「神童」ウーデゴールが完全復活…レアル・ソシエダはリーガの「台風の目」になれるのか?

得点を喜ぶオジャルサバル、ウーデゴール、イサク(写真:ロイター/アフロ)

暫定ながら、リーガエスパニョーラで首位に立った。それは16年ぶりの出来事だった。レアル・ソシエダが今季のリーガの台風の目になるかもしれない。

リーガ第13節でレガネスに1-1と引き分けたソシエダは、その時点で消化試合数が少なかったバルセロナ、レアル・マドリー、アトレティコ・マドリー、セビージャを退けて順位表のトップに位置した。レアリスタス(ソシエダファンの愛称)は優勝を争った2002-03シーズンを思い起こしたことだろう。

ソシエダは今夏マルティン・ウーデゴール、アレクサンドル・イサク、クリスティアン・ポルトゥらを獲得し、積極的に補強を敢行している。それだけではない。ミケル・オジャルサバル、イゴール・スベルディア、ロバン・ル・ノルマンといったカンテラーノが台頭してきており、外から来た選手と純粋培養された選手がうまくミックスされているのだ。

■神童と呼ばれた男

その中でも、際立った活躍をしているのが、ウーデゴールである。レアル・マドリーが見つけた「神童」は、いま、眩いばかりの輝きを放っている。

2014年に15歳の若さでトップデビューを飾ったウーデゴールには、当時複数のビッグクラブが関心を寄せていた。リヴァプール、バイエルン・ミュンヘン、マンチェスター・シティ、アーセナルが興味を抱くなか、マドリーが注目株を射止めた。

だが、マドリー移籍後、彼のキャリアは暗転する。

トップチームで練習しながらカスティージャ(Bチーム)で試合に出る、というプランはあっけなく崩れた。ウーデゴール自身、カスティージャで突出したパフォーマンスを見せられなかった。非常に高いポテンシャルを備えているとはいえ、16歳の選手だ。文化の相違、言葉の問題、異国での適応は簡単ではなかった。

また、カルロ・アンチェロッティ監督率いるマドリーにおいては、「BBC」が全盛期を迎えていた。カリム・ベンゼマ、ガレス・ベイル、クリスティアーノ・ロナウドの看板3トップを中心にチーム作りが進められていた。トップ下を本職としていたウーデゴールに、4-3-3で嵌(はま)るポジションがなかった。

リーガエスパニョーラ最終節でC・ロナウドに代わりピッチに立ち、リーガ1部デビューを飾ったウーデゴールだが、残留の芽はなかった。16歳157日でクラブ史上最年少デビューという記録を打ち立てたものの、2017年冬にヘーレンフェーンにレンタル。2018年夏にフィテッセに再びレンタル放出され、この夏にレアル・ソシエダの一員になった。

■進化と臨機応変さ

ヘーレンフェーン、フィテッセと、オランダで出場機会を重ねたウーデゴール。それは彼に進化を促した。元々のテクニックとプレービジョンに加え、フィジカルの向上とポジショニングの妙で、中盤の肉弾戦をモノともしなくなった。

今季のレアル・ソシエダは4-3-3でプレーしている。皮肉にも、ウーデゴールがマドリーで「BBC」の壁にぶち当たった際に使用されていたシステムだ。だが現在、ウーデゴールはインテリオール(インサイドハーフ)のポジションで躍動している。それこそが、彼の成長を物語っている。

右のインテリオールで起用されるウーデゴールは、右ウィングに置かれる選手の特徴によってプレーを使い分けている。アドナン・ジャヌザイがいれば、近くにポジションを取って、連携でサイドを崩そうと試みる。ポルトゥがいれば、彼にスペースを与え、自分は相手のDFラインとMFラインの間に位置して、スルーパスを狙う。この臨機応変さが、ウーデゴールという選手を差別化している。

ただ、ウーデゴールへのマークは厳しくなり、開幕から11試合連続フル出場を果たした影響もあって、負傷離脱を強いられた。ウーデゴールを欠いた直近の試合では、ハビエル・アギーレ監督が就任したばかりのレガネスに勝ち点1を献上した。

だが一時は失敗の烙印を押されたウーデゴールが不死鳥の如く甦ったように、チームは再生するはずだ。現在5位のレアル・ソシエダは第14節でレアル・マドリーと対戦。彼らは2019-20シーズンのリーガを沸かせる存在になろうとしている。