒体/出演メディアは『DAZN』『U-NEXT』『WOWOW』『J SPORTS』『エルゴラッソ』『Goal.com』『ワールドサッカーキング』『サッカー批評』『フットボリスタ』『J-WAVE』『Foot! MARTES』等。2020年ラ・リーガのセミナー司会。

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