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レアルの「621億円」の補強の結果は?C・ロナウドとベイルが抜け、「プランB」は不在に。

森田泰史スポーツライター
ジダン監督とモドリッチ(写真:なかしまだいすけ/アフロ)

クリスティアーノ・ロナウドが抜けた穴は、大きかった。

それも当然だろう。C・ロナウドはレアル・マドリーに在籍した9年間で公式戦438試合450得点を記録した。1試合平均1.02得点というペースでゴールを量産していたのだ。

フロレンティーノ・ペレス会長は2018年夏にC・ロナウドの売却を決断した。買い手となったのはユヴェントスだった。移籍金1億ユーロ(約120億円)で移籍が成立したが、当時33歳という年齢に顧みて、マドリーとしては素晴らしいビジネスであった。

筆者作成
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■変わらない主力

あれから3年以上が経過した。だがマドリーはポスト・クリスティアーノ時代に答えを見つけられていない。

C・ロナウドが去ってから、マドリーは補強に5億1700万ユーロ(約621億円)以上を投じている。2019年夏に3億5500万ユーロ(約426億円)、2018年夏に1億6275万ユーロ(約195億円)が費やされた。

しかし、その間にレギュラーポジションを奪取したのはGKティボ・クルトゥワとフェラン・メンディのみだ。ジネディーヌ・ジダン監督は、チャンピオンズリーグで3連覇を達成したメンバーを変わらず信頼している。

エース継承者として期待されていたベイルはマドリーで不発に終わった。「決勝の男」として名を馳せたが、最後までマドリディスタの愛と信頼を勝ち取れず、度重なる負傷とジダン監督との意見の相違で道を分かつことになった。

写真:ロイター/アフロ

■守護神の交代

第一次ジダン政権のラストシーズンは2017-18シーズンだった。その時の主力15選手のうち、10選手が現在もジダン監督の「核」となっている。

そのなかで、ジダン監督の大きな変化は正守護神の交代だった。ジダン監督はGKケイロール・ナバスに絶大な信頼を置いていた。17-18シーズン、K・ナバスを擁護するため、ケパ・アリサバラガの獲得を見送った経緯がある。そのジダン監督が、断腸の思いでK・ナバスを切り、クルトゥワを正GKに据えた。

一方、純粋にポジション争いで勝ったのがメンディだろう。移籍金4800万ユーロ(約57億円)でリヨンから加入したメンディは左サイドバックとしての能力の高さを見せつけた。フィジカルベースの高さはさることながら、オーバーラップとインナーラップを使いこなし、外側と内側の走り分けでウィングの選手を助けるプレーでアドリブ的なマドリーの攻撃にアクセントをもたらす存在になった。

C・ロナウド、ベイル、K・ナバス、マルセロ、そしてイスコ。2017-18シーズンの頃と比較して、この5選手が主力から外れた。イスコについては、今冬の移籍市場における移籍の憶測が流れ続けている。リーガ11試合出場(先発3試合/出場時間358分)と出場機会が減っている。

ジダン・マドリーは2016-17シーズンにドブレテ(2冠)を達成した。リーガとチャンピオンズリーグを制した。その時はアルバロ・モラタやハメス・ロドリゲスの活躍があった。Equipo B(エキーポ・ベー)、つまりBチームが強かったのだ。ただ現在、プランBが機能しているとは言い難い。巨額の補強資金に、エースの穴埋めと、プランBの確立とが見合っていない。そこにマドリーの問題は潜んでいる。

スポーツライター

執筆業、通訳、解説。東京生まれ。スペイン在住歴10年。2007年に21歳で単身で渡西して、バルセロナを拠点に現地のフットボールを堪能。2011年から執筆業を開始すると同時に活動場所をスペイン北部に移す。2018年に完全帰国。日本有数のラ・リーガ分析と解説に定評。過去・現在の投稿媒体/出演メディアは『DAZN』『U-NEXT』『WOWOW』『J SPORTS』『エルゴラッソ』『Goal.com』『ワールドサッカーキング』『サッカー批評』『フットボリスタ』『J-WAVE』『Foot! MARTES』等。2020年ラ・リーガのセミナー司会。

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