Yahoo!ニュース

グアルディオラの偽CBとデ・ヨングのセンターバック化に見る、新たな戦術トレンドとは?

森田泰史スポーツライター
センターバックでプレーしたデ・ヨング(写真:ロイター/アフロ)

センターバックの選手は、過小評価される傾向がある。

最後にセンターバックがバロンドールを受賞したのは2006年に遡る。ユヴェントスとイタリア代表で活躍したファビオ・カンナバーロが、栄冠に輝いた。

近年では、フィルジル・ファン・ダイクが世界最高のセンターバックとして名を馳せた。リヴァプールは2018年1月の移籍市場で、移籍金8400万ユーロ(約101億円)を支払いファン・ダイクを獲得した。

DF史上最高額選手となったファン・ダイクだが、期待に応えるパフォーマンスを見せる。2017-18シーズン、リヴァプールはチャンピオンズリーグで決勝に進出。そして、2018-19シーズン、同大会を制してビッグイヤーを掲げた。ファン・ダイクの貢献は計り知れなかった。

■グアルディオラの偽CB

ユルゲン・クロップ監督が先んじてファン・ダイク獲得を決断した一方で、ディフェンスラインにおいて「実験」を続けてきた指揮官がいる。ジョゼップ・グアルディオラ監督だ。

グアルディオラは、この数年で偽センターバックを試してきた。ただ、彼がディフェンダーを軽視しているわけではない。真逆だ。事実、カイル・ウォーカー(移籍金5670万ユーロ/約68億円)、ジョン・ストーンズ(5560万ユーロ/約66億円)、アイメリク・ラポルテ(契約解除金6500万ユーロ/約78億円)といった選手を高額で獲得している。

その中で、グアルディオラはフェルナンジーニョやロドリ・エルナンデスを偽センターバックで起用してきた。

画像

フェルナンジーニョやロドリはボランチを本職としている選手だ。彼らをCB起用すれば、当然、ビルドアップの面でアドバンテージを得ることができる。後方からの球出しが円滑になるのだ。

画像

この記事は有料です。
誰かに話したくなるサッカー戦術分析のバックナンバーをお申し込みください。

スポーツライター

執筆業、通訳、解説。東京生まれ。スペイン在住歴10年。2007年に21歳で単身で渡西して、バルセロナを拠点に現地のフットボールを堪能。2011年から執筆業を開始すると同時に活動場所をスペイン北部に移す。2018年に完全帰国。日本有数のラ・リーガ分析と解説に定評。過去・現在の投稿媒体/出演メディアは『DAZN』『U-NEXT』『WOWOW』『J SPORTS』『エルゴラッソ』『Goal.com』『ワールドサッカーキング』『サッカー批評』『フットボリスタ』『J-WAVE』『Foot! MARTES』等。2020年ラ・リーガのセミナー司会。

森田泰史の最近の記事