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ジダン、エムバペ、マドリー …それぞれの思惑とジレンマ。

森田泰史スポーツライター
ドリブルするエムバぺ(写真:なかしまだいすけ/アフロ)

レアル・マドリーは、パリ・サンジェルマンのキリアン・エムバぺ獲得に、本腰を入れようとしているのかもしれない。

欧州フットボール界は新型コロナウィルスの影響で一時中断している。このままシーズン終了になる可能性さえあり、そうなると2020年夏の移籍市場が開く。次の市場に向け、マドリーが狙っている選手の一人がエムバぺだ。

■エムバぺとネイマールの去就

エムバぺは2017年夏にモナコからパリSGに移籍。レンタル契約に1億8000万ユーロ(約212億円)の買い取りオプションが付けられて取引が成立した。

パリSGは近年ネイマールの去就が騒がれ続けている。最近では、バルセロナへの復帰報道が再び熱を帯び始めているところだ。バルセロナは移籍金1億8000万ユーロ(約212億円)でのネイマール獲得を目指しているとみられ、そのためにはアントワーヌ・グリーズマンの売却を辞さない構えだという。

エムバぺとパリSGの契約期間は2022年夏までとなっている。エムバペとしては、あと一年、パリSGでプレーする考えを持っていた。契約期間が残り1年となる2021年夏の移籍市場の方が、クラブが売却を検討する可能性が高まるためだ。だがジネディーヌ・ジダン監督が以前「私はエムバぺに恋をしている」と語ったように、マドリーのエムバぺに対する関心は潰えていない。

ただ、マドリーが白羽の矢を立てているのはエムバペだけではない。

■水面下の動き

その補強リストに名を連ねているとされるのが、サディオ・マネ(リヴァプール)だ。マドリーは2018年夏にマネ獲得を検討していた。フロレンティーノ・ペレス会長は、マネの獲得に意欲的だった。しかしジダン監督の電撃退任があり、来たるシーズンに向けて指揮官に大物選手を「プレゼント」するというペレス会長の目論見は水泡と化した。

また、マドリーが関心を寄せているのがアーリング・ハーランド(ボルシア・ドルトムント)である。今季、ザルツブルクでブレイクしたハーランドは、今冬の移籍市場でドルトムントに移籍。ドルトムントはザルツブルクに移籍金2000万ユーロ(約23億円)を支払った。

ハーランドはシーズン前半戦、ザルツブルク(リーグ戦14試合16得点/カップ戦2試合4得点/チャンピオンズリーグ6試合8得点)で活躍した。ドルトムント(リーグ戦8試合9得点/カップ戦1試合1得点/チャンピオンズリーグ2試合2得点)移籍後も変わらず得点力を発揮。2クラブで公式戦33試合に出場して40得点9アシストを記録している。

マネ獲得には移籍金1億5400万ユーロ(約181億円)、ハーランド獲得には7500万ユーロ(約88億円)が必要だとみられている。

マドリーは2019年夏の移籍市場で、補強資金3億550万ユーロ(約366億円)を費やした。最大の目玉はエデン・アザールだった。マドリーが補強に投じた額はリーガで1位の数字。それだけではなく、ヨーロッパで1位の数字だった。

先は見えない。まだ今季の結果さえ出ていないのだ。だが火のない所に煙は立たない。水面下で動く影が、ちらついている。

スポーツライター

執筆業、通訳、解説。東京生まれ。スペイン在住歴10年。2007年に21歳で単身で渡西して、バルセロナを拠点に現地のフットボールを堪能。2011年から執筆業を開始すると同時に活動場所をスペイン北部に移す。2018年に完全帰国。日本有数のラ・リーガ分析と解説に定評。過去・現在の投稿媒体/出演メディアは『DAZN』『U-NEXT』『WOWOW』『J SPORTS』『エルゴラッソ』『Goal.com』『ワールドサッカーキング』『サッカー批評』『フットボリスタ』『J-WAVE』『Foot! MARTES』等。2020年ラ・リーガのセミナー司会。

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