久保建英はビジャレアルでレギュラーを奪取できるのか?エメリのビジャレアルが抱える矛盾。

エメリ監督の指示を受ける久保(写真:ムツ・カワモリ/アフロ)

2020-21シーズンのリーガエスパニョーラが開幕した。

注目チームのひとつが、ビジャレアルだろう。無論、これは我々にとっては久保建英の加入が決まったからだが、それだけではなく今夏のビジャレアルの補強は非常に的確でタイトル争いを期待させるものになっている。

そう、20-21シーズンのビジャレアルにはタイトルが求められている。ゆえに、フェルナンド・ロッチ会長は監督交代を決断行したのだ。リーガを5位でフィニッシュしたハビ・カジェハ前監督が悪かったとは思わない。それでも変化を必要としてウナイ・エメリ監督の招聘を決めた。

ビジャレアルはポゼッションを主体に勝利を目指すスペインでも有数の「良いフットボール」を展開するチームである。過去には、マヌエル・ペジェグリーニ監督がフアン・ロマン・リケルメを中心に据えてチャンピオンズリーグでベスト4に進出した。伝統の【4-4-2】はその頃からこのクラブと強く紐づいている。

そういった中で、久保がレギュラーポジションを奪取できるかどうか。大きなポイントだ。マジョルカでインパクトを残した久保であるが、リーガで上位進出を目論むチームで居場所を確保できるかは今後のキャリアに影響してくるはずだ。

今回は、久保がエメリのビジャレアルでスタメンになるための「方法」や「課題」を具体的に掘り下げていくことにする。

■方法論

「バルセロナの真珠がレアル・マドリーの選手になった」

2019年6月15日付けのスペイン『エル・パイス』紙に大きな見出しが躍った。

久保のレアル・マドリーへの移籍はビッグニュースとなった。バルセロナのカンテラーノ(下部組織出身選手)がマドリーに加入する。いわば「禁断の移籍」が果たされた格好だった。

ただ、バルセロナの育成寮ラ・マシアで育ち、マドリーというメガクラブが彼を欲したところにヒントが隠れている。もちろん、有能なビジネスマンであるフロレンティーノ・ペレスが会長を務めるマドリーで、商業的な意味合いが含まれていたのは否定できない。だがチャンスが訪れないままに一生を終えるフットボーラーはごまんといるのだ。

技術、戦術理解度、周囲との連携力、判断力、ポジショニング、高いフットボールIQ...。「バルサのカンテラーノ」が意味するものを問われれば、ザッと挙げても複数の要素が抽出できる。そして、これらのファクターは当然ながら久保という選手の適性に見出すことができる。

一方で、バルサのカンテラーノというのは、外に出て苦しむパターンが少なくない。昔、マルク・クロサスという選手がいた。13歳でバルサに入団して、「新たなグアルディオラ」と期待されていた。しかしながら、リヨン、セルティック、クルス・アスルと複数クラブを渡り歩き、大成しないままにキャリアを終えようとしている。

久保の場合、マジョルカでの挑戦が試練だった。その点で、彼は試験にパスしたと言えるだろう。一時、序列が下がったものの、2019-20シーズン終盤において彼は完全にマジョルカの攻撃の核になっていた。

■久保に「本当に」求められるもの

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リーガエスパニョーラは「戦術の宝庫」。ここだけ押さえておけば、大丈夫だと言えるほどに。戦術はサッカーにおいて一要素に過ぎないかもしれませんが、選手交代をきっかけに試合が大きく動くことや、監督の采配で劣勢だったチームが逆転することもあります。なぜそうなったのか。そのファクターを分析し、解説するというのが基本コンセプト。これを知れば、日本代表や応援しているチームのサッカー観戦が、100倍楽しくなります。

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フットボールライター/戦術分析家 東京生まれ。スペイン在住歴10年。2007年に21歳で単身で渡西して、バルセロナを拠点に現地のフットボールを堪能。カンプ・ノウでメッシの5人抜きを目の当たりにして衝撃を受ける。2011年から執筆業を開始すると同時に活動場所をスペイン北部に移す。2018年に完全帰国。過去・現在の投稿媒体/出演メディアは『エルゴラッソ』『Goal.com』『ワールドサッカーキング』『サッカー批評』『フットボリスタ』『J-WAVE』等。2020年ラ・リーガのセミナー司会。『Foot! MARTES』出演中。

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