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台風14号 台風特異日の9月17日ごろ九州北部に接近か 西日本は大雨に

森田正光気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ会長
台風14号の雲頂温度の様子(出典:ウェザーマップ スタッフ加工)

 非常に強い台風14号(中心付近の最大瞬間風速60メートル)は、12日(日)18時現在、台湾の北の海上を北上中です。与那国島では12日の昼前に最大瞬間風速45.4メートルを観測しましたが、このあとも車が横転するほどの猛烈な風が吹く恐れがあります。

 この台風は、スピードが時速20キロで、それほど速くありませんが、今後、少し複雑な経路をたどりながら、9月17日(金)後半から18日ごろには、九州北部に接近する見込みです。

 ちなみに9月17日というのは、過去に枕崎台風や第二室戸台風などが上陸し、大型台風の特異日として知られています。

発達した積乱雲と海水温

 トップ画像は雲の頂上の温度を表したもので、赤くなるほど温度が低く、より発達していることを表しています。これを見ると台風中心付近は濃い赤色で、濃密な積乱雲が渦を巻いているのがはっきりしています。

 この台風の中心気圧は一時的ですが905hPaにまで下がり、台風のランクとしては最高の「猛烈な勢力」にまでなりました。

日本近海の海面水温と水深50メートルの海水温(出典:気象庁 スタッフ加工)
日本近海の海面水温と水深50メートルの海水温(出典:気象庁 スタッフ加工)

 東シナ海の海水温は、海面水温が30度前後と高いエリアが広がっています。ただ、台風14号はこのあと陸地の近くを通る予想であることや、黄海付近までくると水深が浅くなり、深さ50メートルあたりの海水温も下がってくるため、台風としての勢力は徐々に衰えてくる予想です。

 とはいえ、雨雲が無くなるわけではありません。その後の進路によって、日本に大雨をもたらす可能性があるのです。

停滞する台風14号

台風14号の18時の位置と予想進路図(出典:ウェザーマップ)
台風14号の18時の位置と予想進路図(出典:ウェザーマップ)

 上は台風14号の進路予想図です。特徴的なのは、台風の予報円が重なっており、東シナ海北部(九州の西の海上)で、台風が足踏みするとの予想になっていることです。

 台風は本来、上空の風に流されて移動します。しかし上空の風が弱い時にはどうなるかというと、地球自体の自転の影響を受けて、自力で北西方向に進みます(ベータ効果、ベータドリフトなどと呼ばれています)。

 この自力で進む速度は、計算上は時速約10キロ程度とされていますが、自然界には様々な空気の移動(風)があるために、台風の速度は、その状況によって速くなったり遅くなったり、場合によってはベータ効果が相殺されて、停滞したりするわけです。

 14号の場合は、北緯30度線を越えるあたりまでは北西方向に進みますが、その後は北からの高気圧に抑え込まれるような形で動きが止められます。その後、高気圧が東へ抜けるタイミングで上空の偏西風に乗り、17日後半から18日ごろには九州北部から本州を横切って進む予測資料もあります。

西日本は広範囲で大雨の恐れ 週末は東~北日本に影響も

週間アンサンブル支援図 (出典:気象庁 スタッフ加工)
週間アンサンブル支援図 (出典:気象庁 スタッフ加工)

 上記の連続天気図は、気象庁が週間予報を作成するための補助資料で、不確定な要素も含みますが、ハッチングされているところが予想雨域です。

 おおまかにいうと、週明け月曜日から一週間ほどは全国的に雨のところが多くなりそうで、しかも、週の前半から台風14号に向かって湿った空気が入ってくるので、西日本では広範囲にわたって大雨になる恐れがあります。

 今年の8月は記録的な長雨豪雨になったところもありましたが、今回の雨も降る期間が長いので、気象情報に留意して、早めの対応が必要でしょう。

参考 

5月21日掲載記事

「おかえりモネ」百音の誕生日は9月17日か "台風特異日生まれ"に秘められた意味

各国の予報モデル GPVweather https://www.gpvweather.com/typmodels.php

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ会長

1950年名古屋市生まれ。日本気象協会に入り、東海本部、東京本部勤務を経て41歳で独立、フリーのお天気キャスターとなる。1992年、民間気象会社ウェザーマップを設立。テレビやラジオでの気象解説のほか講演活動、執筆などを行っている。天気と社会現象の関わりについて、見聞きしたこと、思うことを述べていきたい。2017年8月『天気のしくみ ―雲のでき方からオーロラの正体まで― 』(共立出版)という本を出版しました。

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