バルサに完勝したエスパニョール。試合を決めた、「戦術ポイント」は。

必死に守ったエスパニョール(写真:ロイター/アフロ)

バルセロナの公式戦における連続無敗記録が、29試合で途切れた。

無敵に見えたバルセロナに土をつけたのは、レアル・マドリーでも、アトレティコ・マドリーでもなかった。コパ・デル・レイ準々決勝第1戦で、本拠地RCDEスタディウムにバルセロナを迎えたエスパニョールが、オスカル・メレンドの決勝ゴールで1-0とダービーを制している。

エルネスト・バルベルデ監督は、ジョゼップ・グアルディオラ監督(現マンチェスター・シティ)が2010-11シーズンに達成した28試合の連続無敗記録を破った直後に敗戦を経験。ルイス・エンリケ監督が2015-16シーズンに打ち立てた39試合連続無敗記録には届かなかった。

■4-1-4-1の組み合い

バルセロナは4-1-4-1。GKシレッセン、最終ラインにディーニェ、ヴェルメーレン、ピケ、セルジ・ロベルト、アンカーにブスケッツを据えて、中盤にデニス・スアレス、アレニャ、パウリーニョ、A・ビダルの4枚をフラットに並べた。1トップには、メッシが入る。

対するエスパニョールは、4-1-4-1とバルセロナと同じ布陣で臨んだ。GKディエゴ・ロペス、DFアーロン、ナウド、ドゥアルテ、ナバーロ、アンカーにハビ・フエゴ、その前にグラネロ、V・サンチェス、ダビド・ロペス、ダルデル、最前線にG・モレノが据えられた。

エスパニョールは序盤、積極的に前線からプレッシングを掛けに行く。右CBのピケに対してモレノ、左CBのヴェルメーレンに対してダビド・ロペスが蓋をして、サイドバックに出たところをグラネロとダルデルが狙った。

■CMF型の5選手起用とトリプルボランチ

徐々にバルセロナに押し込まれ、前線からのプレスをやめて「第一ライン」を下げたエスパニョール。ただ、フエゴ、ダビド・ロペス、V・サンチェス、グラネロ、ダルデルはいずれもセントラルハーフ(CMF)型の選手だった。この5選手が中盤に配置されたことで、攻撃時のスピードと推進力こそ失われたものの、チーム全体の平衡感覚が保たれ、連動した守備が可能になる。

フエゴ、ダビド・ロペス、V・サンチェスは逆三角形でトリプルボランチを形成して、バルセロナの肝となる中盤を潰し続けた。特にフエゴは、中盤に引いてくるメッシのケア、バイタルエリアのカバーと重労働を課せられながら、奮闘した。

バルセロナはサイドチェンジを使いながら横に揺さぶりをかけ、エスパニョールのMFラインとDFラインに隙間を生み、中途半端な位置でメッシが前向きでボールを受けるという形を作ろうとした。だがメッシはほとんどペナルティーエリア内に入れず、フィニッシュに絡めなかった。

スペイン『アス』より。メッシが動いた位置のサーモグラフ。ほとんどペナルティーエリア内に入れていない。
スペイン『アス』より。メッシが動いた位置のサーモグラフ。ほとんどペナルティーエリア内に入れていない。

■ある程度サイドは捨てて、メッシをできるだけゴールから遠ざける

エスパニョールは62分にGKディエゴ・ロペスがメッシのPKをストップして、試合の流れを変えた。決勝点がナバーロとメレンドという2人のカンテラーノの連携から生まれたのも、朗報だった。

エスパニョール戦では、イニエスタが負傷で欠場した。アルバとスアレスは先発から外れた(スアレスは後半途中にアレニャと交代で出場)。

アルバのオーバーラップ、スアレスの頑強なポストプレーがあれば、バルセロナは違う形で試合を進められただろう。あるいは時間と空間を作れるイニエスタがいれば、メッシはフィニッシュに専念できたかもしれない。

しかし、エスパニョールがバルセロナ相手に効果的な戦い方を示したのは事実だ。攻守の能力が高い万能なMFを中盤に多く(5枚)置き、ある程度サイドは捨てて、メッシをできるだけゴールから遠ざける。

その戦い方は、チャンピオンズリーグのベスト16でバルセロナと対戦するチェルシー、またはリーガエスパニョーラで上位を争うアトレティコ・マドリーやバレンシア、レアル・マドリーにとっても、十分参考になるものだった。